JR東日本  EV−E301系
 
  栃木県の非電化ローカル線、烏山線に新型車両が登場しました。EV-E301系、「蓄電池駆動電車」3ドア2両1組のパッケージです。試験的要素が強いようですが、将来は烏山線をこの形式で置き換えたいという話もあり、デビュー時は地元は歓迎ムード一色だったようです。平成27年12月現在ダイヤは宇都宮〜烏山2往復、宝積寺〜烏山1往復で固定されており、検査時などはキハ40形が代走し、事前にわかる場合は烏山線各駅に情報が掲示されます。従って烏山線内はキハ40形でも務まるくらいノンビリ走る印象で、正直余力がありそうです。基本的にはワンマン運転で、烏山駅や宇都宮線でパンタグラフを上げている姿は東北地区のワンマン電車そのものの佇まいです。
(取材・撮影 JR烏山線・宝積寺〜烏山)

 

 

 


車内全景です。3ドアロングシートです。編成中央を中心に対称になるように構成されており、車椅子スペースは編成中央に各車両1ヶ所ずつ、優先席は乗務員室側に各車両6席ずつ設けています。車椅子スペースの設置は嬉しいところですが、優先席の位置が在来車と合わないのは運用面でやや気になります。
裾絞りではなく天井周りがカクカクした断面ですが、ステップレスの車内は思ったよりも広く、すれ違うキハ40形の車内が気の毒に思えるくらい明るい車内、でも私的にはどうしても落ち着かないところがあるんです。


車端部です。車椅子スペースと機器スペースの組み合わせで、キハ40形同様トイレはありません。最新の技術を以てしてもトイレと同じくらいの面積を機器スペースにしなければならないところが悩みどころかもしれませんが、この手の機器スペースは他社の車両にもありますし、さほど混まない路線であれば問題ないと思います。あとはトイレと間違えそうなお客さんへの対策ですね(^^;;
天井と側面の化粧板の間に黒い帯を施していますが、車内の広がりや締り具合を見ると結構効果的だと思います。JR東日本の通勤・近郊型車両ではなかなか見ないデザインです。

 
機器スペースと車椅子スペースです。車椅子スペースは妻面まで設けた手すりがGood。非常通報機、ヒーターも備えていますが、なんといってもステップレスなのが嬉しいです。また、「蓄電池駆動電車」のリアルタイムの動きがわかるモニターもこの位置に設置しています。リアルタイムとは言っても若干のタイムラグがありますが…(^^;;
機器スペースにも蓄電池駆動電車であることのアピールとか、手すりは欲しいところです。ワンマン運転、意外と人の動きがあるものです。


乗務員室との仕切りです。天井と仕切り壁の間の黒帯はこのポジションが一番決まっています。キハE130形などでも見られる構成の仕切りですが、この形式では助手席側の窓がやや小さく、運転席側の窓がカクカクした印象です。仕切り扉を画像向かって左方向に引くとワンマン運転用の運賃箱が出てきますが、非常時の脱出口とワンマン運転時の仕切り扉が重なっているのは非常時に大丈夫なのでしょうか…?
また、このポジションに整理券発行機がいますが、後ろドアから乗って前ドアから降りる現行のワンマン運転ではあまり使わないと思います。このあたりもキハE130形の使い回し…かもしれません。


天井です。LEDの灯具になってからややデザインに凝ったようになっていて、普段の剥き出しの蛍光灯とは一味違う照明が備わっています。光の線としては細いですが、車内全体を照らすには十分すぎる明るさです。吊革は通勤車両の如く車内全体にまんべんなく設置されていますが、E233系の黒ではなく灰色のものを使用しています。


床です。優先席部分は赤とピンクのしましま、それ以外の部分は…オレンジと黒色を散りばめた柄で、これが見ていて大変落ち着かないものになっています。確かにゴミは目立たないかもしれませんが… キハE130形のような無難な色にならないものでしょうか。

 
ドア周りです。右の画像は半自動ドアのスイッチ3種です。室内側の「あける」「しめる」のボタンはあまり見ないデザインです。ドアそのものは無塗装のものですが、ちょうど中央にあたる黄色いゴムが珍しく、試作的要素も含んでいる形式であることが垣間見られます。段差も無くドア窓も大きいドアですが、半自動ドア時のドアチャイムも高く大きく、様々な意味で目立っていました(^^;;
なお、車外ではワンマン運転時の「入口」「出口」「締切」を示すLED表示も備わっています。流石にキハ40形烏山線ワンマン車でお馴染みの「〆切」ではありませんでした、こっちの方が格好良いと思うんですけどね(^^;;


窓枠です。固定と上半分が開閉する窓との組み合わせで、戸袋やクロスシートを意識した窓配置にしなくてもいいことからドア〜ドア間の窓は固定〜開閉・固定〜開閉の順に設け、反対側が開閉〜固定・開閉〜固定と逆になるように配置しています。固定〜開閉・開閉〜固定で反対側も同じだったキハE130形と比べると窓配置にかなり違和感がありますが(^^;; 慣れれば自然に見えてしまうかもしれません。できれば固定窓と開閉窓の間にある縦の桟は黒く塗って視界から目立たなくなるよう処理して欲しいものです。

 
座席です。ドア〜ドア間のみの設置で、12人掛けのロングシートになります。乗務員室側の左右6席ずつが優先席に充当されており、吊革やスタンションポールなどでも判別ができます。バケット形状の座席は相変わらず着座感が落ち着きませんが(どうも座面が奥から手前にかけて斜めに下がっているような気がするのです…あれ、私だけ?)、ディーゼルカー特権?!ということもあって座面下のヒーターはカバーで覆われた物を用意しています。これは嬉しいです。
座面が普段よりも奥行きがありそうに感じますが、それはモケットの模様が成せる技。座面がやや柔らかいですが乗り心地は時折大きな振動をダイレクトに拾いがちです。また、コンプレッサーの音がうるさいのも気になります。あ、これは座席の話ではないですね(^^;;
私的にはモケットのモザイク柄はかなり格好良いと思いますし、飽きさせないデザインだと思います。試験車のデザインは格好良いJR東日本ならではです。


袖仕切りです。形状的に側壁と仕切りの間に鋭角のスキマが空いていると色んな意味で不安になります。

 
座席に座ると網棚や吊革が邪魔で何かと見えにくい蓄電池駆動電車のしくみをリアルタイムで表示するモニターです。停車前にもブレーキで充電をするそうで、思ったよりも充電シーンが多い印象です。急速充電のアナウンスは車外にも聞こえますし、パンタグラフの上げ下げは車内にいても結構音や振動が伝わります。モニターのパンタグラフもしっかり上昇しています。
で、私的には蓄電池の充電容量があと何%か表示されると面白いなぁと。携帯電話のように「まだ30%あるから大丈夫!」「あと10%しかないから滝駅から烏山駅まで電車押さなきゃ。」「あと4%?!これ電源落ちちゃうんじゃない?」と、ついつい心配、応援したくなる数字だと思いますが…却下ですか?!
 
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