JR東日本  115系[新潟地区S1編成]
 
  2009年9月、長岡から直江津まで乗ったのがこの編成でした。2両編成、トイレ付きの115系の存在自体はあってもおかしくないと思ったものの、その2両単独で白昼の信越本線を堂々走る姿はちょっと新鮮でした(^^;;
500番台はモハ115・114に運転台を付けた格好ですが、このS1編成に限りクモハ115はそのままに、パンタグラフが付いたモハ114は新たに運転台をつけて編成にしました。その後1993年にトイレが設置され、キムワイプ塗装になり…2016年に廃車になってしまいました。種車はどちらも1000番台で、モハ114に至っては新造後僅か8年での改造…改造後の姿の方が長かったのが驚きです(^^;;
信越線の他、上越線や越後線でも2両編成の運用があったようで、いわゆる上越国境をこの編成で越えた方も多い…かもしれません。
(取材・撮影 JR信越本線・長岡〜直江津)

 

 

 


車内全景です。1000番台では他の車両でも多く見られましたが、この車両も薄緑色の化粧板・製造当初の座席配置、床の灰色を最後まで維持しました。この手の画像は国鉄らしさを色濃く残す「ノスタルジーな車内」と評されることが多かったと思いますが、1978年、昭和53年生まれの車内は乗った時にはキレイに整備されていて、さほどくたびれた雰囲気は感じませんでした。
3ドアセミクロスシートで、弥彦線のようなワンマン機器は最後まで設置されませんでした。


クモハ115-1060の乗務員室との仕切りです。クモハ114-1085の仕切りの画像が見つからなかったのですが、おおよそこのような仕切りに仕上がっていた記憶があります。
左に小窓、貫通扉の右隣は雪切室が備わっており、出っ張った部分に空気の吸い込み口が備わっています。そのこともあり、仕切り壁には窓はありません。その手前のロングシートは左右両側とも2人掛けになっています。閉鎖的な仕切りだなぁと端的に思ってしまいますが、115系は元々小窓の仕切り窓故、期待するのは若干無理があります。

2両編成だから…ということではないと思いますが、ドア付近に吊革が増設されています。

 
車端部です。左の画像はクモハ115-1060の車端部、右の画像はトイレがついたクモハ114-1085の車端部です。1000番台のモハ・クモハは車端部が5人掛けロングシートになっているのが標準仕様なので、左のクモハ115の車端部は「あ、115系1000番台の車端部そのものだなぁ。」と納得するわけです。で、右の画像のクモハ114の車端部は…トイレを付けたのは良いのですが、向かい側の座席はロングシートのままです。JR西日本の105系や103系で見られる「トイレの出入りに視線が向いてしまうロングシート」が、JR東日本にも僅かながらあった!という事実を、ここに残したいと思います。
…と、月面着陸並の誇張で書いてもスケールたるや…(^^;;;


トイレとの仕切りです。従来115系のトイレの隣は3人掛けのロングシートでしたが、この形式は水タンクを室内に設けたことなどから、1人分少ない2人掛けのロングシートを備えています。元々の座席配置も含め、何ら違和感がありません。
この仕切りの薄緑色の化粧板の下の方、灰皿が設置された跡が残っています。トイレ改造を行った時の時代の感覚を今に伝える貴重な「跡」です。
細かいことですが、2009年の新潟地区の115系ではパソコンで作成したであろう「明朝体の号車表記」が妻面に掲出されていました。この車両はトイレがあるクモハ114が「1」の表記でした。


天井です。1000番台ということもあり扇風機はなく、吹き出し口と斜めに設置された蛍光灯がドドンとセンターに居座る格好です。ただ、扇風機のスイッチがあったと思われる跡が乗務員室との仕切りに設置されていました。この冷房であれば国鉄時代に施工しているはずですが、新造時からのものだったかどうかが気になります。


床は灰色一色で昔ながらのものです。点検蓋がどちらの車両にもあったのが特徴です。


ドア周りです。115系ならではの大きい鴨居部が印象的で、ドア窓などのゴムは黒くなっています。増設された吊革が結構天井に近い位置に設置されているように見えますが、実際握ってみると「あれ、こんなに高い位置だっけ?!」と思うことはありません。
1000番台は他の車両も含めてドア周りに余裕がありません。

 
半自動ドアなので取っ手が備わっています。新潟地区ではよく見られた「ご注意」のプレートもスタンバイ。乗車したのは9月だったこともあり、折り返しの駅では全てのドアを開けていました。


窓周りです。直江津駅では美味しい駅弁が売られていますが、この編成では灰皿とともになぜかテーブルも撤去されていました…。テーブルが撤去された跡が灰皿の上に残されています…。
2段窓は上下とも開閉可能で、風光明媚な景色を見るのに最適だったのですが…テーブル…。

 
座席は乗務員室隣の2人掛けロングシートからです。もうドアと乗務員室との間のスペースを目一杯使用しているようなギッチギチの状態ですが、2人で座るにはちょっと狭かったです。それでも奥行きをしっかり確保し、背もたれも適度な角度に柔らかさ…1人で寛ぐ分には十分な座席でした。
モケットは新潟地区で採用されていたエメラルドグリーンの模様で、この化粧板でも不思議と違和感はありませんでした。

 
優先席は2タイプの座席です。トイレの隣の2人掛け、そして両方の車両共通の車端部5人掛けです。どちらもドア側の2人分を優先席に充てています。5人掛けは元々座席の区切りを戸袋窓部分の2人掛けと車端部の3人掛けで設けていたので、都合よく優先席に指定できた格好です。直江津駅で接続する長野の115系1000番台は奥の3人掛けを優先席に指定した編成もあったので、支社都合である程度融通を利かせていた事が伺えます(^^;;


ドア〜ドア間はセミクロスシートです。ドア側は2人掛けのロングシート、そして左右4人1組で2組ずつクロスシートが備わっています。こちらもクロスシートの背面に灰皿の跡が残っています。

 
クロスシートです。縦撮りですみません。
シートピッチも広がり、この形状の座席としては完成系だった1000番台のクロスシートです。新造時から大きい立客用取っ手を備えています。ひじ掛けは薄い灰色で、新潟地区では多数派になる座面と背もたれの間のモケット張りも含めてエメラルドグリーンの模様のモケットにリフレッシュしています。
ディーゼルカーとは異なり足元広め、座席下はしっかりヒーターカバーで覆われていますが、窓側の冬はちょっと寒かった記憶があります。シートピッチも急行型にしたのであれば、窓側にひじ掛けを…なんて欲張りな事を考えたものです。
長岡〜直江津の乗車時間でも腰のサポートと座面の柔らかさが素敵なハーモニーを奏でる、豊かな時間を過ごせました。
 
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