JR東日本  115系500番台[新潟地区・S15編成]
 
  2両編成の115系というとJR西日本も東日本も個性が爆発しているイメージですが、殊更国鉄時代に2両編成に改造されていると聞くと、どんな魔改造を施したかが気になって仕方が無いですが…案外自然な出で立ちに落ち着きました。115系500番台からS15編成の車内をご案内します。
1985年の越後線、弥彦線の電化に合わせて岡山地区の115系に運転台を取り付け新潟へ転属、その後1992年に更新、1993年に冷房化を施します。S編成は新潟の2両編成で弥彦線ワンマン仕様、トイレ付き、そしてトイレ無しの3種類が存在していましたが、この編成はトイレ無し、つまり増結運用に徹していた格好です。
取材したのが2013年の暑い日。その翌年に廃車になってしまいました。

(取材・撮影 JR越後線・新潟〜内野)

 

 

 


車内全景です。更新工事を終えてアイボリーをベースにした車内に整えられていますが、この更新工事にありがちなクロスシートフレームの茶色が灰色のままのため、あまり自己主張の激しくない車内…とも言えます(^^;; エメラルドグリーンのモケットは新潟地区の115系ではお馴染みのものでした。3ドアセミクロスシートの車内です。
どこで懐かしさを感じるかは人それぞれですが、私はこの編成で言うとすれば天井のAU712形クーラーの吹き出し口やダクトを挙げます。だって…暑かったんだもん(^^;;; そんな懐かしい車内でも最後まで手入れは怠らず、優先席の吊革も黄色のものに交換されていました。

 
乗務員室との仕切りです。元々どちらも中間車だったこともあり、1000番台と同じ構成で乗務員室との仕切りを設けています。向かって左側が2人掛け、反対側が3人掛けのロングシートで、窓配置も左右のロングシートの長さで微妙に異なります。どちらの車両も床の点検蓋とのコラボレーションが新鮮です。乗務員室が半室構造にならないあたりにユニットでくっつけたという1980年代の試してガッテン!の成果を感じる一方で、趣味的にちょっと興味関心が薄いのでは…と一人勝手に思った部分でもあります。

左の画像がクモハ114-507、右の画像がクモハ115-507で、越後線では新潟方の車両になります。

 
同じような画像の並べ方で車端部をご覧いただいます。ドアの先は3人掛けロングシート、そしてクロスシートへと続きます。1000番台では5人掛けロングシートをあっさり置いたこの区画、運転台を設置しても、冷房を設置しても全く変わりません。
消火器がドドンとはみ出していますが、このはみ出し具合が正しい姿です。その奥の貫通扉は他の更新車と同じ無塗装のドアになります。
面白いのが左の画像の右側、クロスシートの上の広告枠です。なんということでしょう、薄緑の化粧板らしい色がチラリと見えるではありませんか。更新前の姿を今に伝えていた貴重なパーツか、新潟の115系お得意の♪プリーズプリーズ交換しましょ♪的なアレかは定かではありません。


2本のダクトが印象的なAU712形クーラー。首都圏でも103系などに取り付けられていましたが、新潟の地が最後になってしまいました。お世辞にも冷房があまり効いた印象が残っておらず、この取材の時も真夏、汗をだらだらかきながら行った記憶が蘇ってきます。中央には扇風機、そして2本のダクトの外側にはまばらな間隔で蛍光灯が備わっています。この凸凹の天井がたまらないっ!

 
扇風機は近くのスイッチを押すと動くタイプのものでした。ダクトとダクトの間という微妙なポジションでしたが、あるのと無いのとでは大違いでした。


濃い木目柄の床です。ところどころ補修してある様子がこの画像からも伺えますが、雪国故になかなかハードな環境だったことでしょう。座席下の「ハンドル」ドア窓下の「あつい」などなど、気になる表記も確認できます。


ドア周りです。昔ながらの取っ手でガラガラ開けるタイプのドアで、ドアそのものはステンレスのものになっています。冷房時も半自動機能をフル活用、あの閉まりそうでピタッと閉まらない感覚が猛暑の中でも体験できました。
ドア周りの鴨居部はちょっと前であれば「おお、大きいなぁ…」と思うところでしたが、近年液晶ディスプレイの普及で再び大きい鴨居部分を見ることが多くなりました。薄緑の化粧板とは違う世界が広がっているのが更新の成果ですが、窓周りのパーツを細かく眺めると115系らしさが残っていて、特に幅が狭い戸袋窓とその隣の縦長2段窓が私のお気に入りです(^^;;

 
取っ手です。左の画像は車内から、右の画像は車外のものです。300番台で見られるような物で、500番台だからといって特別な物が割り当てられた形跡はありません。


窓周りです。私が高崎線に乗った時にJRのマークが入ったカーテンに心がときめいたモノですが、新潟地区ではそこそこ見かけるアイテムだったと思います。チラリと見える吊革や荷棚は更新工事の時に取り換えたのか、乗車時点でもあまり古さを感じませんでした。そこに冷房や座席とのギャップを見たものです。


座席です。乗務員室直後の2人掛けです。見るからにペッタンコな初期車の背もたれの下にスペーサーを入れて座面を前に押し出した格好のロングシートで、300番台や1000番台のシルエットとは異なるものです。さらにこの2人掛けは窓と背もたれの間にもスペーサーが入り、座席下ヒーターのカバーがここだけ垂直で… 一言でいうと「沼へようこそ」を形にした座席です(殴)。

 
わかりにくいですが、2人掛けの座席と3人掛けの座席で、ヒーターカバーに角度がついているかどうかが判別できるかと思います。乗車時点でクモハ115-507の3人掛けの座面がバケット形状になっていますが、新潟の115系では割と日常茶飯事で(^^;; 仕切り扉だけ化粧板の色が違ったり、座面のモケットの色そのものが違うケースも遭遇しました。これを見てそこそこのイレギュラー案件も声を出さない能力を身につけました(^^;;; 恐らく新潟地区のN編成バケットシート車から持ってきたものだと思います。

 
ドア〜ドア間のセミクロスシート、そして車端部のセミクロスシートの配置です。2両とも車端部の3人掛けロングシートが優先席に指定されています。2両のうちクモハ114-507には灰皿が設置されていた跡が残っていました。

 
ロングシートです。ドア〜ドア間は全て2人掛け、車端部は3人掛けです。相変わらず気になって仕方が無い背もたれと座面の間の微妙な隙間がポイントです。結構奥まで深く腰掛けると背筋がシャキーンとしたものです。その背もたれのシビアな空気とは裏腹な座面の柔らかすぎる座り心地はその隙間以上の不協和音を奏でていました。
袖仕切りはバータイプのもので、更新車のような仕切り板は最後までつきませんでしたが、この狭さは今見てもなんだかなぁ…と思ってしまいます。

 
固定クロスシートです。車端部はちょっとわかりにくいですが妻面の座席幅が少し狭くなっています。
この更新工事を行った車両ではあまり見なかった灰色のフレームで、ひじ掛けはこげ茶のものに改まっています。
新潟地区の115系では割と背もたれと座面の間にモケットを貼るケースが多かったので、さりげない一体感がでていますが背もたれと座面の間は座るとほぼ隙間になります…。
シートピッチが狭かったり、座面の奥行きが物足りなかったりします。でも、この座席はこの状態が一番座り心地が良いセッティングだと思います。いやぁなかなか素敵に刺激的な乗り心地でした。

ロングシート同様、シートヒーターのカバーは網目が細かいものをセッティングしています。
 
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