JR東日本  常磐・水戸線415系1500番台
 
  実はちょっとだけ珍しい(^^;ステンレス車と鋼製車の連結シーンが日常的に展開されていたのがちょっと昔の常磐線でした。右の鋼製の車両は引退してしまいましたが、左のステンレス車は依然常磐線には欠かせない存在となっています。415系1500番台です。
1986年に登場し、211系の流れを汲んだスタイルではあるものの415系と共通運用を組むために抵抗制御という下回りを選択しています。さらにほぼ全ての編成が4両編成となっており、15両編成の下り列車の先頭を務める勇ましいシーンから4両の軽快な走りまでフレキシブルな活躍ぶりが見られました。現在は15両編成としての活躍は見られなくなってしまったものの、茨城県から福島県にかけて常磐線を利用する方におかれては乗車する機会がグッと増えたと思います。
(撮影・取材 JR常磐線・水戸)

 

 

 


まずは車内全景からご覧頂きます。現在は全て4両編成、3ドアロングシートの車内になります。通勤通学には威力を発揮しますが、旅行客の目にはどのように映るのでしょうか。上野寄り先頭車にトイレと2席分のクロスシートが設置されています。
国鉄末期における新造車でよく見られた白い化粧板にベージュの床という組み合わせはこの415系1500番台にもピッタリ該当しますが、この番台においてはさらに外観同様211系のデザインを全面的に取り入れています。上野駅を発着する近郊形の電車はこのアコモで統一されるなんて夢でハッと目が覚めた方もいるかもしれませんが(^^;;幸か不幸か叶わぬ夢となりました。

 
より見やすい位置に消化器入れがやってきた車端部です。左の画像が優先席を含んだ車端部で、上野寄り先頭車を除いた3両の上野側車端部が該当します。右の画像は優先席の指定を受けていない車端部で、中間車の仙台側が該当します。
鋼製車の415系同様、妻窓は無いものの戸袋窓はあります。貫通扉にも化粧板が貼られており、その部分の無塗装が多い通勤形との差をつけています。視覚的な問題なのであまり利用客に還元される「差」ではありませんが・・・(^^;;;

一方上野寄り先頭車にあるトイレ付きの車端部です。手前から画像向かって左側は2席分のロングシートとトイレが、右側は3人掛けのロングシートと2人掛けのクロスシートがスタンバイ。トイレの無い車両の優先席は6人分、トイレのある車両の優先席は5人分用意されており、車両によっての優先席数の差はあまりありません。ただ、トイレのある車両の方が若干優先席がドアに近い位置に設定してあり、乗り降りしやすそうです。

トイレについては従来の415系とレイアウトは同じ。使い勝手もほぼ同じで、まだ洋式トイレが近郊形電車に登場するなんて夢のまた夢…というような時代でしょうか、E531系などから乗り継ぐと「狭い」和式トイレという印象が強くなりそうです。

 
乗務員室との仕切りです。2枚並べたという事でもはや間違い探し状態です(^^;;; ウォーリーはいません。

右の画像は国鉄時代に増備されたもので、仕切り窓が小さめにセッティングされています。また網棚についても金網が使われており、袖仕切りから伸びる金具がずっと同じサイズで使われています。ちょっと細い雰囲気が画像からも伝わります。
一方左の画像はJRになってから増備されました。仕切り窓のサイズが大きくなり、特に扉部分の窓の大きさは気持ちが良いですね。網棚もパイプ形状になり、パイプをつなぐ袖仕切りの上の金具が太くなっています。

ということで間違いがわからなかった方はボッシュート、1つでもわかった方はひたち君人形を……(^^;;;

これは製造年次には関係ないようですが、上野寄り先頭車にはこのような機器が設置されています。
一体どのような機器なのでしょうか…意外と目立つだけに気になる存在です。


