JR東日本  常磐線・水戸線403系
 
  国鉄の近郊形電車は多彩な形式区分も一つの特徴で、自分もまだ頭に入っていないような気もします・・・。この403系も見た目は415系にそっくりで、ウブな頃に「常磐線(の中電)って全部415なんだ〜」と思ったくらいでした。しかしながら「403系」と謳ってページを作る今日この頃…とはいえまだまだ頭の中はウブなのは間違いない今日この頃です。
401系の出力強化版として登場したのがこの403系。外観も冷房こそはあるものの、グロベンや角に丸みを帯びた窓フレームなどについ懐かしさを感じてしまいます。いずれもJR東日本の他路線ではあまり見かけなくなったアイテムで、ボチボチ廃車が行われたもののまだまだ現役!という常磐線ならではの事情が見え隠れしています。車内もどうやら懐かしさ満載の模様で、感動しすぎていつもよりも少し画像多めになってしまいました。ごゆっくりと、時を駆けた気分でどうぞ・・・。

 

 

 


車内全景です。まずは乗務員室側から便所に向かっての画像になります。
スペック的には近郊形電車ならではの3ドアセミクロスシート。吊革延長も、ロングシート化もされていない、実にオリジナルに近い車内になっています。紺のモケットに変えて優先席の表示を外したら本当に昔むかしに戻れるくらい。JRさん、引退前に「リバイバル403系車内」いかがっすか〜?

逆サイドです。実は403系に初対面したときにはこの編成とは違う編成だったのですが、その時も、そして今回の取材の時も同じような印象を持ちました。
それは、「暗い」車内だということです。本当に暗いんです。その暗さが落ち着くのかもしれませんし、今の車両が明るすぎる!というのもあるかもしれませんが、特に415系のステンレス車あたりの車内を見た後にこの車内に入るとそう感じます。でも、これは決してマイナス点ではないと思いますよ。
ちなみに・・・先ほどの画像よりもかなり暗くなっているのは、画像右のドアの先にある蛍光灯が切れているからです(^^;;


さて乗務員室との仕切りにいきましょう。3人掛けのロングシートが左右両面に広がり、その奥に仕切りがあるわけですが、平べったいというのが最大の特徴になる予感がするのは自分だけです、きっと(^^; なお、助手席側の壁を折りたたみ、フリースペースになるような構造ではないようで、保安機器が増え、乗務員スペースが徐々に拡大していく前の仕切りが堪能できます。それでも前面展望はあまり望めません。うーん、それが近郊形のステイタス、というやつなのでしょうか・・・。

 
そうそう、仕切り周辺ではこのようなアイテムを見つけました。
まず左の画像は網棚が2人分しかないよ、という些細ながら場合によっては「ピンチッ!」にも聞こえる小枝です。もとい、小技。非常時に備えた機器があるためにこのような構造になりました。あまり良く見かけない構造ですが、あれ、窓にも見かけないデブ野郎が映り込んで・・・(略
そして右側は車番です。アクリルのものは無く、このようなステッカーやマジックで記されたものが圧倒的に多かったです。えぇ、一つ間違えると某テレビ局の「バンキシャ」のノリになりそうですね。
横棒が中途半端に長いのも特徴、なのでしょうか・・・・・・?!

 
仕切り直して車端部です。左が中間車のトイレなしバージョン、右が先頭車のトイレつきバージョンです。
基本的な構成はどちらもほぼ同じで、手前から側扉・ロングシート(3人掛け・時には優先席扱いの所も・・・)・4人一組のクロスシート(ボックス)になります。違うのはトイレの有無くらいですね。
当時はあまり銀色を露出させたくなかったのか、はたまた周りの化粧板と色を合わせているだけなのか、妻面の貫通扉にちゃんと色がついています。室内側は薄緑、そして外側は左側の画像のようにクリーム色のものです。
妻窓はありません・・・ってトイレに妻窓があったらそれはそれは大変な事に・・・(以下自主規制 ただ、妻面の広告枠は配電盤などの関係で必ずしも左右両側についていたわけではありません。


トイレ・・・と呼ぶのはここではやめましょっか、「便所」の外観はこんな感じで、中に入るとちょっとした手洗い場と和式のモノが一式整っています。中は洗浄剤の匂いが強く漂っていて、正直あまり長くいたくはありませんでした。悪臭でなかっただけよかったのでしょうか・・・。
さて、この便所、外壁には鏡がありますが、その上にご注目下さい・・・

そうです、これが403系の醍醐味。「便所」の表示灯です。これは403系、それも国鉄時代に特別保全を受けたグループの中の一部にしか残っていないもので、ある意味常磐線名物だった模様。
「便所」の下に「使用中」というコトバが薄っすらと残っていますが、入って用を足している最中は電球色で白い部分が光るようになっています。それにしても・・・良い味出してます。


