JR東日本  485系[勝田電車区・K60編成]
 
  臨時列車などで登場する車種…として485系の名前が挙がる時代になってしまいました。かつては急行形車両が幅を利かせていたポジションでしたが、世代交代が済んでしまった格好です。
今回紹介する485系は勝田電車区に所属する6両編成の臨時・団体運用を専ら担う「K60編成」です。快速「舞浜・東京ベイエリア号」や急行「ぶらり鎌倉号」などでお馴染みの常磐線沿線から首都圏各地への臨時列車が運転される際によく登板します。
元々北海道の電化開業用に作られた485系なので、おでこのヘッドライトが2灯備わっているのが特徴です。その後新潟で活躍し、勝田にやってきたので特急「ひたち」として活躍していたわけではありません。ただ、常磐線に485系が走るという事実があるだけで嬉しいじゃないですか。
(取材・撮影 JR常磐線・日立〜石岡)

 

 

 

 
車内全景からご覧頂きます。左側の暗い画像が先頭車の車内全景、右側の明るい画像が中間車の車内全景になります。両車の大きな違いは天井の冷房吹き出し口ぐらいで、全ての車両が座席の換装、蛍光灯カバーの変更、座席部分の床の嵩上げなどを行ったいわゆる「グレードアップ車」になっています。快速運用なら小躍りしても足りないくらい嬉しくなるグレードです。
このK60編成では新潟地区にはない黄色のヘッドレストカバーを設置しています。E653系「フレッシュひたち」でもお馴染みの黄色いヘッドレストカバーなので決して珍しいわけではありませんが…車内の雰囲気が格段に明るくなったような気がしませんか?

 
デッキとの仕切り扉です。左の画像のようにツルッとした仕切り壁に今はもう使わなくなったであろうLED表示機を埋めた後の出っ張りが良いポジションに居座っています。右の画像は壁が少し手前にせり出した仕切りです。
183系のグレードアップ車などでもお馴染みの淡い青色の扉が今見てもお洒落で、なるほどヘッドレストカバーの黄色によく合います。各車両のデッキに出る扉は自動でしたが、客室から他の車両に直接移る扉は手動でした。行き来の頻度の問題かもしれませんが、取材対象列車が全車指定席だったので手動で邪魔になることはないでしょう。
 
扉の自動/手動切り替えスイッチや座席種別などの表示機が詰まったLED表示機撤去後の姿です。明らかに「何かがあった」オーラ全開です(^^;; 個人的にはぜひまたLED表示機の復活を願いたいところですが、表示する内容が無いようという話がふと湧き出てきそうです。
その脇にある号車案内の札、明らかにパソコンで作った感じが残念です。「指定席」表記共々、もう少し遊び心があっても良いと思うのですが…臨時列車しか使わないから面倒という話がこれまた湧き出てきそうです。


先頭車、乗務員室との仕切りです。天井がなぜかこの部分だけ少し低めに設定されています。「運転室 非常の場合以外は立ち入らないでください」という小さく古いフォントのプレートが扉に貼ってあります。この先頭車とは別に乗務員室が中間車にあるため、乗務員室とは区別したかったのかもしれません。尤も車掌さんはずっと最後尾のこのドアの向こうにいたんですけどネ(^^;;

中の様子を伺うことは全くできません。デッキも無いのでその必要もありません。ただ、運転席から発すると思われるありとあらゆる音はよく聞こえます。ちょっと落ち着きません。

 
蛍光灯周りのルーバーがなかなか斬新な天井周りです。パンタグラフのある中間車の天井のみ、屋根上の冷房装置が異なるため吹き出し口も他の車両とは異なります。
私が知っているグレードアップ車は蛍光灯と蛍光灯の間にもルーバーがあったような気がするのですが…外されちゃったのか、初めからなかったかは今となっては…。


床です。座席部分が少し高くなっている点がポイントです。が、「車内に段差」という発想ってなかなか思い浮かばないと思います。常磐線だとE531系のグリーン車階下席くらいでしょうか。故に、小さいお子様などはつまづかないように注意する必要があります。大きなお友達も興奮すると(ry

 
少しデッキに出てみます。デッキは国鉄時代の485系の雰囲気を色濃く残しています。
ドアも幅の狭い片開き扉で、無塗装のドアがかえって新鮮に映ります。座席周りや客室は何かと格好良くリフォームするJRも、ドア周りまではなかなかリフォームの手が回らなかったのでしょうか。
「くずもの入れ」も昔ながらの重たいフタで、分別は二の次になってしまっています。

 
洗面所はキレイにリフォームされ、新たに三面鏡も設置されています。傍らに置いてある石鹸がディープすぎます(^^;; トイレは各車両にあり、ドアを挟んだ反対側に乗務員室がある車両もあるので、この夜はちょっと暗そうなデッキは乗り降りの際を中心に通ったり目にする機会が多いのではないでしょうか。そんなこの車両のデッキを見ていると、常磐線特急でデッキのデザインを凝り始めたのもなんだかわかる気がします。


座席です。ご覧のとおり窓割と座席位置が合わないパターンもそれなりに出てしまっています…。
全席このタイプのリクライニングシートなので、窓割以外の当たり外れはほとんどありません。一昔前の「あずさ」「あさま」では指定席車両として自由席よりも格上の存在で設置していた座席です。だからというわけではないですが、ホールディング、座面の沈み具合、スタイル、どれをとってもケチのつけどころが見当たりません。秀逸なリクライニングシートだと思います。

…強いて言うなら、座面真ん中でニョキっと顔を出している座席回転レバーの存在がわかりにくいということでしょうか。折り返し駅での清掃などはさぞやり難かったのではないかと思います。昨今のJR東日本の座席を見てもそうですが、結局「座面下、通路側の足踏みペダル」が一番わかりやすいし、認知度もあると思います。


端の席です。ここだけテーブルが固定式になっています。お約束といわれればそれまでですが…(^^;;;
窓側に見える配管はあまり気になりませんでした。少し床を嵩上げしたから配管の出っ張りそのものが目立たなくなったからかもしれません。

 
網棚も読書灯つきの物を用いています。

定期列車の運用が無いとこのあたりをはじめ、様々な場所に手入れが行き届いていない雰囲気を匂わせる故障や補修を慌てて直した跡が残っていたりしますが、この編成に限って言えばそのような故障や補修はほぼ見当たりませんでした。強いて言うなら洗面所に自動販売機が置いてあった跡がくっきり残っていたくらいでしょうか…。

大切に、きれいに使っていると思います。当たり前のことかもしれませんが、それだけで嬉しくなってしまいます。

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