JR東日本  103系3500番台
 
  八高線電化に伴い、103系3000番台と209系3000番台が合計9本用意されましたが…なぜかもう1編成、56の編成札を掲げた103系が走り始めました。103系3500番台です。
先頭車は京葉線から、中間車は京浜東北線からやってきました。拝島で接続する青梅線も時々「水色の103系」との縁を感じますが、まさか八高線で走り始めるまでに半自動ドアボタンがついているとは思いもしませんでした(^^;; 209系をもう1本増備すれば良かったのに…(^^;;
103系の半自動ドアボタンは仙石線でお馴染みですが、首都圏ではこの3500番台が唯一無二の存在。活躍したのは10年ほどでしたが、最後まで美しい鶯色を身にまとっていました。
なお、JR西日本の103系3500番台とは全くの別物になります。
(取材・撮影 JR川越線・川越〜高麗川)

 

 

 


車内全景です。2005年2月、廃車の2か月前に取材した模様です。
車内は先頭車、中間車ともに薄緑色の化粧板、灰色一色の床、集中冷房がついた夏場には嬉しい車両でした。ただ、見た目は半自動ドア以外はごくごく普通の103系…(^^; 目新しさは思った以上にありませんでした。当初からリリーフの予定だったのでしょうか。
4ドアロングシート車の車内です。


ATC車からの改造だったため、乗務員室との仕切りはこのとおり壁… 103系3000番台は小さいながらも運転席後ろに窓がついていたため、3500番台ほどもどかしい思いはしなかった…と思います(^^;;
他の路線の103系もそうだったのですが、この部分に限っては吊革の増設はありませんでした。恐らく仕切りの機器扉との干渉が原因だと思われます。八王子や拝島の跨線橋を思い出すにつれ、この部分に乗客が集中するのが想像できるわけですが…よく乗り切ったと思います。


見難い画像ですみません。中間車の川越方は通常仕様のモケットで左右3席ずつ座席を設けた車端部になっています。
3000番台もそうだったのですが、妻窓が埋められて広告枠になっています。枠自体は窓だった時の物を踏襲しているため、戸袋窓だった部分の方が縁が太めです(^^;;
貫通扉は各車両前後にちゃんとついていました。手抜き撮影がバレておりますが、若気の至りでご勘弁を…(^^;

 
優先席の区画は先頭車と中間車でモケットの配置が若干異なっていました。中間車は通常モケットと優先席モケットのタッグを組んでいますが、両方の窓にしっかり優先席のマークが掲出されています。まだ黄色い吊革が登場する前の話…黄色いハンカチで涙を拭いたくなるくらい懐かしいハナシです。今見返すと貫通扉のゴムの色が先頭車、中間車で異なったり、中間車は戸袋窓の下に銀色の蓋があったりするなど、両者を見比べるだけでも細かい違いがありますが、撮っている時は全く同一の車内にしか見えず、むしろ「冷房のダクトが無いから丸みを帯びた天井が素敵だなぁ…」などと思いを馳せているものでした。

 
天井です。3000番台がインバータークーラーで効きについては今一歩だった記憶がありますが、3500番台は集中型クーラーで、吹出し口と扇風機で冷風が行き届いていました。
その扇風機、よくよく見ると羽根の形状が独特です。中心部分に銀の砲弾のような留め具が無いですし、羽根も車内側から押さえている様子が見える意匠になっています。いわゆる浦和電車区の103系でついていた「マイルドファン」とも形状が異なるようですし、かといって羽根の角度は結構寝ています…。私の手元には他に松戸電車区の103系でも同じ扇風機を写した記録が残っていますが、今となっては真相が…。


床は製造当初から灰色一色でした。しかしまぁ…満身創痍といった具合で、補修の跡が至る所にありました。


中間車のドア周りです。各車両ともドア上に吊革が増設されています。先ほどの車端部と同じですが、ドアの真ん中、縦のゴムが先頭車が灰色、中間車は黒ですが、それ以外はおおよそ同じ意匠です。
半自動ドアのボタンはドアと戸袋窓の間、割と高い位置に設置されています。このボタンの設置に伴い手すりを下にそのままずらしているのが違和感というか、ご愛敬というか…(^^;;
違和感が逆に無い部分が鴨居部の処理。3000番台では115系と同じドアエンジンを積んでいることから鴨居部の出っ張りが大きく、特徴的だったのですが、こちらは通常の103系と同じ仕様に落ち着いています。


半自動ドアのボタンです。左から車内のボタンを2つ、車外の独特なドアボタン、晩年は案内表記が薄くなってしまっていました。
車内側は手すりを移した跡がくっきり残っていますね…(^^;;
車内側のボタンは同じタイミングで投入された209系3000番台と同じでした。いやはや、このボタンがどれだけ助かったか…103系3000番台の半自動ドアの「閉めるとちょっと隙間ができてしまうもどかしさ」、この3500番台では全くありませんでした。


普段よりも近づいていますが(^^;; 窓周りです。
下段、上段とも開きます。戸袋窓にもロールカーテンが備わっています。そして、半自動ドアの出っ張り。
取材した時から17年、窓越しに映る205系3000番台も引退してしまいました…。

 
座席です。ドア〜ドア間は7人掛け、車端部は3人掛けです。青のツートン、着席区分入りのモケットが懐かしいです。
103系でも最後の方に製造された車両ということもあり、蹴込み板は斜めでステンレス、奥行きも少し深めのタイプですが、それでも幅はなかなかタイトで、袖仕切りのパイプ形状に何度救われた事か…(^^;; 一方、209系3000番台と同居していた八高線ではそちらの袖仕切りの方が風の通り抜けが防げて居心地良かった記憶もあります。
昔ながらのバネの入った座面は最後まであまりくたびれた様子はありませんでした。そそ、3000番台のように跳ねるような乗り心地もありませんでした。たまたま…かもしれませんが…。


そして、優先席です。E217系から始まったこの柄、103系の中でもしっかり目立っていました。通常仕様のモケットとは異なり着席区分が無い座席ですが、しっかり定員どおり座っていた様子が伺えます。
長いこと209系3000番台と同居していた八高線、やはり車端部の居心地は103系の方が良かった記憶があります。また、この3人掛けとドアの間のスペースが広く確保されていたのも良い思い出です。


 
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