JR東日本  485系700番台「NO.DO.KA」
 
  元々シルフィードだったジョイフルトレインですが、平成13年にカーペット車に再改造、NO.DO.KAと名を改めて新潟地区を中心に活躍しています。種車は485系で、低屋根化も行われているので電化区間であればどこでも走れるのが強みです。
見てのとおり先頭車はデッキを境に展望スペースと客室に分かれています。乗務員室は外からのはしご…ではなく、乗務員室扉から入ることができます。パノラマエクスプレスアルプスやオランダ村特急などで見ることができたこの展望席スタイルのジョイフルトレイン、また一つその灯が消えようとしています。
取材した列車は「弥彦山ナイトクルーズ」号です。展望とは一見関係ない時間帯に走るこの列車も、展望スペースは絶えず人が集う状況。子供も大人も、普段の列車とは違う目線で景色が繰り広げられる空間を愉しく感じるものです。
(取材・撮影 JR信越本線・新潟 他)

 

 

 


まずはカーペット車から、車内全景です。片一方に通路を寄せてテーブルを挟んで両側に座椅子を配置。ロングシートのような向かい合わせの配置で4人1組の組み合わせは団体利用を念頭に置いた構成です。
早くも外観の軽やかな雰囲気とは裏腹に重厚な色遣いをカーペットや座椅子から感じます。アイボリーの内壁や天井からはちょっとくたびれた様子も伺えます。特急型にして物足りなさを感じるのはカーテンが横引きのものではないからかもしれません。


車端部です。このドアは自動で開きます。通路には壁を設けていますが、このゆったりしたカーブがちょっとエロいです。
カラオケセットや液晶テレビを置いている区画でもあり、客室からカラオケ機器があまり見えないようになっているのはなかなかな配慮です。また、一部の車端部の区画は窓側にちょっと広いので、何かと狭く感じる車内でちょっとしたお買い得ゾーンになっている点も要注目です。一応、荷棚が途中で切れている事に対する荷物置き場としての空間だと思うのですが…(^^;;


1号車と2号車の間の貫通扉は両開きの手動になります。485系としては異例の両開きは懐かしささえ感じます。2号車は他にも天井が若干低くなっている区画もあり、この手の車両では珍しく車内学的に何かと美味しい中間車です。
この壁の向こう、右側にはカラオケセット、左側には液晶テレビがスタンバイしています。この弥彦山ナイトクルーズ号では往路にマイクを使った星空解説を行っていましたが、テレビをつけることなくマイクが使えました。企業の皆さん、プレゼンにNO.DO.KA、いかがですか?


天井です。丸いスピーカーはリゾートエクスプレスゆうでもお馴染みのVOSSです。蛍光灯のカバーは完全に覆うものではなく、間接照明のような魅せ方のものを用いています。なかなかお洒落かつ汎用性の高いデザインです。頭をぶつけそうになりそうな高さでもないので、このような照明でも十分対応できたのでしょう。
真ん中の通風孔が485系らしい装備です。


カーペット部分の床です。真っ赤なカーペットが印象的で、黒い座椅子との対比が大変鮮やかです。なお、2号車はテーブルの天板が水色なので、この3号車の雰囲気とは違うごちゃまぜ感が展開されています。
座椅子に隠れてなかなか見えないところですが、通路とカーペット部分の間には仕切り棒も展開されています。おおよそ座席の配置はその仕切り棒で辿って行けばわかるようになっています。


カーペット側の窓です。窓の大きさは種車と異なる様子がわかりますが、座椅子の配置とも全く違う展開にしばしば混乱してしまいますが(^^;; シルフィード部分の名残かもしれません。だとすれば、窓上の無機質な荷棚もその時のものかもしれません。元はグリーン車だったのに、その華やかな印象をもどこかへ飛んで行ってしまった改造っぷりにビックリです。
出庫時はロールカーテンをすべて引いていましたが、カーテンのヘタレ具合は全く感じませんでした。