別の角度から見てみました。ちなみにさらに別の角度からの画像もありますので、「もっと見たい!」というリクエストがありましたら・・・ぜひご連絡ください(^^;;;。
やはりあまり目立たなかったのでしょうか、これがあまり普及しなかったのは昨今の近郊形電車をご覧頂ければご理解頂けるかと思います。すっかりロングシートに接している壁にある「便所使用お知らせ灯」が主流になってしまいました。
それにしても・・・良い味出しています。


さて、トイレのない車両の妻面はこれが特徴になります。蛍光灯がレールと垂直方向になっているぞ!という点です。これは西武101系などと同じ理由で、車端部の照度を向上させるためのものになります。なるほどこの車両ができた時にはそのような気配りもあったんですね。


ついでにそのノリで天井をみていきます。あ、切れかかった蛍光灯もついでにそうぞ。
この車両、実は扇風機がありません。登場した頃の冷房事情を考えるとあってもおかしくはなさそうなのですが・・・。しかしながらご安心下さい、冷房はきちんと完備、しかも集中形クーラーです。
蛍光灯は左右2列。ちょっと間隔がまばらかな、という印象。そして吊革はロングシート部分のみの設置です。


あ、天井関連でもう一つ。この画像の蛍光灯の左側、吊革を支える白い縦棒の手前になにやら白くて丸い物体があります。実はこれ、ある所を通過するときに役立つ道具で、車内に何箇所か設置されています。プリンの容器をひっくり返したわけではないんですね(^^; その通過シーンはまた後ほど・・・
網棚は金網、白く塗られた支持棒が古そうな感じをより一層引き立てています。


床です。同時期に製造された通勤電車やディーゼルカーと同じ灰色一色。モーター車はこれに点検蓋がつきます。


続いてドアです。ドアのHゴムが撤去され、代わりに金属支持になっているのが大きな特徴です。Hゴムの無いすっきりとした外装が魅力的ですね。ドアカバーは大形で、結構車内では目立つ存在になっています。
画像は車両真ん中の側扉なのですが、思った以上にドア周りの立席スペースが無い事が伺えます。そして吊革も増設されていないことから、結構通勤ラッシュ時には乗り降りに苦労したのではないかと思われます。それもまた思い出になりますすよね…。


どうでもいいのですが・・・ドアカバーと冷房の吸入口、そして天井で見事3段の階段をひっくり返したような構成に仕上がっています。ちょっとふと気になっただけです・・・本当にどうでもいい話題でした(^^;;;;


一部ドアカバーの下にはこのようなステッカーも。これは「便所どこ?→見当たらない→じゃ降りるか」という流れを阻止するためのものだったのでしょうか(^^;; 普段は側窓と側窓の間などに貼られていることが多く、ドアカバーに貼られている事は滅多に見ません。いやぁ新鮮です。
しかし、皆さん気づく位置なのかなぁ?と思うとちょっと・・・・・・(^^;;


さぁもう一頑張りです。ここからは魅惑の座席ゾーンへと参ります。
ロングシートは大きく分けて3人掛けと2人掛けの2種類。まずは3人掛けから。乗務員室の背後や車端部に設けられています。蘇芳色のモケットもくたびれモード、薄緑の化粧板との不協和音も気にならなくなってきました。
座り心地は・・・奥行きはそこそこあるのですが、どうも座面の状態が「博物館級」なんですよね・・・。擬態語が苦手な自分なのでこれが的確かどうかはわかりませんが、ごそごそしている感覚でした。


さて、角度を変えて同じく3人掛けのロングシート、今度は優先席バージョンです。こちらも座り心地は「博物館級」ですが、やはりモケットのくたびれ具合は全然違います。
座席下のヒーターが「直方体」に近い形になっていたり、背もたれが薄くて「ほぼ直角」になっていたりする辺りは、「〜すべきだ」という注文をつけるに値しないくらい珍しい存在になってしまいました。むしろ関東という身近な所でつぶさに観察できるということに感動を覚えます。


そして2人掛けのロングシートです。座り心地などは3人掛けとあまり変わりません。
空いていたら1人で占拠したくなりそうなスペースですね。2人掛けの席の部分は戸袋窓も大きく取られていますし。
ちなみに左の方に白い点がいくつか見えますが、かつてはここに灰皿が設けられていました。ロングシートで煙草を吸える時代があったんですね。


今度は4人1組のボックスシートになります。ドア〜ドア間にはこのように左右2組ずつ、車端部には左右1組ずつ、もしくは便所+1組という組み合わせになります。
ロングシート同様「直方体」になっている座席下のヒーターが特徴といえば特徴ですが、これは115系などでも見ることができます。足下の空間の使い方を考えると、クロスシートの方は「直方体」でも十分なスペースがあったということになりそうです。


