JR東日本  209系3500番台
 
  209系から209系への置き換え…かつて低運転台の103系から高運転台の103系への置き換えを見て来た身としてはその時の再来かと思ってしまいますが(^^;; 舞台となった八高・川越線は転用205系と生え抜き209系の跡継ぎが中央・総武線各駅停車からやってきた209系とE231系という結果で…この路線に乗る機会が多い取材班としては、新車から新車への乗り換えを涼し気にやってのけた相模線のことが少し羨ましくもあり、背負い投げしたくもあり… それでも八高・川越線にやってきた車両は半自動化改造を行い、209系は500番台から3500番台に改番となりました。
2018年から徐々に走り始めましたが、2022年の春からは追加改造の上、ワンマン運転を開始しています。このコンテンツではワンマン化開始後の車内の様子を取り上げます。
(取材・撮影 JR川越線・川越〜高麗川)

 

 

 


車内全景です。4ドアロングシートの車内はパパッと見た感じ中央・総武線の登場時から変化が無いのでは?!と思いますが、「ボタンを押す」という動作が入ることでその感覚は吹っ飛びます(^^; 209系3000番台と比べると若干明るくなったかな?という印象に加え、裾絞りの車体が新鮮に映ります。ただ、どことなく漂うくたびれた雰囲気を感じるのは…これ、先入観ですか?(^^;;
都市型ワンマンを採用しているため、運賃箱や整理券発行機は画像のとおりありません。4両編成も従来から変わりません。


乗務員室との仕切りです。真ん中に固定窓、そして右側に仕切り扉があるJR東日本ではお馴染みのスタイルです。ただ、いつもの仕切りよりも何やら賑やかな様子が伺えます…。
ワンマン化改造で仕切り窓の上には防犯カメラが、仕切り窓の下には避難はしごが設置されました。さらに、非常通報機のボタンが広告枠の下に設置されました。前面展望がちょっとしにくくなったのは仕方が無いにしても、八王子発の八高線下りは意外と最後尾のこのポジションが混むだけに、はしごの位置はなんとかならなかったのでしょうか…。

 
車端部です。左の画像は通常仕様のモケット、右の画像は優先席のモケットで、中間車の八王子方に設定されています。貫通扉は4両編成で2か所に設置されており、特に中間車どうしが連結される編成真ん中の車端部には貫通扉そのものがありません。正直、冬は風が車内を駆け抜けると寒くて寒くて…(^^;
車端部にも妻面に防犯カメラが設置されています。防犯カメラは他にも車外、そして蛍光灯の脇についたものもあります。後者はワンマン化改造前からついていたような気がしますが、ワンマン化との関係はあるのでしょうか…。


優先席はあまり目立っていませんが、両先頭車に備わった車椅子スペースは床に大きくピクトグラムが入りました。このあたりのJR東日本の工夫と努力はどこかの雑誌で読んだ記憶がありますが、確かにこの画像でもそこそこ目立つのはいつもの青いピクトグラムよりも効果的、かつ刺激的でない色の選択が実に上手いと思います。
先頭車の優先席の配置は先代の205系3000番台などでも見られた、ドアを挟んで手前と奥、7人分になります。総武線各駅停車で取材した2010年の画像を見返すと優先席は車椅子スペース向かいの3人掛けだけだったので、路線の実情に合わせた変化と言える部分です。


車椅子スペースです。非常通報機のボタンと手すりのコンビがスタンバイ。広告枠の斜め右にあるのはドアコックになります。E233系でヒーターや貫通扉がついたことを思うとなかなか質素であり、代替わりをしてもあまり変わらないという現実…(^^;


取材時点では蛍光灯とLED照明が混在していた天井です。色味が異なるのでLED照明がどこにあるか、もっと言えば防犯カメラがどこにあるかが一目瞭然です(^^;;; 車椅子スペースではE233系と比較しましたが、荷棚の高さが窓枠と干渉スレスレの位置に設けている点、そしてバータイプのものを用いている点は採光面からも良いと思います。
ラインフローファンや灰色の吊革など、多くの部分が登場当初から変わらぬ姿で備わっています。それ故、天井を隅まで見渡すと中にはテープで補強している部分もチラリ…


