JR東日本  大糸線E127系100番台
 
  1998年、169系の置き換え用として大糸線にデビューしたのが今回取り上げるE127系100番台です。見た目は701系と同じような「当たり障りのないデザインでしょ!」と言いたげな雰囲気ですが直流仕様だったり、内装がだいぶ違ったりするなど、異なる点は結構挙げられると思います。2両1編成というバリエーションしかなく、最大で3本つなげた6両編成の運用があります。また、ワンマン運転も可能で、信濃大町から南小谷にかけて走る普通列車は全列車ワンマン化を行っています。
かつては中央本線や篠ノ井線にも乗り入れ、富士見まで南下する運用があったのですが、保安機器の影響で現在は大糸線内のみの運用になっています。ですが、大糸線の全列車をこの車両でまかなうことはできずに一部運用には115系が入っています(^^;; 結構中途半端な存在なんですね…
(撮影・取材 JR大糸線・穂高/南小谷(外観は構内踏切より撮影))

 

 

 

 
車内、まずは全景を。左の画像が南小谷側に連結されているクハ、右の画像が松本側に連結されているクモハになります。いずれも運転台に向かって撮影した画像です。3ドアで変則配置ながらセミクロスシートの形態をとっており、「115系の正常進化だ!!」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、クロスシートの設置理由が「近郊型だから」というわけではなく「南アルプスなどの沿線の景観を楽しんで欲しいから」というものであったため、正常進化・・・ではなく「特殊な事情」だったみたいですね(^^;;

 
車端部の様子です。左側がクハの画像、そして右側がクモハの画像です。
トイレは後ほどご紹介しますが、車端部からドア〜ドア間に移動、珍しい構成になっているため、この車端部はクハもクモハも点検蓋の違いなどはあれど、ほぼ同一設計になっています。また115系など従来の3ドア車はこのスペースは5人掛けだったのですが、ワンマン運転を考慮して運転台とその背後の扉の間に座席スペースを生み出さないために、ドア〜ドア間を約40cmずつそれぞれ伸ばして、運転台部分や車端部に該当する部分の面積を減らしています。故になんだか通勤電車のような雰囲気さえ漂ってきます。
両開き扉になっているのはワンマン運転時に人の出入りがしやすくなるからで、この発想も701系でも見られます。


さてこちらが運転台との仕切りです。思いっきりトイレが見えます・・・ということで、トイレ、運転台、ドアの位置関係はご覧のとおり。トイレの反対側には車椅子スペースがきます。
運転台は半室構造で、右側のスペースは助手席という扱いになります。が、ワンマン運転時の最後尾や連結時は運転台の方はもちろん仕切られますが、助手席の方は仕切られないため、実質「立席展望ゾーン」状態になってます。もちろん椅子などはロックされていて機器類などは使ったり触ったりしてはいけないのであくまでも自己責任の上ですし、入っていいか悪いかは議論の余地がありそうな感じがしますが…いつもとは一味違った風景に出会えることもしばしば、です。


そしてちょっとだけ前に進んでみました。貫通路から助手席側を眺めると、メガホンや非常灯、そしてドアスイッチなどがあります。メガホンはツッコミ用でもロッテの「レッツゴーボーリック!」用でもなく(^^;非常時の誘導用ですが、どの設備にも鍵がないと開けられないようしっかり施錠されています。当然といえば当然ですね。それにしてもドアスイッチなどが入った箱はずいぶんいびつな形をしてますね(^^;

ガラスの向こう、ドアの間には大糸線の時刻表が。南小谷で接続するJR西日本の車両にも貼ってあり、大糸線専属車の標準装備であることがちょっぴり嬉しいし、行程確認に役立ちます。


ワンマン運転が前提となる列車も数多くあり、このように運賃箱と料金表示機はしっかりとあります。こうなってしまうと人の動きという視点から見ても立った状態での前面展望は厳しいものがありますが、仕方がないところです。
運賃箱そのものは最近増えつつあるタイプで、特に珍しいモノではありません。透明の仕切りの所に「乗務中は話し掛けないでください」という注意書きがありますが、これも他の車両、他の会社でよくみかけるものです。
ツッコミどころのない画像でした(^^;;


さて、こちらがトイレになります。運転席、ドア、そしてトイレといった段取りで、車椅子対応型の大きなものが使われていて、路面電車のドアのような(^^;2枚の動きが連動する引き戸になっていることからも伺えます。
それまでは車端部に設置されるのが慣例だったのですが、従来のつくりのまま車端部に設置するとどうしても狭くなってしまい車椅子が入らないこと(貫通扉も両開きですし・・・)、またバリアフリーの風潮が高まっていることもあってこの位置に設置されましたのかなぁと思っています。しかし、JRのとしての真相は、なぞのまま・・・ 正直車端部の方が日頃の慣れってやつだけど落ち着きそう。

ちなみに近郊型電車で車端部に車椅子対応トイレを設けたのは1997年、E217系の改良形が先陣を切っています。この時は出入扉を湾曲させて通路を車椅子スペースと共通のものにして、トイレそのものや開閉部分を大きくしました。隣の車両の貫通路から見るとその出っ張り具合がよくわかります。


で、外にはトイレの部分に窓がついていません!という図、兼あったかいゴミ箱!という図(^^;;;
先ほどのトイレの壁の前には手すりとゴミ箱があるのですが、手すりのしたには車椅子スペースなどでよく見る縦置きのヒーターがおいてあります。まさに、暖めるには絶好のポジション(^^;;;捨てる時に「ゥアッチィ!」なんてことに・・・ならないとは思いますが、限られた空間の活用と、設計者と使用者の思惑のズレがひしひしと感じられます。

北海道で見られる「温風ヒーター」と同じような役割なのでしょうか?