天井です。所々ラインデリアが設けてあります。このスッキリ具合は415系1500番台ならでは。その下の丸い吊革がノスタルジックさを生み出していますが(^^;; それを飲み込むくらいシャープな勢いです。
ドア付近には三角の吊革が並んでいますが、恐らくJRになってから増設が行われた物ではないかと思います。


床です。ドア付近には黄色いマットも見えますが、基本はベージュ一色で手堅くまとめています。

そして点字のように凸凹している黄色のマットがドアの前に置かれています。
これでドアがどの位置にあるか、先を進むと少し間が空いているということなどが感じ取れます。この部分は元々滑り止めを設ける車両が多かったわけですが、滑り止めから一歩前進した格好になります。
それにしても鮮やかな黄色という目立つ色のチョイスが気持ち良いですね。その反面汚れも目立つわけで(^^;;掃除チェックもマメになりそうな気がします(^^;;;


鮮やかな黄色の奥にはドアがあります。戸袋窓もあるスマートなスタイルのドアになります。
意外なのが半自動ドアでは無い点ではないでしょうか。ボタンでドアの開け閉めができる機能ですが、この415系1500番台にはありません。その代わり両端のドアを一旦締め切ってしまう機能を持っています。常磐線も冬は寒そうで、高崎線や宇都宮線よりも特急の待避が多くてボタンの需要はありそうで…なんて思っていたら、後継車のE531系ではちゃっかり半自動ドアが採用されました。

福島の浜通りは地元の方曰くあまり雪は降らないとのことですが、果たして冬の寒さには耐えられるのでしょうか…。


側窓です。415系など先代の近郊形電車と比較するのは少々酷いかもしれませんが、FRPでかたどられた窓枠がとにかくシンプルに決めています。そんなに窓枠の存在を主張しているわけではない、さりげない粋な姿は個人的にはお気に入りです。


灰皿の跡もチラリと見える座席。ドア〜ドア間はこの座席、10人掛けのロングシートになります。
蘇芳色のモケットにバケット形状を採用し、定員着席をよりアピールした格好になっています。205系などの通勤電車がまだ従来のバケットではない座席で増備が続けられていた時代、近郊形電車のニューフェイスは通勤電車よりもワンランク上の方法で定員着席を促していた事になります。そこに矛盾を感じるのは当時の近郊形電車の現実を知らないから…かな(^^;;

 
トイレの無い車端部は5人掛けになります。優先席を3席設定した車端部もあります。
優先席とモケットの色が似ているため、いつもはこれでもか!!と目立つ優先席がちょっとおとなしそうです。それでも窓のステッカーがその存在を大きく示しています。

程良い座り心地で、しっとり馴染めそうな物になっています。ただ座面のクッション性が失われるとだいぶ厳しい座席になりそうです。ここもちょっとしたメンテナンスが鍵を握っています。


優先席は3人掛けもあります。トイレのある車両に見られる物で、袖仕切りが窓に干渉しないように工夫されています。
それでもクロスシートのお客さんの視線が…いや、仕方が無いですよね、こればっかりは(^^;;

 
2人掛けは先頭車の乗務員室背後、そしてトイレの手前にあります。優先席に指定されているのはトイレ前の2人掛けだけになります。
立席スペースと割り切られそうな部分にもきちんと座席が設けられているのは素直に嬉しいです。


そしてこういう部分の配慮が行き届いているのも嬉しいです。2人掛けのクロスシートはトイレを利用する方との視線が合わないようにということで、実質2人掛けのロングシートを回転させて設けた物になります。
故に窓側の足元は狭め、どこをどう見てもクロスシートよりもボリュームが足りなくなってしまっていますが(^^;;まだロングシートや立席スペースで無い分良いのかなぁなんて思います。袖仕切りも出入りを考慮して斜めにカットされたものを用いています。まさかこの斜めカットの術を深夜バスの座席で見るとは思ってもいませんでしたが、もしかしてこの座席にヒントを得ているのでしょうか…?

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