JR東日本  E233系8000番台
 
  南武線では205系、209系に続く直接の新車投入になります。そして、車種統一も果たすことになりますが…幅色車体に驚くばかりか、久々の快速復活がすっかり板につき、沿線人口は増えて…と、もはや変わらないのは「6両編成」と起源がイマイチよくわからない「帯の色」くらいでは…と思ってしまう南武線の「主」、E233系8000番台です。
E233系の投入順序としては後の方になりますが、E233系とは立川、登戸、川崎で顔を合わせていることもあり、すんなり馴染んでいった印象があります。横浜線に続き脇には南武線を示すロゴが入れられ、沿線の雰囲気を表現したシルエットはなかなかのお気に入り。そのシルエットに多摩河原通りのノロノロ運転、ビール、競走馬、ボート…など書き入れたいものも多々ありますが…一番は狛江のいかだレースだと思うのは私くらいです(^^;; 南武線にはE233系8500番台が1編成だけ紛れていますが、今回は8000番台の模様を、いかだもビックリするような蛇行気味にお届けします。
(取材・撮影 JR南武線・稲城長沼 他)

 

 

 

 
車内全景です。左の画像は中間車、右の画像は先頭車になります。E233系では割とお馴染みですが、先頭車は優先席部分の他に、ドア〜ドア間の荷棚と吊革を低くセッティングしています。荷棚の支持部分で比較すると、先頭車の方が少し長いのがこの小さい画像からも伺えることかと思います。
4ドアロングシートで、モケットが南武線独特の仕様になっているのが大きなポイントです。誤乗防止の一助などそれなりの理由もありそうですが、目に留まりやすい部分でオリジナリティを追求する姿勢と、優先席のように全くブレない部分を併せ持っているのがJR東日本の素敵な部分だと思います。


乗務員室との仕切りです。E233系ではお馴染みの構成になっていますが、川崎駅や武蔵小杉駅の乗り換え通路などの構成を考えると、この仕切りとドアの間の立席スペースはラッシュ時の強い味方になっているのでは、と思います。
仕切りをよく見ると、真ん中の窓と仕切り扉の窓でガラスの濃度が若干異なっている様子も伺えます。その仕切りの奥、乗務員室の上から垂れている物は時刻表灯で、この8000番台から端末を置いた時に充電ができるようコンセントが設置されたとのこと。前方カメラに記録装置もつくなど、客室部分ではわからない細かい変化が入っているようです。

 
中間車の車端部です。左の画像が川崎方で通常仕様のモケット、右の画像が優先席の仕様で立川方になります。貫通扉の大きな窓、そして大きな取っ手が握りやすいのは他のE233系でもみられますが、横浜線の一部の編成で見られたようなロゴの貼りつけはありません。周りの縁がわかりやすいのでわざわざガラスを示すアクセントは不要…かもしれませんが、せっかく作ったロゴを車外だけでなく、車内でも活かせないものかとついつい思ってしまいます。
優先席部は吊革、床の色、化粧板の色でを他の区画と分けて示しています。


車椅子スペースつきの車端部は先頭車にあります。8500番台は川崎方先頭車のみ車椅子スペースが設置されていますが、逆に言うと36分の35の確率で両先頭車に車椅子スペースが来ることになりますので…えぇ、何か他の事に運を使いたいですね(^^;;
化粧板、吊革、床…それぞれ優先席であることを示す装飾を施していますが、化粧板だけ寸足らずな印象を受けるのはこの区画ならではだと思います。

 
車椅子スペースです。左の画像は2017年9月に撮影したものですが、この時点で既に投入当初になかったベビーカーのマークが貼られています。2022年3月までの時点で床にもシートが貼りつけられ、より車椅子スペースであることが遠くからもわかるようになりましたが、どちらも南武線以外の首都圏のJR車両でも行われたものになります。細かいところでは…非常通報機に「マイク」のシールが貼られていますね。
手すりは側窓を挟んで上下2か所。ヒーターもしっかり備わっています。JRの首都圏各線で車椅子スペースの設備や位置に大きな差が生じていない点は、使う側からすると安心材料にもなるのではと思います。大量増備の良い点です。


天井です。8000番台に至る前だったはずですが、天井空調風道がFRPからアルミに変更になったという記載を見かけました。ただ、客室からの見た目の変化はLED蛍光灯の内側にあるいわゆる「黒い線」になって見える吹出し口の変化、そしてその周りのパネルの材質が…言われてみればちょっと違うかなぁ…くらいです。
導入当初からLED灯を入れており、近年防犯カメラが設置されるようになっています。画像右側、LED灯についている小さな黒い四角がそれで、0番台で生じている防犯カメラを入れた蛍光灯の色合いが周りとは異なる問題はこの8000番台では起こっていません。


