JR東日本  189系[長野地区・妙高号]
 
  もうすっかり「妙高号」としての活躍が目立ってきてしまいました。ただ、碓氷峠を上り下りした記憶が忘れられない方もいらっしゃると思います。信越本線の碓氷峠を行き来した189系は6両編成に短縮の上、現在は「おはようライナー」「妙高号」「ムーンライト信州」など、長野県を中心に、あるいは目的地とした列車に充当されています。首都圏では183系が専ら臨時列車運用に回っている一方、妙高号などは年々減ってはいるもののまだまだ定期列車で活躍が見られるのは嬉しい限りです。
今回はN103編成を取り上げます。1〜5号車は快速妙高号運用時は自由席、6号車、すなわち直江津方先頭車は指定席車として運転されています。果たしてそれに見合った車内なのか、要注目です。
(取材・撮影 JR信越本線・直江津)

 

 

 

 
車内全景をご覧いただきます。左の画像が直江津方から1両目の6号車、右の画像が直江津方から3両目、4号車の全景です。
どちらもリクライニングシートを積んでいますが、その差は歴然。右の画像は更新工事を受けており、「グレードアップあさま」のようなハイデッカーでは無いものの床、そして座席が大きく変わっています。天井はパンタグラフを積んでおり、冷房機器が他の車両と異なるために吹き出し口が異なります。
モケットの変化や仕切り扉の変化など、6号車も背伸びして頑張っている様子が伺えます。しかし、雰囲気の時点で既に差がついてしまっております。かつてJR東日本では自由席と指定席で差をつけることがしょっちゅうあり、その名残と言ってしまえば素敵な昔話になるわけですが……

 
デッキとの仕切りの部分になります。手動で開け閉めするドアがポイントです。ドア自体はリニューアルした雰囲気満載ですが、ドアを取り巻く環境が化粧板の色合いから非常灯の扉まで何かと差がついているように感じます。それでも双方ともオールドタイマーな雰囲気たっぷりなのは最近の特急列車が凝っているからに違いありません。
仕切り扉の窓がだいぶ色の濃い黒いガラスを用いていますが、特急時代の落ち着いた車内づくりには貢献している一方で、ローカル列車では空席探しをちょっと難儀させているようにも思えます。

 
天井です。ここは先述した「グレードアップ車両」では色々魅せていた項目になりますが、さすがに現存する189系に凝った跡は見られません。カバーつきの蛍光灯は国鉄特急形だからこそのアイテムで、二つの画像の差は冷房の吹き出し口程度になります。メンテナンスも魅せる天井よりも楽そうです。

 
床です。ここは大きくリフレッシュされています。左の画像が当初からお馴染みの灰色一色、右の画像は座席換装とともに模様を一新した床で、グレードアップ車のような嵩上げこそ行われなかったものの、通路部分にモザイク状のデザインを配置して奥行きを感じさせます。喉まで「名鉄電車みたい」という本音が出かかりましたが、このスタイルが当時の流行りだったのでしょう、きっと。

 
そのモザイク柄は右の画像のとおり、中間車のデッキにも及んでいます。ステップを埋めた跡もなかなかキレイな仕上げです。
左の画像は先頭車のデッキ周りです。「明らかにステップがありました」とばかりに黄色く塗られたスペーサーは今風の「足元に気を付けてね」という注意喚起の役割をやんわり果たしています。甲乙つけがたい仕上げ…と言いたくなってしまうのは床以外、つまり壁や天井の内装をほとんどいじっていないからです(^^;; いじったのはデッキ周りに張り出した取っ手くらいで、デッキに凝りだす前夜のリフォーム故、あまりに質素なデッキに味はありません。

ドア自体は無塗装の片開き扉で、開閉時の音は客室の端の席なら聞こえてきます。一時期窓ガラスに貼られていた「ドアにご注意」のステッカーはいつの間にかなくなってしまいました。

 
ここのブロックは中間車のみの画像で申し訳ございません。ちょっと古風な洗面所の様子、そしてかなり年季の入ったゴミ箱です。駅のゴミ箱はどんどん新しくなっていますが、こちらは重さを感じる蓋を開け閉めして入れるタイプが今もなお使われています。

 
座席です。右の画像は中間車で登場した座席を交換したリクライニングシートです。左の画像は登場時から基本はそのまま、バケット形状にしてロック機構を追加したタイプのリクライニングシートです。モケットはどちらも青色と灰色の単色を左右で使い分けています。一歩間違えればシルバーシートと通常モケットの席という組み合わせですが、通常モケットの青に関しては国鉄時代の紺色モケットよりも明るく、灰色のモケットもシルバーシートのそれよりも僅かに緑色が入っているように感じます。尤もこの部分は個人差が出る部分だと思いますので、深くは追及しません(^^;;

左の画像のリクライニングシートは座面連動のリクライニング機構が素敵です。ただ、センターアームレストやテーブルが無いことをはじめ、座面のフワフワさ、背もたれの低さなどフレームも含めてちょっとボリュームが足りません。
右の画像のリクライニングシートはナイスバディな造形が魅力的で、センターアームレストから背面テーブルまでボリューム満載。足元は脚だけでなくシートヒーターががっちり床までくっついています。座面がバケット形状でしっかりしている分左の画像の座席よりも幾分座面が高いように感じますが、座り心地に大きな影響はありません。

…どちらも魅力的ですが、不満はただ一つ。直江津始発長野行は指定席車が左の画像の座席しか選べません!!せめてもう1両、中間車に指定席車があればなぁ…。

 
松本から長野にかけてのライナー運用、最近は「しなのサンライズ」運用にも入ることがあるそうで、ライナー券を入れる袋が備わっています。せっかくの透明の袋ですが、透明度が足りないため車掌さんは一回一回券を確認しないと表示内容まで読み取れない…はずですよね?(殴

なお、ムーンライト信州など乗車時間が長く混雑する列車の運用時は盗難の防止も含めて切符は検札時にカバンなどから取り出すなどして、各自肌身離さず持っていた方が良いと思います。

 
左の画像は「燈」の字がちょっと懐かしい「便所使用知らせ灯」、右の画像は中間車の側窓です。拡大さえしていないものの、近郊型電車に比べれば眺望性はなかなか良いです。窓枠には缶ビールも置けます(^^;;;
取材列車は快速「信越リレー妙高2号」。直江津発5時台の始発列車になりますが、早起きさえすれば妙に高い通勤通学クオリティを味わえます。
 
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