JR東日本  E721系[500番台]
 
  2006年に「仙台空港アクセス線」に乗り入れるために登場したのがE721系500番台です。南東北で広く活躍するE721系0番台よりも落成が早かったこともあり、E721系のデザインは絶対こっちの方が似合っている!なんて思ったものです。
現在も基本的には仙台と仙台空港の間を行ったり来たりする運用がメインですが、時折臨時運用もこなしており、東日本大震災後復旧の進捗状況に合わせて運転された「新幹線リレー号」にも485系や583系に混ざって3ドア車で唯一充当されました。
仙台空港鉄道のSAT721系との連結もできるようになっており、その表情の違いを愉しむのもまた良いのではないかと思います。

(取材・撮影 JR東北本線/仙台空港アクセス線・仙台〜美田園)

 

 

 

 
車内全景からご覧いただきます。3ドアセミクロスシートの車内はいわゆる「普段見慣れた電車」よりも若干縦長に見えるのではないでしょうか。右の画像は乗務員室側からトイレ側を見た仙台空港側車両の車内で、トイレの扉も含めて719系や701系と続いた暖色系のカラーリングから一転した様子が伺えます。
3ドアセミクロスシートの車内はそのカラーリングも含めて「お腹一杯」「もう見飽きた…」という方も多いと思います。でも、209系から始まったJR東日本の一連の新車で「3ドアで左右両側ともセミクロスシート」部門って、意外とこのE721系とキハE130形くらいしかありません。国鉄時代から受け継がれていた座席配置を久々に律儀に守った車両だと思えば少しは親近感が沸いてきませんか…?

…719系の座席配置の方が一人者には優しかったのになぁ…(ボソッ


乗務員室との仕切りです。乗務員室が一段高い所にある関係で、JR東日本の通勤・近郊型電車ではなかなか見られない「引き戸」の仕切り扉を採用しています。南海電車のような様相ですが、ガラスのデザインが下のルーバーとあっていないため、すごく中途半端な扉に見えて気になってしまいます(^^;;
500番台は運賃収受をしないワンマン運転のため、ワンマン機器の設置はありません。

 
500番台名物は車端部にある大きな荷棚ではないでしょうか。仙台方車両の車端部よりにある窓付きの仕切りがポイントです。荷棚は上下2つに分かれており、上下動できる開閉バーや荷物と結びつけることもできる金属の保護棒も完備。可動部分にもカバーをする配慮もGoodです。ワールドカップ直前のある意味荒れた時期の成田エクスプレスの荷物棚を見るにつけ、このキレイな状態がどこまで保てるかは正直気になりますが…(^^;;


トイレのある車端部です。ドアから妻面までの距離がE231系などと比較して長いので、トイレの隣に座席がポツンと置いてある景色、そして両開きの貫通扉が新鮮です。優先席はドアの手前のロングシートが充てられています。セミクロスシートの車内なので座席のモケットよりも吊革の形状や色ではっきりとその差が感じ取ることができます。

 
トイレ周り、そしてその反対側にある車椅子スペースです。
このあたりの設計はお見事!で、丸みを帯びたスタイルが自然に車内に溶け込んでいる印象です。丸みを帯びたスタイルなので存在感抜群ですが、ピクトグラムと開閉ボタンはもう少し大きくても良いと思います。
大きいのは車椅子スペースについたヒーターで、大きく出っ張った握り棒とともに寒さ対策も万全。ドア前のステップが無くなったので車椅子の乗り入れもラクラクこなせます。

車椅子スペースの奥は座席ということで、701系では車椅子スペースにあったゴミ箱が見当たりません。このあたりはしっかり車種関係なく、場所はどこでもいいので設置して欲しいところです。


天井です。節電の関係で所々蛍光灯が外されています。
701系と異なる点はラインデリアの復活で、それだけでもう夏場の快適さが伺えてきます。
蛍光灯が剥き出しなのは他の車両と同じで、網棚や荷棚からの荷物の上げ下げにあたってぶつけない高さだから割れる心配はあまり考えていないようです。確かに考えなくても構わない高さですが、大きな荷棚の上の蛍光灯ぐらいにはカバーがあっても良いと思います。


床はアイボリーをもう少し淡く、灰色に近づけたような柄です。E721系0番台で行われている優先席部分の色分けはされていません。ドア付近は黄色の滑り止め床を用いています。


ドア周りです。やはり車内の高さが他の車両よりも高いこともあり、心なしかドアも縦長になっている気がします。半自動ドアなのでボタンがつき、全てのドアの鴨居部分にLED表示機が設置されています。吊革もしっかり設置しています。

ドアそのものは無塗装で、中央のゴム押さえの両側に黄色のテープを貼って注意喚起しています。注意喚起すべきはこの列車が「空港アクセス線の列車」で白石、常磐線、福島方面には行かないということであって、吊革やドアの色を空港をイメージする空色に変えてさりげなく空港アクセスアピールを行うのはいかがでしょうか?

