JR東日本  横須賀・総武線快速E217系[セミクロスシート車]
 
  普通車はロングシート車をメインに構成してきたE217系。賛否両論渦巻く中で、申し訳程度に設けられたのは4ドア車の「セミクロスシート車」でした。11両編成のうち千葉方3両があてがわれており、車内の混み具合も客層もどことなくロングシート車とは違うように感じます。「知る人ぞ知る…」的な存在感なのですが(^^;;
4ドアのセミクロスシート車というのもE217系が登場するまでは相鉄に見られたくらいでしたが、その後E231系、E531系などJR東日本では割とポピュラーな車内構成になっていきました。
ちなみに外観画像は錦糸町で撮影したE217系ですが、この画像を見て「このページへの掲出はちょっと違うのでは…」と思った方、ご名答です。セミクロスシート車の良い画像が手元に無かったので…(^^;
(取材・撮影 JR横須賀線・久里浜 他)

 

 

 

 
車内全景です。この画像が出始めた頃は自分自身小さかった事もあってその新鮮さにわくわくしたものですが、今となってはすっかり慣れてしまった感じがします。左の画像が先頭車、右の画像が中間車になります。

先頭車には車椅子スペースとトイレを完備し、クロスシートが合計4組備わっています。中間車は車端部を3人掛けロングシートで構成し、ドア〜ドア間のクロスシートは合計6組備えました。11両編成うち、先頭車1両、中間車2両が含まれています。

先代の113系と比べるとクロスシートに座れる確率が大きく減っています。従って長距離便などではロングシート車がガラガラでも端まで歩いてクロスシートに乗る人もいます。また、付属編成にはクロスシートがついていないため、逗子〜久里浜区間便などはロングシートしか選択肢が無い場合も多くなります。これはグリーン車についても言える事ですが…。


ロングシートと変わらない見栄えですが、一応セミクロスシート車の車内で撮りました。乗務員室の背後です。この部分だけ4人掛けのロングシートになっています。理由としては乗務員室拡大によりクロスシートを設けるスペースが無いというところですが、クロスシートよりも立客用の床面積が大きくとれるというメリットも大きいと思います。
仕切りの後ろにはヒーターを設置しています。このあたりの仕様もロングシート車と全く同じです。

 
中間車の車端部を見てみます。と言っても、クロスシートが大きく映り込んでいますが…(^^;;;
中間車の車端部は基本的に3人掛けのロングシートになっています。違いは優先席かどうかだけ。モケットでの判断がしにくいだけに、窓のステッカーや吊革が判別の大きな鍵になっています。
貫通扉はついている車両とそうでない車両がありますが、無塗装の銀色の目立つ扉になっています。窓が下まで大きく伸びているので、ロングシート車からも「あ、ボックス席だ!」と一目でわかってしまいます。


先頭車の車端部はトイレと車椅子スペースの組み合わせ。そのため優先席は変則的にドア〜ドア間のロングシートを用いています。トイレは全車とも車椅子対応型の大きいものではなく、従来通りのサイズのボックスになっています。こうして見てみると先頭車が思いの外立席スペースが多いのが気になります。特に先頭車が目立って混むということも考えられないだけに、自然の成り行きだと思いますが…。

 
そのトイレと車椅子スペースです。どちらも付属編成のものと大差はなく、セミクロスシート車だからと言って特別な物は全くありません。トイレの前に立てるスペースがあまりなく、ギリギリの寸法になりがちなドア〜ドア間の座席構成も含めて考えるとお客さんがたまってしまいそうな気がします。
あと、非常通報ボタンとそれを知らせるステッカーの間に広告ステッカーが貼ってあるのはセンスとして微妙なものがあります(^^; 逆に車椅子スペースの上には広告枠があまり設置されておらず、意外とスッキリした印象に仕上がっています。


天井周りです。基本的にはロングシートと同じつくりになっています。センターにラインデリアが配置されている部分もそのままです。ただ、吊革の配置についてはクロスシート部分に合わせて長さを変えています。長さを変えてでも吊革を多く設けたかったというキモチ、ラッシュ時の様子を見ているとすごくよくわかります。


