JR東日本  GV−E400系
 
  2019年に登場したJR東日本のディーゼルカーです。聞きなれない形式名はディーゼルエンジンで発電機を回し、その発電で主電動機を動かすとのことです。私のような素人にはディーゼルエンジンの音は加速時に大きく聞こえるのでこれまでのディーゼルカーとそんなに違わないのでは?と思うのですが…途中駅で降りた後、発車するGV-E400系の加速の鋭さには思わずのけ反ってしまいました(^^;; 
新潟地区では40両が増備され、キハ40系列を置き換えました。ここ最近はピンポイントの投入が続いたJR東日本のディーゼルカーですが、秋田地区の投入も始まっており、今後各地で見られることが予想されます。
今回は片運転台車のコンビ、GV-E401形、GV-E402形の編成を取材しました。
(取材・撮影 JR磐越西線・会津若松〜喜多方)

 

 

 


車内全景です。明るい車内は鮭を思い浮かべそうな赤系統のアクセントでまとめています。すぐに話を食べ物に持って行くのは私の悪い癖です(^^;; 2ドアでセミクロスシートです。2+1列の固定クロスシートもディーゼルカーではお馴染みとなりました。一方で、幅広ではない車内は久々になりました。キハE120形から乗り換えると…キュッと絞った格好が少し狭そうに感じます。
画像ではあまり目立っていませんが、車内にちょこっとデッドスペースがあります。外観では窓が無い部分にあたり、その窓の少なさから乗る前は「明るさはどうだろう…」と思っていました。結果として窓の少なさはあまり気になりませんでした。ある部分を除いて…


乗務員室との仕切りです。全体的に窓がカクカクする仕様になっています(^^;; キハE130形から装いも改まり、助手席側の窓のいかにも連続窓風の処理がなくなったのはちょっと残念です。仕切り扉も周りの化粧板と色を揃えました。ワンマン運転で運賃箱を使う際は扉を開けて運賃箱を真ん中に設ける格好です。複数編成連結の時は通り抜けができますが、中に段差があるので注意が必要です。


車端部です。ドアから妻面にかけては窓がありません。ここはデッドスペースだろう…と思っていただけに、まさかの座席配置、そして優先席設定には驚きました。確かに優先席と一般の座席を分けるには好都合…だとは思いますが、なんでしょうこのハズレ席な感じ…乗り物酔いの時に遠くを見たいなぁ…と思ったら早々にこの座席から撤退するようになると思うと気の毒ですが、技術的にこの部分に窓を設けることはできなかったのでしょうか?
整理券発行機が片一方の扉に寄っているのもポイントです。


トイレと車椅子スペースは新津方先頭車に設置されています。大きなトイレと車椅子スペースのタッグで、後者はピンク色の床になっていますが、あまり目立っていない様子…。ピンク色の床を通路に当たる部分まで伸ばせばどこからでも見えそうですが、車椅子スペースと通路が一緒に見えてしまうのも考えもので、匙加減が難しそうです…。
トイレ手前のクロスシートの処理は手すりが無いくらいで、他の席との大きな違いはありません。

 
トイレと車椅子スペースです。左の画像のトイレは2枚引き戸になりました。この形態はE127系100番台で見かけましたが…新造車では久々の登場です。この部分も外から見ると窓がありません。いつもの扉とは違うため、色分けしても周りからは大人しい印象です。
車椅子スペースは床をピンクに塗り分け、非常通報機とヒーター、手すりがスタンバイです。手すりはドア周りにも縦でついているので、ステップがちょっと苦手な方にも喜ばれそうです。そして、非常通報機の出っ張りが押しやすくてGoodです。


塗り分けがなかなか斬新な天井です。天井は斬新なのに、吊革はE231系でよく見た灰色のもので先祖返りの様相。このあたりはファッションの一環で行き来できるのでしょうか。2人1組のクロスシートの上に吊革があるのはJR東日本の嬉しい伝統芸です。
LEDの照明が大変明るいのですが、ところどころ間隔を開けているところもあり、端から見るとちょっと独特です。
塗り分けを気にしていると気になるタイミングを逃しそうなのが防犯カメラ。所々、黒くて小さい凸凹がそれです。ワンマン運転用の要素が強そうだったのも昔の話、今や防犯カメラが新型車両のマストアイテムに仲間入りしそうな勢いです。