 
左の画像は半自動ドアです。車外の「ひらく」ボタン、車内の「ひらく」「しまる」ボタンをそれぞれ点灯時と消灯時で撮影しました。黄色の縁がかなり目立ちますが、ボタンに描かれた黒のピクトグラムは早くも消えかかっています。きっとどっちが「ひらく」ボタンなのか、記憶力クイズを試したいというJRの作戦なのでしょう。
LED表示機は右の画像の通りで、もう少し大きい表示で太く映ればいいのに…とつい思ってしまいます。

 
怒涛の東北座席ゴールデンイーグルスです。弊サイトとしては珍しい構成ですが、まずはロングシートの優先席からご覧いただきます。仙台方車両、荷棚付近に展開する4人掛けと2人掛けの優先席です。4人掛けロングシートはこの編成ではここだけということになり、2人+2人としてポールで区切っているのが珍しく見えるくらいです。
いつものスタイルの座席は相変わらず背もたれが硬めで、座面に少し柔らかさを感じたものの膝裏の圧迫を和らげるほどの期待はできません。そして、2人掛けの優先席の背後に窓は無く、反対側に座ると荷棚ウォッチングくらいしか楽しみがありません。さながら飛行機における「ハズレ席」の予行演習みたいなものです…。

戸袋窓、つければいいのに…。


ごくごく一般的な袖仕切りです。一般的な…と呼んでも構わないくらいすっかり普及しました。仙台地区でも701系に続いての登「板」になり、特に一ひねりした様子は見られません。


仙台空港方車両にあるのは2人掛けのロングシート。車椅子スペースの隣にある関係で、肘掛のような居心地の良さが自慢の肘掛が備わっている席です。…尤も、冬場は寒い風が直撃しますが(^^;;

優先席では感じなかった「しまりの無さ」はこの座席のモケットが原因かと思います。なぜ座面と背もたれで色の差をつけなかったのでしょうか。背もたれから座面にかけての曲線が緩やかにだら〜っとしているカーブに美しさを全く感じません。

 
セミクロスシートはドア〜ドア間の配置で、ドア脇にロングシート、真ん中に2組固定クロスシートが4人1組で備わっています。右の画像は仙台空港方車両のみ設置されているロングシートが優先席モケットバージョンになります。座席についてはモケット以外の変更点はありません。

見ていて愕然とした方もおられるとは思いますが、クロスシートは片持ち式を採用しており、ガッチリと座席下のヒーターを備えたロングシート部分よりもだいぶ寒そうなオーラを醸し出しています。719系も座席下に隙間があったので座席下にくっついたヒーターで何とか足元の冷えは大丈夫という見込みなのかもしれません。しかし、冷たい風は勢いよく吹き込むもの。何か座席下にも仕切りがあった方が暖かいのは明らかです。

 
ロングシートです。ドアとクロスシートの間に挟まった2人掛けのロングシートはコンパクトなスペースに気持ちばかりの窪みをつけてなんとか2人座って欲しい!という思いが詰まっています。が、窪みの下辺にあたる傾斜の長さを長めにとったり、窪み自体あまり窪んでいないこともあって、窪みそのものがロングシート周りの余裕を作っていない状態になってしまっています。それでも何もない車端部よりはほんの少しマシかな…?
そしていまいちそこにたたずむ目的がわからない握り棒が彩りを添えて、クロスシート背面のキャンパスは芸術性が爆発しています。背面のキャンパス、下辺が斜めに切れている点は嬉しい配慮でもあり、ようやく見つけたGoodストーリーでもあります。

 
クロスシートはお馴染みのシルエットで、ロングシートのだらんとした感じはこのクロスシートのモケットに合わせた格好なんだなぁと納得する瞬間でもあります。
座面のスプリングが効いたり、E217系よりも座席下のヒーターを下に張り出させたり、細かい改良は適宜加えられた上でのリリースになっていますが、硬くてプラスチックな素材感が前面に出てくる雰囲気は719系の柔らかなイメージとは違う、エッジの効いたイメージが先行してしまいます。

さて、この車両は仙台空港へのアクセス目的で作られました。同じ空港アクセスの先駆者として、関西空港へのアクセスを主眼の一つにおいて作られた225系や223系は空港利用者の荷物を考慮してクロスシートの配列が2人+1人になっており、結果的に通路幅が広めにとられています。このE721系もその気になれば通路幅を広く取れたと思いますが、2+2列という0番台と同じ配列に落ち着いています。このあたりの考え方の違い、掘り出すと愉しくなってきそうな気がします。

 
短距離運用が多い中、テーブルまで用意されています。ささやかな大きさですが、この大きさが邪魔にならないんです。ここの丸い窪みも飲み物をしっかり固定するには不十分で、折り畳みの携帯電話や飴を置く時に発揮しそうな深さです。丸い窪み自体はいじらなくていいので、もう少し外周部分の縁を高くして欲しいです。


乗務員室は客室よりも一段高い位置にあるため、LEDの灯りとステッカーでその高さをアピールしています。

そう、ステップレスの客室になっても、離陸へ向けてホップ・ステップ・ジャンプ!!


…の勢いで、この段差につまづかないよう気を付けたいものです。
 
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