 
デッキ周り、そしてドア周りです。このあたりもきれいに改装されています。色遣いやスポットライトの使い方が上沼垂の485系らしくて良い感じです。尤も側ドアは味気ないステンレスのもので、それこそ晩年の485系で使っていた窓が縦半分のものに取り換えればもっと非日常感が出たのに…と思うところです。
トイレが男性小用が2つ、男女共用が1つ、女性専用が1つと気づけば充実のラインナップ。後々気づいたのがトイレの折り戸。片開き戸や片引き戸は多く見かけますが、JR東日本の特急車でトイレのドアが折り戸…あまり見かけた事が無いのは自分だけでしょうか。
 
そして一番の目玉がこちら、洗面所です。もう青いホースがなぜ出ているかが気になってしまいます。謎の蛇口は自動水栓から水が出ないときに捻ってくれとのことですが、こちらも洗面台から飛び出す理由がわかりません。そして、温水が出るのか出ないのかよくわからないテプラの注意書き。誰か開けるのを待っている石鹸…もう、長閑な空間が渦巻いています。

 
先頭車のデッキから車端に向かうと展望スペースになります。ロビーのようなフリースペースで、左の画像が新潟方先頭車のもの、右の画像が直江津方先頭車のものになります。それぞれソファの置き方を変えて差をつけていますが、せっかくの展望を台無しにする座席配置はもうユーモアで笑い飛ばすしか…。
この区画もカーペット敷きですが、カーペットは一度交換されているようで、以前はパネルカーペットのような色のついたものだったようです。
それにしても…天井の修復具合が泣けてきます…。

 
座席です。いずれもソファで、座面の奥行きが見た目以上に深めで、良く沈み込みます。ソファだからか、気持ち座面の位置が低めのセットです。フリースペース故に何時間も座る様なものではないので必要十分の設備と言えそうです。右の画像は画像の左下の方までぐるっと回り込むソファになっています。
一応空調はついていますが、人数が多くなるとあまり役立たなくなるのも事実です。
 
座席は新潟寄り先頭車には2人掛けのシートがあったり、各車とも1人掛けの背もたれ無しの席があったりと空間が狭い中で何かと工夫した跡が見られます。2人掛けのソファの向こうには展望が広がりますが、右側にはやはり椅子があるので、どこまで2人でロマンチックな雰囲気に浸れるかは当日の環境次第でガラリと変わります。長閑な気持ちで利用したいものです。

 
カーペット車に戻って座椅子とテーブルのコラボです。テーブルにはビニールが敷かれており、飲み物が倒れるのを防ぐ役割も担っています。2号車の全区画と1号車の1か所だけ右側の水色テーブルがお出迎えしてくれます。
どの区画もこのようなスタイルなので、4人で座ると足元が狭くなるのも事実で、相席になると隣席同士の近すぎるポジションが気になる方も出てくるのではないでしょうか。端の区画はともかく、端以外の区画は周りもそんなに余裕がありません。

でも、足を伸ばしてまったり移動する分には良い思い出になります。


座椅子です。お茶の間にある座椅子そのままです。ただ、こちらも老朽化でしょうか、装飾ボタンがとれている座席もありました。
いわゆるお茶の間の座椅子を想像して頂ければと思います。ただ、生地がレザー張りの触り心地でちょっとツルツルする印象でした。ホールド性を重視する椅子というよりもよっかかるためのツールとして見た方が良いかもしれません。
さて、この座椅子はリクライニングもします。一度背もたれを垂直より浅い角度にセットし、ロック解除とともに水平(!)まで背もたれを倒し、深めから浅めに向かって希望の角度にセットすることができます。水平にした状態で寝転がりたい気持ちになるのは私だけではないと思いますが、さすがに周りの方に迷惑がかかるのでダメ、絶対。
リクライニングができない華や宴よりもくつろげそうですが、やはり足元の狭さがネックです…。

 
今回乗った「弥彦山ナイトクルーズ号」ではA4の紙が各テーブル4枚配られましたので、上から撮ってみました。これで大まかな広さが伝わると思います。で、これよりはるかに小さい座席番号のテプラがテーブルに貼られていますが…見えますか?

そして、お約束のカラオケ機械です。UGAです。
まったりと車内に響くのど自慢。そんな団体列車で宴を楽しむNO.DO.KAな時代は終わりを迎えつつあります。
 
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