床です。座席の下は暗めのグレー、ドアのそばは黄色い点字ブロック調のシート、それ以外はベージュの柄…というE233系ではすっかりお馴染みのトリオ、優先席まわりはピンクのツートンです。
このあたりの色遣いがE233系はうまいなぁと思います。ひたすら暗くなる、工業製品っぽさ全開の灰色から一転、あまり濃くないもののどんなモケットが来ても合いそうな、実に良い色を見つけたと思います。今回も…良いマッチングだと思います。

 
ドア周りです。こちらも同じポジションのドアを2017年9月と2022年3月で比べてみました。
元々ドアの中央部に黄色い線を入れていたE233系ですが、近年両脇に戸袋への引き込まれ注意のステッカーを新たに貼っています。車内側にこの手のステッカーが貼られると良い思い出が無いものですが、今回貼ったステッカーは特段意地悪されたところはみられません。そそ、下の方には謎のキャラクターも。
8500番台にはついている半自動ドアのボタンですが、8000番台にはありません。その代わり4か所中3か所のドアを締め切る機能がついています。
ドアそのものはE233系ではお馴染みのスタイルですが、置き換え当初の様々なスタイルのドアが入り乱れていた南武線の状況を思い出すにつれ、白化粧板、複層ガラス、開閉チャイムが音痴にならないドアに、新車って良いなぁ〜と、当時思っていたことが生々しく蘇ってきます。
ただ一方、ドア付近の立席スペースが少ないのはラッシュ時特に気になります。1時間弱乗り通すお客さんも少なくないので難しい問題ですが、増結、増発が難しい中で「幅広化」だけでは追いつかない次の一手が、ドア周りや座席数に求められているような気がするのですが…いかがですか?


液晶画面による案内は全てのドアの上で行われています。左側は広告やニュース、天気予報などを、右側では列車の行先、次駅などの案内を流します。
画像は始発駅でよく見る画面です。左上の「快速」は赤い文字を使用していますが、下の「快速」は黒地に白文字で「普通」と変化がありません。うーん、何のためのフルカラー画面なのか、考えさせられてしまいます(^^;;


窓周りです。荷棚の下がどうしても若干暗くなってしまいがちで、特に蛍光灯下で座っていると暗さを感じてしまう部分ですが…LEDの灯りだからでしょうか、座っている分にはあまり暗さを感じることはありませんでした。
そして着色ガラスです。最近はここに窓の開ける幅が書かれた案内ステッカーが貼られているようですが、画像は貼られる前の様子です。冬の朝日の眩しさが幾分か軽減されているように感じるのは相変わらずですし、僅かとはいえ高架区間や鉄橋を走っていると陽射しに熱されている感じがするのも、相変わらずです。

 
座席です。ドア〜ドア間の7人掛けと乗務員室の後ろの4人掛けです。車種統一前はこのポジションが椅子取りゲームの様相だったわけですが、車種統一後は4人掛けしかありません。もう焦る必要はありません(^^;;
南武線仕様の組み合わせになったモケットがなかなか素敵で、黄色と聞くとJR四国キハ54形やラビューのような明るい印象を受けますが、落ち着いた色合い、とはいえお好み焼きとは一線を画す仕上げで整えたのは流石です。
座った時に座面が少し沈み込む仕様がE233系のバケットシートの特徴で、この番台でも踏襲しています。ベストセラーという言葉を良い意味で捉えて良いかは悩むところですが、少なくてもこの座面で良かったとは思います。
あとは…テヘペロッ。

 
車端部の3人掛けです。左の画像は通常仕様のモケット、右の画像は優先席です。
固定窓、妻面の窪み、冷房の効きが…といった気になるところもありますが、結構始発の川崎駅や立川駅で見ていると埋まっている印象が強い区画でもあります。優先席はスタンションポールを間に挟んでいます。


袖仕切りです。結局E233系では袖仕切りを大きく弄ることがありませんでした。窪んでいるとはいえ定員どおり着席すると狭さを感じる仕様はそのままですし、それを以て「中途半端」との評をくだしたこともありましたが…逆に「E235系やE131系でなぜ縦長の袖仕切りを入れたのだろう、コレの方がイイじゃん!」と思ってしまうあたりに取材班の軸の脆さが現れています…。
もどかしいものです。
 
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