そしてトイレの隣の車椅子スペース。座席はまた後ほどということにして、ほいまたさっきのヒーターと同じ形、同じ物が再び登場です。そしてその隣には乗務員に連絡できる非常通報機もあります。窓ガラスは固定式で、握り棒は上下2本しかないので眺望は良さそうですね。
青い車椅子のマークがまた小さくて、可愛いっすねー。


天井です。ツッコミどころがないくらいシンプル(^^;; 無印良■のステッカーを探しちゃったくらい(^^;;;
中央の板にはうっすらと溝が入っています。また、その両脇には冷房の吹き出し口があり、それがライン上に並んでいます。パッと見吹き出し口がわからないようになっている事についてはセンスを感じますが、冷房能力に話題が移るとちょっぴり頼りなさそうな感じがしますね。そして蛍光灯は必要最低限、むき出しの状態での設置です。ちょっと味気ないかなという感じはします。


一方床です。影が入り込んでしまって見難い画像になってしまいました。ごめんなさい。
茶色一色でフットラインや模様などは一切なく、ここもシンプルさを強調しています。しかしながら紫のモケットとの色の相性は・・・どうなんでしょう正直(^^;; 逆にこの車両に茶色を用いて、首都圏の通勤電車でグレーの床を用いるなど「共通化」が図られなかったのがちょっと不思議といえば不思議です。床って恐らく共通化しやすいネタになるとは思うのですが、車内の雰囲気を重視して通勤形よりも明るめに攻めていったのでしょうか。


ドア周りの画像です。右の画像がちょっとガクッときていますが(^^;;;各車両の運転台から一番遠い、車端部の整理券発行機つきの扉になります。左の画像は車両中央の扉です。扉そのものは無塗装、大きな窓、黒い縁と特筆するものではありませんが、扉の左右にあるラインや鴨居部を含めて、一体的に見えるのが印象的でした。
また、ドアの周りはすぐに袖仕切りが迫ってきていてあまり余裕がないことも伺えます。整理券発行機は袖仕切りから独立したポジションに設けられているのですが、若干ドアのポジションにはみだした状態になってしまっています。ドアの開け閉めにちょっと邪魔な印象を受けますね。

整理券発行機そのものはバスで見かけるものと同一です。左右のドアにつき1セットのみの設置なので券を受け取るときに複雑な動線を描いてしまうこともあります。微少とはいえ乗客に余計な動きを強いている結果になっているわけで、「コストの限界」をここで見るとは、なんとも情けない・・・。


そしてトイレと運転台に囲まれたポジションの扉。なんとも窮屈そう(^^;;
ちなみにLED表示機はどの扉にも設けられていません。1998年に登場した車両の中では珍しいですね。

 
ドアネタがまだ続きます(^^;; ドアの内側には雷鳥も登場するステッカーが2種類貼られています。また、半自動ドアも備えており、内側のボタンは開閉兼用、外側のボタンは開けることしかできませんが、「ドア」のランプが点灯するとそれらのボタンを使ってドアの開け閉めができます。
また、外側のドアの上にはLED表示機があり、ワンマン運転時には「入口」「出口」などと表示されます。乗車するお客さんを整理券発行機に誘導するための表示で、車内のLED表示機は無い代わりにここでふんだんに使っていたんですね。もっとも、表示文字数はたったの2文字ですが(^^;


また余計なバリエーションが(殴 外側の半自動ドアボタン、車両の中央の扉だけ横に設置されています。
車体を作る時に縦に設置することができなかったとのことで、八高線の209系の一部でも見られます。

 
さて、ここからは座席ですが・・・怒涛の座席バリエーションが待ち構えています。特にロングシート。ここまでよくバリエーションが増えていったなぁ・・・と感動しますよ、きっと(^^;;;
まずはロングシートから。クロスシートと扉の間にある2人掛け、3人掛けの座席です。2人掛けの座席は車両中央の扉付近に展開しており、3人掛けはそれ以外という格好になっています。車端部で述べたとおりドア〜ドア間が従来の近郊形電車よりも伸びたため、このような変則的な配置になってしまいました。
バケットシートで、ちょっとクールな紫のモケットを使用しています。個人的にはこの紫っていい色だな〜と思います。