床はベージュで手堅くまとめました。天井に合わせる格好でラインが引かれるのかなぁと思ったのですが…


ドアは片開き扉で無塗装です。ステップがあり、そこから上がると黄色い滑り止めの床が迎えてくれます。この黄色い床がドアの位置も示してくれています。ドアが少ないので動線が気になりますが、吊革はドア周りにもしっかり備わっています。この部分は乗務員室からも死角になってしまう部分ですが、防犯カメラで混雑時も適切な案内ができることを願うばかりです。
大きいドア窓は着色ガラスを用いています。


半自動ドアのスイッチです。あける、しめるのピクトグラムが可愛く、ボタンを押すと縁が光るスタイルです。ここも近年急速にバリエーションが増えていっていますが、このピクトグラムのボタンはJR東日本では初お目見えではないでしょうか。ピクトグラムの効果でわかりやすくなった一方で、「あける」「しめる」の文字は色分けしても良かったと思うのですが…。


窓周りです。2段窓の部分は上段のみ開きます。テーブルやロールカーテンはありません。
磐越西線や奥羽本線など、風光明媚なところを走るだけに着色ガラスは…と思う前に、すっかり定着した感じがします。
窓枠、着色ガラス…言いたいことが色々ある人もいるかと思いますが、私は快適な移動が第一だと思います。
…あれ、答えになっていないって?!


座席です。優先席はE235系同様装いを一新し、背もたれのモケットには優先席の文字が入るようになりました。シンプルな形状ですが、袖仕切りと壁に阻まれてなかなかその姿をお目にかかるには近づかないと…といった感じで、床や吊革が一生懸命フォローしています。何もここまでピタッとはめなくても…と思うくらい袖仕切りと壁の間にささやかな2席に、ちょっとした閉塞感が漂う優先席です。電車では半ばお馴染みになりましたが、ディーゼルカーで片持ち式はまだちょっと珍しい印象です。

 
ロングシートは他に8人掛けと5人掛けがドア周りを中心に配置されています。画像は8人掛けです。背もたれ、座面で全く同じモケットは鮮やかな赤色のモケットで、ちょっと締まりがないかなぁ…と思ってしまいますが、いつもの形状のバケットシートはあれ、E233系やE721系よりもちょっと硬めのセッティングかな?という印象です。いつもの形状に捉われないようにしたいところですが、これがなかなか難しいもので…あ、こちらも片持ち式です。

 
5人掛けのロングシートです。2人・3人で隔てるスタンションポールがいかにも今風の設えで、袖仕切りのちょっと懐かしい形状から時空を現代に持ってきているようなアイテムです。
面白いのが右の画像のクロスシートとの接合部分です。ちょっと余分にはみ出たクッション、気になりませんか?反対側から見るとこのようになります…。

バケット形状を全く無視したスタイルのクッションが入っています。バケット形状なので座る場所がある程度定まってくる格好ですが、このポジションの座席に座ると…なんということでしょう、袖仕切り、つまりクロスシートの背面とほんの少し隙間が入るではありませんか。新型車両なので少しバケット形状を見直せば…と安易に言いたいところですが、この一寸の余裕が居心地を良くします。


袖仕切りです。なんででしょう、417系や717系のような形状を彷彿とさせるもので…ガラス板にグラデーションが入っていても、喫煙車でタバコが吸えた頃の2ドア車両の袖仕切りをついつい思い出してしまうのです。
ガラス板の下辺が斜めに切られていますが、ひじ掛けとしての活用はあまり考えていないようです。

 
クロスシートです。相変わらずのデザインですが、やはりロングシート同様E233系あたりと比べるとちょっと硬めの座面セッティングかなぁという印象です。窓の下がスッキリしているので、バケット形状も相まって奥の座席も余裕を以て座れるところは新車ならではの嬉しさです。左の画像が2人1組、右の画像は4人1組です。今後このデザインの座席がJR北海道にもお目見えすることになりそうですが、キハ110形のクロスシートのようなロングセラーになるかどうか、既にロングセラーの声も聞こえてきますが、楽しみです。

そそ、クロスシートも片持ち式になりましたが、ヒーターに製造会社名が入った銘板が貼られています。JR東日本の所謂「このデザイン」の座席で銘板が手に取る位置に貼られているのは極めて珍しいのではないでしょうか。ちなみに製品名は「暖房機」として、製造番号や製造年等が入っています。
「耐寒」設備だからこそ、冬に乗ってオクタニサーモスさんの実力を「体感」してみたいと思います。
 
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