JR東日本  103系[仙石線] Page2
 
  郡山工場で留置されている103系が整備を受けている!103系が石巻から仙石線に搬入された!数々の情報が舞い降りる中、ついに2007年春、吉報が届きました。
「JR東日本の103系、仙石線で復活!!」
おぉ〜良かった良かった、これで動向を見守っていたファンの方々もほっと一安心するでしょうと思っていたその瞬間、我が身を疑う文面が飛び込んできました。「トイレ・車椅子スペースつきの103系・・・」。
ということで結局気になって行ってきました(^^;;;。JR東日本最後の1本の103系にして最初の車椅子スペース・便所付きの103系。平日の朝ラッシュ時に通勤客相手に2往復するだけの活躍に留まっていますが、試運転は石巻まで全線で行われているだけに、今後も末永く、そしてゆくゆくは臨時運転でもいいので全線で走って欲しいなぁと思います。
(取材・撮影 JR仙石線・小鶴新田〜あおば通)

 

 

 


車内全景です。4ドアロングシート、通勤需要を念頭に仙石線ならではの更新工事も施された103系っぽくて103系っぽくない車内の雰囲気はそのままに、座席モケットを205系に合わせるなど、後輩に遠慮しがちな光景も見受けられます。その割には外観の塗装はどの205系よりもcoolに目立つSENSEKI LINEのままですが(^^;; 個人的にはそちらのデザインの方が好きなのでどうにか205系にも継いでもらえないかと思う今日この頃です。
いきなり話がそれましたが(^^;;;注目の便所や車椅子スペースは石巻寄り先頭車に設けられています。こちらも205系に合わせる形ですが、205系にあるあおば通寄り先頭車の車椅子スペースはこの編成にはありません。


103系がたくさん走っていた頃にあったゴミ箱がなくなり、少しすっきりした乗務員室との仕切りです。窓は左右に1つずつ。広くとった立席スペースを活かして握り棒は設けられていますが、前面展望にはやや苦しいかもしれません。
個人的には乗務員室へのドアの窓に書かれた「乗務員室」の位置が気になって仕方がありません(^^;;;
窓が上下逆さに取り付けられた!・・・ということはありませんでしたが、妙に気になるところです。

 
車端部の様子です。貫通扉の窓が長かったり、妻窓が1枚窓になっているあたりは仙石線クオリティです。
とはいえ丸みを帯びた天井に貫通扉下のちょっと斜めに処理したドアレールを眺めているうちに「これは特別な車両ではない、103系なんだ!」と薄々気づいてくると思います。
そしてこのような車端部に便所と車椅子スペースを設置するとこのような形になります。


・・・・・・「103系なんだ!」という声が一気にしぼんでしまいそうな便所・車椅子スペースのある車端部です。
103系にトイレをつける技はJR西日本の加古川線で見ており、あちらは内装をがらりとリフォームしたので違和感なく仕上がっているものの、こちらはトイレがついていない頃の車内が未だに色濃く残っているわけで…驚きの表情が元に戻るまでに少なくても3秒はかかりました(^^;;

 
便所と車椅子スペースになります。便所は車椅子の方も利用できるように曲線でゆっくり弧を描きつつ取り回しの効く面積を確保しています。コバルトブルーの扉は仙石線だから…というわけではなく、E231系や205系などでも用いられている「トイレの扉カラー」として用いられています。それにしても化粧板の色こそ103系に合わせてありますが、この曲線の美しさは103系の印象を和らげてくれそうです。
そして車椅子スペース。座席などが撤去され握り棒とヒーターが増設されています。吊革が無くなった分かなりスッキリとした雰囲気に仕上がっています。なお、この部分だけ床が白色になっており、ちょっとだけ改造の跡が伺えます。


天井です。仙石線の103系ではすっかりお馴染みだった「扇風機の跡が丸く残る天井」はそっくりそのまま健在でした。その左右に吹き出し口、そして剥き出しの蛍光灯と続きます。
吊革の増設は一部のドア付近を除いて行われており、吊革自体も三角の握りやすいものに統一されています。


床はベージュのコルク柄一色で勝負です。JR東日本の103系では珍しい方に入るであろう柄です。恐らく便所設置前から使われていたものかと思うのですが、新車のようなツヤのある、キレイな床になっていました。