灰色一色の床です。2度の改造のどちらかでドア前に滑り止めと注意喚起を兼ねた黄色いシートを貼るかなぁ…と思っていましたが、オリジナルのまま現在に至っています。

 
ドア周りです。全てのドアにLED表示機がついております。右の画像は鴨居部の様子です。
ステンレス無塗装のドアは大きくて角に丸みがある窓がGood。画像は車椅子スペースの隣のドアですが、先頭車6人掛け座席の脇など一部のドアではドアと袖仕切りの間に配管と思しき出っ張りが見られるものもあります。
LED表示機は次駅案内と運行情報を主に流します。余談ですが、いつの間にか自動放送で接続列車の案内を入れるようになりました。時に接続がシビアなことがある八高線ユーザーのことを考えると嬉しい配慮なのですが、ワンマン化前のことを考えると…ゲフンゲフン。


半自動ドアのボタンです。左から内側の点灯中、内側の消灯中、外側になります。
205系3000番台では内側も黄色い枠をつけていてボタンの位置がわかりやすかったのですが、今回は内側の黄色い枠は省かれています。しかも銀色のユニットになったため、将来ボタン周りの案内が剥がれてきた時にあまり目立たなくなってしまうのかなぁ…というのが心配で心配で…。特に内側はボタンを軽く押しただけですぐにドアが開閉してくれるのは良いですね。


窓周りです。ドア〜ドア間は1段下降窓と固定窓のペアですが、先頭車は2段窓や固定窓がドア〜ドア間にも展開されています。車端部は固定窓です。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大を機に側窓を少し開けるような案内が貼られるようになりました。目立たないような佇まいだった黒い桟に貼られた白いシールがこの画像からも目立ってしまっていますが、こんな案内が思い出になる日が早く来ますように…。

 
座席です。ドア〜ドア間の7人掛けからです。左の画像は通常仕様のモケット、右の画像は先頭車のみで見られる優先席2席、通常仕様5席のパターンです。
基本は片持ち式のロングシートで、2人・3人・2人に分割できるようなスタンションポールが備わっています。モケットは登場時からこの柄ですが、南古谷から八王子までの間で模様がダブる車種がいないので、うっかり乗っても「八高線・川越線の車両だ…」と気が付く事かと思います(^^;;

座り心地ですが、0番台譲り受けの硬さです。座るとまさに型に「はまる」ようなイメージです。ただ、この形状をキープしつつも徐々に座り心地を見直しをしていった涙ぐましい努力は川越や八王子でE233系に乗り換えたら感じるはず。
そう、この形状だからといって何から何まで全部同じ!ではないのです。そして、この微妙な差を辿るのがまた愉しいもので…。

 
3人掛けのロングシートは車端部に。こちらも通常モケットと優先席モケットの2種類がありますが、優先席の方はかつて通常仕様のモケットだったことが伺えます。209系0番台で唖然となった消火器入れですが、3500番台では消火器の出っ張りが最小限に抑えられています。これなら足元にもあまり影響が出ません…やれやれ。

 
乗務員室直後の6人掛け座席です。2種類掲載しました。片持ち式ですが、ちょっと座席の下が賑やかな区画もあるようです。
さて、この3500番台に乗って一番驚いたのがくたびれた座席です。3人掛けの画像もそうですが、微妙にバケットの形状が異なったり、モケットが少し垂れているところがあったり、ブカブカ…と思しきところがあったり…。この形状の座席はかなり座っていますが、正直、トップクラスの疲れ方です。

500番台が登場した時の鉄道趣味誌を見ると、座席の特徴として「リサイクルを考慮したポリエステル樹脂形成品」をクッションに採用し、表皮の張り替えができるという点を挙げていました。

これがどうなって今のような状況につながったかは気になりますが…とにもかくにも、一日も早い快癒を願うばかりです。


袖仕切りです。いつもの大型袖仕切りは八高・川越線ではお馴染みのアイテムです。特にボタン操作が入る分ドア周りと明確に隔たれる環境は、座る方の安心材料の一つになりそうです。


監視カメラが幅を利かせる世になりました。こんなにカメラが幅を利かせる時代が来るとは思っていませんでしたが、この角度でカメラを撮ろうとすると、黒い部分に私の顔がはっきり反射します。
その瞬間ピカッと赤く光ってさぁ大変…と要らぬ妄想をしてしまいますが、八高・川越線は今日も速度違反など心配するに及ばず、まったり野越え川越えガタンゴトン…。
 
ひとつ前に戻る
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送