こちらがボックス席の全容になります。珍しくカーテンを引いての撮影です(^^;;;;;
背もたれの薄さ、座面のちょっとしたもの足りなさ、シートピッチ、そして色のアンバランスさなどなどこちらもロングシートに負けず劣らず注目点が満載。とはいえ、蘇芳色のモケットのくたびれ具合を見るとそのような注目点が一気に吹っ飛びそうな感じがします。さっきから同情しすぎです(^^;>自分
背もたれと座面の間にもモケットが貼ってあるのは親切ですね。

 
テーブルです。右が使用例。シンプルな構造で、変則的な形になっているのは人の出入りを考慮してのことでしょうか、急行形などでもこれに似た形を見かけます。そしてテーブルの下の黒ぽちは灰皿の跡地、さらにセンヌキもありません。
使用例は・・・ま、せっかく茨城に来たんだし、翌日からは朝一で仕事だし・・・ということでこのラインナップになってしまいました。あ、ジョージアマックスコーヒーよりも焼きそばの方が安かったのは内緒です。
どうやらペットボトルを4本くらい置くのがこのテーブルの「想定の範囲内」なんでしょうね。


クロスシート単体もスイッチ・オン。キリリと立った背もたれが近郊形電車の座席だ〜というのを端的に表していますね。そして、肘掛も片側しか無く、座り心地もどこかぎこちない物でしたが、自分にとっては心地よい数十分に大満足でした。ここは貧乏人な自分、これでも満足してしまうんです(^^;;
窓側に座るとちょっと座席下の配管がうっとうしいかもしれません。気動車のそれよりもスリムと言えばスリムなのですが…


さて、こちらは車端部のボックスですが・・・一番端の2人掛けクロスシートは…ちょっと幅が狭くて取っ手が省略されている、大好評な通称「S席」と呼ばれているシートになります。

上から眺めていますが、フレームの灰色がなんだか化粧板に同化している感じがしますね。え、自分の目がどうかしているって?!そ、それは・・・否定できないっす…。ていうか寒い・・・。
幅がちょいと狭いのは貫通扉の部分の幅を確保したいからで、座席幅よりも肘掛を優先した結果ですね。


優美なカーブは、機能という求められた使命を全うするだけのものではなかったはず・・・数が少なくなり、見る機会が格段に減ると急に情緒的になるのは私の悪い癖ですが、この半月カーブの取っ手、やはり国鉄生まれのクロスシートを語る上では決して忘れてはいけないアイテムの一つでしょう。握れる人数は少ないですが、フレームから少し突出したようなデザインは座席のバランスそのものを壊していません。つまり、それだけこの座席にマッチした物だったのかと思います。

握れる人数が少ない・・・そうですこれが致命的な欠点となってしまい、後の大形の取っ手ができてしまい、数多くの近郊形電車に搭載されて普及していったのです。昭和の末期から平成にかけての出来事です。ということで、昭和を電車の中で感じるのであれば、これも一つの立派なアイテム。この取っ手を握って、窓の外を立って見ながら「あの頃」を振り返るのも悪くは無いと思います。あ、そのときはビンのコカコーラかサクマドロップスは必須で(^^;;;

〜おまけ〜
今回取材したのは水戸線の小山行きでした。人数がそこそこ乗っていて、自分が座っている場所も悪かったのですが、「えぃゃ〜」とばかりに揺れる車端部でカメラを座席のフレームと手でしっかり固定して、こんな画像、撮ってみました。

デットセクション通過時の画像です。ちょっとピンボケ気味でしたが、大きくブレなくてよかったです。
天井の時にご紹介した「白くて丸い物体」こと補助灯が蛍光灯の代わりにつき、冷房もとまり、車内にはモーター音さえ響いてこない、そんな闇の中の一寸の静寂を味わうことができました。
特に411系の初期車や403系は補助灯が蛍光灯ではなく電球になっていて、夜になると全くの別の雰囲気に変身するわけで、知らない方はちょっと驚いたり、知っている方は安心してうとうとしてしまうきっかけ・・・にもなったりしそうですね。

ということで、この暖かい雰囲気が好きで普段はあまり撮らないデットセクション通過時の模様を撮影した次第。補助灯故に「この状態のまま走れ!!」というには無理があると思いますが、こういった車内環境で帰宅するのもまたいとをかしかなぁ、そしてこういった車内で車内学な面々とお酒を飲むのもまたいとをかしかなぁ、と余計な事を思いながらやがて列車は小山に着いたのでした…。
 
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