床もロングシートと同じです。区別する必要も特に無く、ザ・灰色一色。

 
ドア周りは2枚載せてみました。左の画像は遠くから乗務員室仕切り背後の部分を、右の画像ではちょっと近めにセミクロスシート同士に挟まれた部分になります。
基本的にはどちらも同じ仕様ですが、セミクロスシートの場合、座席とドアの間のスペースがあまり取れていないことが伺えます。クロスシート部分におけるシートピッチの事情もあるため、代々3ドアの近郊形電車もこのスペースは少なめにとっている車両が多かったですが、ラッシュ時の混雑に配慮したこの車両もそのあたりは踏襲しているようです。
ドア脇のスペースは立客がたまりやすい一面もありますが、きっと10cm程度の差だったらあまり変わらないのでしょう。


LED表示器です。ロングシート車のページでご紹介したものとは別の形状をご紹介します。メーカーによる差なので、車内構成とは一切関係ありません。また、機能についても差はありません。強いて言うならドアコックのふたがこちらの方がおとなしい程度でしょうか。なお、この差は同時期に製造されていた209系でも見られます。


窓周りです。セミクロスシート車ならではの窓配置で、真ん中の大きい窓が一段下降式、左右の縦長の窓が固定式になっています。ペットボトルくらいなら置けそうな窓枠に良心を感じますが、カーテンとテーブルの省略には長距離客や旅人にはちょっとガッカリです。それらを求めるには…グリーン車しか無いのでしょうか(^^;;


座席です。まずはロングシートのページでもご案内した「ロングシートだけ」の座席からです。乗務員室の背後には4人掛けのロングシートがスタンバイ。スタンディングポールがなく、当然袖仕切りも端にしかないので、特に真ん中の二席は個人客には敬遠されそうな予感がかなり漂っています。セミクロスシートの利点として、客と客に挟まれる席が少なくなるため、あまり目立たないロングシートの性格がつい目立ってしまった格好です。

 
中間車の車端部は3人掛けのロングシートです。右の画像は元々左の画像のモケットだったところを優先席モケットに貼り替えた場所で、袖仕切りの近くに最初の紺地がチラッと見えています。後述のクロスシートもこのような造りだったら見た目もう少しクッションに期待してもいいかも!と思えるのですが…見た目でだましても仕方がないところでしょうか(^^;;
それにしても、113系など国鉄時代に作られた近郊形電車でも背もたれと座面の間に最初の紺地のモケットがチラッと見えるロングシートに遭遇する事も少なくありませんでした。時代はこうして?!繰り返されるようです。

 
お待ちかねのドア〜ドア間セミクロスシート部分です。ロングシートが左右に2人分ずつ、真ん中に4人1組のクロスシートが挟まった構成で、右の画像は先頭車のみ存在する「2人掛けロングシートだけ優先席」という場合の構成になります。それ以外は原則青いモケットで攻めています。そう、「赤いちゃんちゃんこ」でお馴染みだったクロスシートの優先席指定は今では外れてしまっています。
クロスシートの背面にもロングシート部分を考慮して凹みをつけています。

 
ロングシートの部分は2人掛けで構成されています。モケットの差以外に優先席と通常の座席との差はありません。元々この区画のロングシートは狭く見えてしまう部分でしたが、大形袖仕切りとクロスシートの背面に挟まれ、さらに窮屈な様相を呈しています。JRが推奨するこの座席にあった姿勢正しい座り方をすれば意図通りに座れるかもしれませんが、データイムの閑散とした電車の中で思うがままよっかかった緩い姿勢で過ごせなくなったのが残念です。だいいち正しい座り方は膝裏への圧迫や足が地面に届きにくい可能性も持ち合わせているのに…。


そしてクロスシート部分です。スタイルはロングシートに合わせ、バケット形状に仕上げました。量産車からは片持ち式となり、見栄え的にもかなりスッキリしています。このスタイルは美しくはありませんが、無駄な装飾を一切省いた点を含め、スマートなつくりです。
反面、座り心地はかなり厳しいものがあります。ヘッドレストの形状に疑問符がつきますが、とにかく硬いため「頭を添える」役割よりも「ぶつける」方を得意としている事、窓側席の狭さ、座面の全く(見た目的にも)沈み込まない座面、その高さ、座席下ヒーターの効果など、とにもかくにも気になるところだらけです。

当面の間この座席がガンバルわけですが、言われたい放題の末にロングシート化されないことを願うばかりです。
私が言えたクチではありませんが…(^^;;;

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