JR東日本  209系1000番台
 
  平成11年に常磐線各駅停車・東京メトロ千代田線直通の増発用として2本が製造された209系の地下鉄直通バージョンです。まさかその後中央線快速電車に化けるとは取材時点では全く思わず、その発表を知った日にはただただ驚くばかりでした。
元々裾絞りの無いまっすぐでツルッとした側面が209系らしさを表しますが、前面の顔からは柔和な白いパーツが消え、どことなくサイバーなイメージです。現在はオレンジ色の帯、側面は上下に貼って中央快速線の東京〜高尾間を中心に活躍しています。
地下鉄線に乗り入れることで高加速を求められているのは承知の上で乗車するのですが、いつものVVVFインバーター制御音が鋭く聞こえるのは乗っていてワクワクします。
(取材・撮影 JR常磐線 取手〜我孫子)

 

 

 


車内全景です。見慣れた209系そのものの車内ですが、座席周りは少し模様が入っています。
グレーを基本にした車内に近未来な雰囲気をひしひしと感じたものですが、あのVVVFインバーター音でグイグイ加速する姿は今も健在。中央快速線でたまに出会うと嬉しい存在、そんな方も多いのではないでしょうか。
乗ってすぐわかりますからね、E233系とは一線を画したほのかな暗さの車内…。
4ドアロングシートの車内、10両編成は常磐線各駅停車の頃から一切変わっていません。


乗務員室との仕切りです。もう首都圏のJRではお馴染みの仕切りですが、仕切り扉の幅が少し広い印象です。他の209系と比べると窓の右側、ちょうどドアノブ部分の幅が広がっています。故に若干不格好ですが、非常時はその部分から脱出ということもあり得るので、最大限の空間を確保した結果だと思うと、頼もしいものがあります。また、窓ガラスには乗務員室であることの他に、進入禁止のマークなども貼られています。
取材した時期はたまたま中吊り広告がなかったので、仕切りのツルッとした素材を天井まで楽しむことができました。

 
仕切り扉がある車端部の様子です。おおよそ2両に1つの割合で設けられており、風が駆け抜ける車内はE233系に慣れているとちょっと独特かなぁと思います。妻面扉は銀色の無塗装でカクカクの窓ガラスとあまり凝ったものではない様子。右の画像は優先席のもので、後年吊革が黄色い物に交換されています。
この番台では消火器が剥き出しの状態で設置されていますが、上手い具合に消火器スペースに収まっています。この形式もやればできる子なのです。


車椅子スペースは東京メトロに合わせて2号車・9号車に設置されています。先頭車に設置されることが多いJR東日本としては異例の対応で、中央線快速電車に移籍した後も設置場所は変わりません。車椅子スペースを利用する方は要注意です。
また、ここの部分は貫通扉がありません。貫通路の床面のバタバタ音が生配信されるのは車椅子スペースの利用者にはちょっと気になる木、かと思います。


車椅子スペースです。中央線快速電車に移ってからは床面に大きな車椅子・ベビーカーのマークが入り、なかなか鮮やかなスペースに変化しています。
非常通報機は妻面に移動し、消火器の上に集約されています。209系にあった窓の下の出っ張りがなくなり、割とすっきりした仕上げになっています。E233系ではこの部分にヒーターがあるので、それを思うと…あなたなら1本待ちますか?


天井です。ここはもう十八番のようなもので、灰色の吊革、剥き出しの蛍光灯、ラインデリア周りの意匠はこの時代の車両ならではです。きっと、世の中に冷蔵庫のパネルのようなフレッシュグレーが流行っていたんでしょうね(^^;; ただ、通勤路線に相応しい吊革の本数には頼もしさを感じます。


グレー一色の床です。意外とE233系との違いをこの床で感じる人も多いかもしれません。


ドア周りです。見慣れたドアの意外な部分として、中央線快速電車に移籍した後は非常時に操作するドアコックの蓋の説明書きに蛍光塗料が塗られています。地下鉄で停電になっても読み取れるように…とのはずでは、と今回取材した画像を見返したら、蛍光塗料のシールではない様子。果たして、この変更はいつからでしょうか?
ドアそのものは無塗装のもので、半自動のボタンはありません。


その蛍光塗料が塗られていないシールが貼られたドアコックからのLED表示器です。このあたりの意匠は今につながるパッケージで、ドアの上のドアコックもだいぶ広まりました。
LEDは次駅表示がメインです。


窓周りです。元々各車両ドア〜ドア間の窓のうち先頭車は2か所、中間車は4か所開くようになっていましたが、後年さらに先頭車で2か所開くように改造されています。若干スッキリしない窓になりましたが、通風孔を探して右往左往するよりも使い勝手はかなり良いのではと思います。そう、この期に及んでまさか換気が大事!と声高らかに叫ぶ時代に入るとは思ってもいませんでしたし…。
この四隅の丸みがなかなか良い感じです。

 
座席です。ドア〜ドア間は7人掛けで、乗務員室の直後は6人掛けです。この部分、E233系では4人掛けなので少しだけ乗りドクです。209系500番台で用いられた薄ら柄が入った背もたれを採用し、209系らしい飾らない雰囲気を一蹴しています。やはり材質が500番台と同様に0番台から変更があったそうですが、今のE233系のような限られた枠のなかで少しふわっとした座り心地を出すほどの成果は上がっておらず、相変わらず硬めの座面との戦いになります。背面の凸凹の主張が意外と抑えられているように感じますが、加速の鋭さにきちっと身体を抑えられているので、最低限の役割は果たしています。

正しい姿勢で座る緊張感が拭えない座席、まだまだ堪能できます。

 
3人掛けです。片持ち式、車端部の壁、相変わらずの優先席モケット、これを見て何系何番台でしょうか?と言われて答えられる自信がまずありません(^^;; E233系や209系の一部の車両では車端部に若干肩を逃がせるような窪みがあるだけに、この部分でも普段の車両との違いが感じられる仕様になっています。
優先席は基本的に車端部の設定のみで、車椅子スペースが隣接する場合は3席、それ以外の車両は6席キープです。


袖仕切りです。209系の象徴ともいえる意匠がまだまだじっくり堪能できます。実はE233系0番台の袖仕切りはドアと袖仕切りの間に何かパーツが挟まっていて、そのパーツがどうも不格好なのです。
このシンプルな袖仕切りの形状は悪くありません。あとは色の変化になんとか耐えてフレッシュグレーをいつまでも保って欲しいものです。
 
ひとつ前に戻る
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送