JR東海  キハ11形300番台
 
  1999年、これまでのキハ11形よりも一回り大型なディーゼルカーが登場しました。オレンジの帯もキリッと決まったキハ11形300番台になります。
登場時より主に紀勢本線を走っており、長距離を走破するワンマン列車の「トイレ付車両」として重宝されています。熊野市の花火大会の時はこの系列も5両、6両など長い編成を組むことがありますが、その時も「あ、トイレはあそこだ!」とわかる編成内容になってしまいます(^^;; 長距離運用を優先する関係で名松線ではあまり見かけないうえ、わずか6両の小所帯のまま推移しています。
JR東海のディーゼルカーはこの系列以降大型3ドアのディーゼルカーを投じており、果たして今後この系列は増備されるのでしょうか。
(取材・撮影 JR紀勢本線・熊野市〜新宮)

 

 

 


車内全景からご覧いただきます。キハ11形初期車よりも空間の広がりを感じるのではないでしょうか。フレッシュグレーの内装こそキハ75形っぽくなったものの、キハ11形っぽさもピンク色のモケットや座席配置などで感じることができます。フレッシュグレーで化粧板の色こそキハ11形初期車よりも暗めなのに、かえって明るい車内に仕上がっている点も空間と照明が初期車よりも勝る証明ではないでしょうか。
2ドアセミクロスシート、もちろんトイレも右奥に見えます。


乗務員室との仕切りです。ワンマン運転時は整理券発行機の右隣に運賃箱が出ます。
こちらはワンマン単行車両ではすっかりおなじみになった半室構造の運転台になります。故に動線との干渉が気になりますが右側は立っていると前面展望が間近に楽しめるポイントになります。ただ、排気用の煙突があるので初期車よりは見難くなってしまっています。
乗務員室背後の窓は固定窓になっています。乗客が何か用事があるときは横から話しかけるスタイルになります。
見た目的にも開閉できる窓よりも落ち着いて乗務ができそうです。


車いすスペースとトイレは亀山方に集中して配置されています。
トイレは乗務員室の反対側に設置されており、乗務員室から車内が見渡せるよう工夫されています。乗務員室の仕切りやワンマン設備関係などの位置はどちらの仕切りも同じで、画像のように連結時は貫通扉を開けて行き来できるようにしています。


戸袋部分に車いすスペースを設けました。固定道具と握り棒を配し、頭上にもつり革を設けています。
この手の車いすスペースは画像手前に写っているステップをいかに克服するかが課題になってきますが、近くに折り畳みスロープなどは置いていません。
また、トイレが張り出している関係で少し狭苦しいスペースになってしまっているようにも見えます。せめて窓があれば気分も違うと思うのですが、目の前には運賃表…(^^;;;


車いす対応型のトイレです。出入口は車いすスペース側になります。
313系のような大げさなカーブを描いたトイレではなく、あくまでも通路などのスペースを重視したトイレになります。


天井です。フラットかつシンプルな天井に仕上がりました。カバーつきの蛍光灯にJR東海クオリティを感じます。
初期車は中央に蛍光灯が1列で並び、大きく弧を描くタイプの天井ですが、蛍光灯の配列が2列になっただけでかなり明るさが増しています。フラットな天井も含めて技術の進歩がうかがえますが、車体が大型になったぶん1列の蛍光灯ではまかないきれなくなったのでしょう。乗務員室に灯りが漏れないようにバスのような仕切りをぶら下げている蛍光灯もあります。


天井も灰色をメインに柄物のシートを用いています。

 
ドア周りです。乗務員室の背後のドアとその反対側のドア、2枚載せてみました。位置が左右でちょっとずれているだけで、それ以外の装備品などに違いはありません。
半自動ドアで、ドアそのものは化粧板が貼られています。鴨居部分も含めてフレッシュグレーに塗られていますが、鴨居部分は以前よりも出っ張りが少なくなっています。


半自動ドアなのでボタンがついています。内側のボタンの配色はキハ75形と同じですが、カバー形状は全国どこでも見かける汎用品そのものです。JR東海のスマートな表記ではなく、後付で貼られたシールでしっかり案内しています。


側窓です。固定窓になっており、窓枠はフラットなのでちょっとした飲み物を置くぐらいならできそうです。

 
座席です。まずはロングシートからご覧いただきます。ドアの位置がずれている関係で5人掛け、6人掛けなど長さに合わせた座席を用意しています。
211系などで使用しているロングシートにディーゼルカー用の座席下ヒーターを設置したスタイルで、こちらは初期車との違いがあまり見られません。ちょっとバケット形状が強くなったかな?と思う程度で、これも経年の差でしょう。


300番台で新たに登場したのがトイレとクロスシートの間に設けられた5人掛けのロングシートです。壁に囲まれたロングシートはキハ48形や他社のキハ150形などを見ると2人掛けや3人掛けなどショートショートな空間になっていることが多いのですが、この車両はクロスシートが少ない分ロングシートも躊躇しない長さに設定しています。
特にヒーターの設置状況や二方が壁に囲まれていることを見ると、冬場はトイレそばのロングシートが「あたり」になってくるのではないでしょうか。


一方、クロスシートは小さなリニューアル。ヘッドレストをレザー張りからカバーに変えて趣を一新しています。左右4組ずつという構成や背面のデザインや素材などはそのまま。初期車からは製造年がそれなりに経過していたものの大きくいじっていないのはメンテナンスの関係でしょうか?新型車両なのに抜群の安定感を当初から見せていたのはこのあたりが原因のような気がします。

 
それぞれ端の席と4人1組の席をピックアップしてみました。クロスシートもバケット形状で、313系ほど座面が低くなく、ほどよいバケット形状が効いているので切り立ったビジュアルとは裏腹に座りやすい座席ではないでしょうか。
ただ、窓側の座席にはわずかに残った足元の配管が気になってしまいます。肘掛を窓側にも設ければ全く気にならない幅になるだけに、何らかの形で手直しが入ればさらに居心地良かったのですが…

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