JR東日本  E127系
 
  165系の置き換えとして登場したE127系。165系が3両だったのにE127系はなぜ2両で登場したかが未だによくわかりませんが(^^; 新潟地区の通勤輸送の主として長年活躍してきました。
現在に至るまでに事故廃車やえちごトキメキ鉄道への譲渡もあり、気が付けばたった2編成の小所帯、そして2022年3月のダイヤ改正で一線を退くはず、でしたが…
今回はそんな最後の2編成、東急車輛製造のV12、V13編成の2022年時の様子をお伝えします。
E127系というと「ムーンライトえちご」から接続する快速村上行きや新発田行きで堂々3編成繋いでいた印象がモケットの黄緑色の鮮やかさと同じくらいくっきり覚えていますが、上越線越後中里駅で出会ったE127系も堂々の4両編成。慣れない上越線のピンチヒッターは復活の狼煙となるのでしょうか。
(取材・撮影 JR上越線・越後中里 他)

 

 

 


車内全景です。3ドアロングシートの車内は登場時から大きく姿を変えることはありませんでした。この位置から見ればお馴染みの車内…しかしながら、2022年3月のダイヤ改正でこのお馴染みの車内が見られなくなることを知った時の寂しさ、そしてアクシデントがきっかけとはいえまた出会えた軌跡…GReeeenに楽曲を書いてもらいたいくらいです(^^;;
同時期に登場した209系と比べてモケットや化粧板が明るかったり、701系と比べてドア付近のステップがなかったり、側窓の桟がなかったりと…その当時のJR東日本の通勤・近郊形電車の「イイトコドリ」のような車内です。

 
お馴染みの車内の中で大きく手が加えられた区画が乗務員室付近です。左の画像は連結時の様子、右の画像は先頭に立った時の仕切りです。運賃箱が登場時のものから交換されている他、弥彦線の運用が始まってから運賃箱の格納方法に変更がありました。簡単に言うと円を描くように格納されていたものが左右にスライドするようになりました(^^;
常設で折り畳みいすが置かれていることを考えると、運賃箱が乗務員室の仕切りを兼ねるような位置にあるのが邪魔だったのでしょうか。或いはり返し時の運賃箱の設置をより迅速にできるようにしたのでしょうか。思えば115系弥彦線向けワンマン車もこの点だけは同じような軌跡を辿っています。

 
優先席は編成中央にまとまっている格好で、長岡方先頭車は車端部に3人掛け、水上方先頭車は車端部に洋式トイレと車椅子スペースを設けていることから、ドアを挟んだ12人掛け座席の一部に優先席を設けています。
701系ですっかりお馴染みの両開き扉をE127系でも採用しています。飾り気の無いシンプルなドアの周りの淡いピンクの化粧板がなかなか良い雰囲気。妻面の壁に広告枠を設けたくなるのは広告が氾濫している通勤電車に染まり切っている証拠、E127系の妻面に貼られたのは「はしごを用いた避難方法」です。

 
トイレ、ゴミ箱、そして車椅子スペースです。トイレは様式で、限りあるスペースを上手く活用しています。今見ると仕切り扉にちょっとしたレトロな雰囲気を感じます。
車椅子スペースは暖房機に非常通報機、そして窓の下に手すりが備わっています。大きく出っ張った暖房機に冬の厳しさを覚える一方で、窓の上に手すりが無く、固定窓の桟を上から下まで拝むことができます。角の緩やかなカーブも、このくらいの小ささであれば可愛いものです。


天井です。通勤需要を見込んで製造されたと思うのですが、ラインフローファンや扇風機などの冷気をかき混ぜるような装置はなく、吹出し口、剥き出しの蛍光灯、横に桟が入ったFRP素材の天井を見る度に「ラッシュ時はちゃんと冷気が行き渡っているのだろうか…」と少々心配になってしまいます。登板が少々急だったからか、天井周りにはところどころ疲労が感じられました…。


補修の跡がところどころ見られる床はベージュ一色でまとめています。
全部が全部…ではありませんが、いわゆる「巾木」に相当する部分に丸みをつけて清掃しやすくなっているのは小さい部分の大きな特徴だと思います。ざっくり見ただけではなかなか気が付かないもので、取材班も気が付くまでにどれだけ時間がかかったことか…(^^;;


消灯された乗務員室のすぐ後ろのドアでドア周りを見ていきます。鴨居部の違いが209系の製造メーカーを見分けるポイントとして趣味誌に掲載されていましたが、E127系にもその違いがみられます。ぜひ、えちごトキメキ鉄道ご乗車の際にはJRの車両と見比べてみてください(^^;;
無塗装のドアは半自動機能がつき、大きなドア窓が印象的です。かつてはドアステッカーが貼られていましたが…2022年に乗った時はボロボロか、無いか…の二択でした(^^;;
E129系に乗り慣れると次駅案内をしばしば鴨居部に求めてしまいそうになりますが、E127系にはLED表示機はありません。

 
半自動ドアのボタンです。車内側2種類と熊のキャラクターが荒々しい車外のボタンです。東急車輛の製造なので車外側のボタンユニットは全て縦です。
ロングセラーのこの手のボタンも交換されることはありませんでした。が、撮った後で気が付く「ドア」のフォントの違い…(^^;;;


側窓です。1段下降窓は着色ガラスで、4枚中間2枚の窓を開けることができます。
コロナ禍で窓を開ける幅の案内表記もすっかりお馴染みになってしまいましたが、ちょうどど真ん中に1か所貼るだけで用が足りるのはこの構成の窓ならではです。
見た目のスッキリ具合が701系とは違う雰囲気でお気に入りですが…今更カーテンが無いことは黙っておこうと思います(^^;

 
座席です。ドア〜ドア間の12人掛けと、弥彦線ワンマン化改造とともに設置された機器スペースに3人分充てられた9人掛けの座席です。岡山地区の115系でも似たようなケースの座席を見かけますが、どちらも袖仕切りが残っている点がちょっと哀愁を誘います…。
バケットシートで蹴込み板を備えた仕様は701系と同じですが、モケットはこの形式と115系くらいでしか見ることがなかった素敵な黄緑色。特にロングシートと窓の外の田んぼの黄緑の相性は抜群で、つくづく良い色だなぁ…といつまでも眺めていたいモケットです。

 
優先席を含む12人掛けと長岡方先頭車に備わった3人掛けのロングシートです。このサイズの画像ではなかなかわかりにくいところですが、妻面と座席の間にちょっとモケットの模様がズレた部分がほんの僅かにみられます。どうしてこうなったのかが気になるところですが、他系列でもみられる現象です(^^;;
バケットシートの座り心地は底つき感が座った瞬間にやってくる硬めのものですが、詰め物は割としっかり入っているようで、座面のヘタレは感じられませんでしたし、背もたれのフィット感もまずまず。短距離向けのセッティングと思わせておいて、少し長めの乗車でも左右キツキツでなければ結構いけるのでは、と思います。

 
袖仕切りと機器スペースつきの座席を先ほどとは逆方向から眺めてみます。
大型袖仕切りは115系とE127系の選択肢だった時代には結構重宝したのでは、と思います。一方、機器スペースとの境の割り切りたるや…袖仕切りとは材質が違う分、機器スペースとの境は冷たく感じる仕様になっています。
…この高さであれば肘掛け的な要素も期待してしまうのも無理はないわけで、ノンステップバスの前輪タイヤボックスの如く空間に工夫を…とまでは流石に言いませんが、欲を言えば…「もう一工夫」を見てみたかったものです。
ということで、もうちょっとだけ新潟地区で走ってくれませんか…(^^;;
 
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