 
3人掛けは車端部にも展開しています。妻面と座席の間には配電盤などがあり、その関係で「壁」が形成されているのですが、せっかくの空間、壁の一部を凹ませる形で結構なので肘掛なんぞに活用してほしかったなぁと思うのは自分だけでしょうか。
なお。E127系に関しては優先席の配置が「各車両の南小谷より」というふうになっているので、クモハの車端部の3人掛けに関しては優先席扱いになります。右の画像でおなじみ優先席モケットの逆サイドには紫モケットが控えていますが、携帯電話の電源をオフにするゾーンに指定されていますので、ご注意を。
クハの優先席は後ほど登場します。


数でいくと次は6人掛けになります。3人掛け×2のセットで南小谷より先頭車のクハ、トイレと扉の間にあります。
最近はE231系などでも見かける6人掛けですが、この座席周りの環境には全然慣れません(^^;;
ちなみにこのポジションにある窓は全て固定式です。トイレの後ろですし…ってこのネタがわかる方は…(以下自粛
シートに話を戻すと、ロングシートには全席、座席下にヒーターが設置されています。寒冷地仕様ということで片持ち式にはできなかったのでしょう。運用によっては松本から南小谷までこの電車一本で移動ということも結構ありますが、このヒーター、なかなか強力だとか。まだ真冬の時期に乗ったことが無いのですが、ちょっぴり楽しみです。


お次は9人掛け。3人掛け×3のセットで、クハのトイレ反対側、車椅子スペースと扉の間になります。そしてここがクハの優先席ということになるわけですが、なんかこの設定に言葉には表すことができないもどかしさを感じてしまいます。加古川線の103系よりはマシなのかもしれませんが・・・。
車椅子スペース側の袖仕切りは窓がある関係で小柄な袖仕切りがセッティングされています。肘掛の機能も明確に備えている一方で下りワンマン列車は車椅子に一番近いドアが出口になるため、場合によっては風をもろに受けるポジションにもなります。

さて、ここまで2人掛け、3人掛け、6人掛けと登場しましたが、最後は・・・

ドア〜ドア間の12人掛けになります。几帳面な車掌さんが乗り込むとさぞかし忙しいアナウンスになりそうで(^^;;ワンマンテープに何人掛けがあるか吹き込んでくれないかなぁ・・・(^^;;;
3人掛け×4のセットなのですが、やはりここまでくるとスタンディングポールがほしくなるところです。座り心地はバケットタイプとしては可もなく不可もなくという感じです。沈み込み量もボチボチ、奥までしっかり腰掛けられる感じです。やはりこのあたりが中距離客への配慮なのでしょうか。


あ、こんな画像もでてきました(^^;;クローズアップ袖仕切り。首都圏の209系と同じ方のものが使われています。板なのでドア開閉時の風を防ぐ役割も果たしています。座高が高い自分はもう少し長くしてもらえるとありがたいのですが、そんなことは知ったこっちゃないってやつですよね(^^;; 半自動ドアの装置、広告枠との位置関係を考えるとこのあたりが限界そうですし。
 
板メインながら傘が掛けられるようになっているのはささやかなサービス?それとも偶然?


次はクロスシート部分に突撃です。下り進行方向左側、トイレがある区画以外のドア〜ドア間に4人1組のボックスシートが2つずつ置いてあります。早くもツッコミどころが見え隠れしていますが、ここでは背面を・・・。背面そのものはフレッシュグレーのすっきりした形状で好感が持てます。ただ、床下がスルーになっているので冬は座面にくっついているヒーターと相殺する状態になってしまうのでは、とちょっぴりヒヤヒヤしてしまいます。

実に機能的な外観の座席、詳しく見ていくと・・・
 
なんかモケットの色がちょっと異なりますが(^^;日に当たると鮮やかな紫になります。座席そのものは座面も含めてバケット形状になっており、手すりも大型のものが使われています。「より多くの人に」という意識があるのでしょう。
肘掛は通路側のみの設置。モケットを貼ったり、雪の結晶のような形にしたりするなど面白みもあるのですが、樹脂の先に金属を持っていったのは強度補強どころかバチバチ度の補強につながってしまっている欠点もあります。
座り心地は少し座面の奥から背もたれのバケットが強調されるまでの部分に違和感を覚えました。

ただ、座り心地よりも許せないのが・・・多くのサイトですでに語られていますが、当サイトでも・・・
 
窓枠と座席配置が全然一致していないんです、この車両。改造車だったらわかりますよ、新造車でこの有様。
顔の横に桟が来たり、ボックスの中間に桟が来たり・・・眺望のためのクロスシートの設置だそうですが、もはや設定目的の文章が泣いています。
そのため、登山を愉しむ方など厚着になる人々のグループが利用することが多いこの路線において帽子掛けも、テーブルもありません。ゆくゆくは視覚が関与して定員着席の崩壊につながりますよ、これ。
それはさておいて、なぜクロスシートと窓枠を合わせなかったのでしょうか。「仕方がなく置いてやった」という印象を強く抱かせてしまっている新車というものほど後味の悪いものはないのに・・・

でも、個人的にはこの車両は妙に愛着がわくんですよね(^^;;


最後にお口直し。・・・からくりTVの「ご長寿クイズ」で誰かが答えとして歌ったのでしょうか(^^;というようなフォントですね(^^;;
ゴシック体を多用する車内では必要十分以上に目立っていました・・・。
 
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