 
ドア周りです。左の画像は座席と座席に挟まれた区画のドアで、右の画像は便所隣のドアになります。
化粧板が貼られ、ドア窓のおさえが白く塗られたドアは見ていて気持ちが良いです。また、半自動ドアとしてドアの隣には開閉ボタンがありますが、鴨居部が従来の大きさのままに抑えられているのも大きなポイントになると思います。
反面、ちょっとドアの位置が高かったようで、後継の205系3100番台では低めの設置になっています。
画像にもある便所隣の扉部分は吊革の増設がされておらず、この部分に乗客が集中すると「つかめる物」が少ない分、ちょっとの揺れでもよろけてしまう事が他の部分よりも多いかもしれません。

 
半自動ドアのスイッチです。左の画像が車内側、右の画像が車外側になります。どちらも「ドア」の部分が光るとボタンを開け閉めできるようになります。仙石線では原則としてボタンを介しての乗り降りになるので、押したことがある方も多いと思います。

赤のボタンをビシッと押す車外のタイプはあまり見かけないボタンですが、一歩間違えると早押しクイズのボタンにでも登場しそうなスタイルなだけに、仙台駅仙石線ホームで時折流れる「ピンポン♪」、103系のドアを開け閉めする時に聞こえる「プー」音とともにどこかのクイズ番組で使ってくれないかなぁ、なんて冷や汗気味にほんのちょっとだけ思う今日この頃です。
・・・敗者復活戦の舞台が郡山だったらどうしましょう?負ければ・・・(以下自主規制


網棚はパイプ形状のものに、側窓のフレームも気持ち良く白く塗られています。このちょっとづつオシャレしてみるところが仙石線クオリティ。本当に首都圏の103系よりもオシャレです!

 
最後は仙石103ざせき通。まずは通常の緑モケットのロングシートから。ドア〜ドア間の7人掛けが左の画像、車端部の3人掛けが右の画像になります。
元々ブリッジ式バケットシートと呼ばれる着席区分の入ったシートを使っており、今回の復活にあたって仙石線205系と同じモケットへの更新が行われています。首都圏でも205系で広く使われているこのモケットですが、意外にもこの組み合わせはこの1編成が最初で最後。便所や車椅子スペースだけでなく、ここでも伝説を作り上げています(^^;;


あおば通寄り先頭車の石巻寄り車端部と中間車のあおば通寄り車端部にはこのように3人掛けの優先席がスタンバイ。こちらも区分けが目立たないもののブリッジしています。モケットは毎度お馴染み優先席柄です。袖仕切りが独特の形状なのでブリッジと合わせて少し103系離れしている節もありますが、そこはもともと短距離ランナーとして登場した103系、座り心地もやや硬め・・・というよりもスカスカ気味のセッティングで、長時間座ると疲れがいつも以上に膨らむぞ!と暗示しているかのような座席でした。

なお、勢いよく奥深く座ろうとするとお尻と座面のフレームがゴッツンコしてしまう可能性が少しだけありますので、そちらもご注意下さい(^^;;

 
便所がついた関係で石巻寄り先頭車の車端部には座席が置けなくなりました。その代わりとして便所の隣にある7人掛けの区画の一部が優先席になっています。下り進行方向左側が4席分、右側が3席分、それぞれ優先席になっています。車端部よりも1席分優先席が多くなっていますが、これは単純に4人掛けと3人掛けの座席を入れ替えないままモケット変更を施してしまったのが原因だったのでしょうか(^^;;; こうして普通のモケットと隣り合わせにしてみると優先席の目立ち具合が手に取るようにわかります。うむ、目立っています(^^;;;




最後にだめ押し画像を二つ。仙石線の103系はトイレ改造前からきれいに更新工事が施され、実に気持ちの良い、国鉄時代の103系からは想像もつかない軽やかさを持ち合わせていましたが、今回新たに設けられた便所の中に入ってまたもビックリ。灰色の化粧板にスポットライトの組み合わせ…普段は便所の中まで撮影しないのですが、「こ、これが103系?!」という究極の装いにただただ驚くばかりでした。いやぁ、ドアを開けた途端、この空間はまさか時空を越えた者のみが到達するなんたらではないのか?と思ってしまったほど(^^;;; 首都圏で割と最後の方まで103系に乗る機会に恵まれていた身としては、懐かしの車両に会ったというよりも、「昔よく遊んだあの子に似ているけど・・・実は初対面の方」と唐突にお喋りして、盛り上がっているような印象になりました。



でも、初対面ながらもどこか懐かしい一面が時折顔を覗かせてくれるのは、実に嬉しいことです。
今度はもっと長い時間盛り上がりたいです。末永いご活躍、期待しています。

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