JR東海  313系2500番台
 
  2006年、静岡地区に登場した313系は様々な憶測が飛び交う中「ロングシート車」として登場しました。313系自身のバリエーションも増えただけでなく、置き換え対象であった113系や115系とはアコモデーションがガラッと変わってしまうこともあり、静岡のローカルニュースでも特集されるほど関心が高かったようです。
静岡地区の東海道線を中心にフレキシブルな運用をこなしており、データイムでは3両編成の列車で軽快な走りっぷりを披露している一方、ラッシュ時など多くの時間帯で211系との併結も見られており、名古屋地区の中央線エリア同様鉄道ファン的に見ていてドキドキワナワナするような楽しみもあります。もっとも静岡地区では長距離運用も多いため「トイレの確保」という理由もあるようです。
(取材・撮影 JR東海道線・熱海〜浜松)

 

 

 


車内全景からご覧頂きます。奥にチラリと写っているのが211系ですが、211系とは全く異なるカラーコンセプトなので、外観同様好みがはっきりと分かれそうです。
3ドアロングシートで寒色系でスッキリとまとめています。313系のセミクロスシート車で見られた緑色のモケットよりも洗練された印象がありますが、果たして名古屋地区を同じ色合いの転換クロスシート車で駆け抜けた長距離旅行客にはこの色やこの車内がどのように映るのでしょうか…。
211系に倣って3ドアオールロングシートの車内構成です。

 
車端部の様子です。左の画像が優先席、右の画像が中間車のみの構成になる通常仕様の車端部です。とはいっても違いは優先席のシールが窓に貼られているか否かのみに留まっています。2010年以降の313系増備車、あるいは以前から身延線などで走っているセミクロスシートの3000番台、相棒の211系は座席モケットも変更しているので正直違和感が拭えないのですが、今後の展開によってはモケットの変更も有り得るのではないでしょうか。
貫通扉のデザインなどはスッキリ手堅くまとめています。が、消化器スペースだけはなんとかならなかったのでしょうか。正直座ると右肩が気になってしまいます(^^;;


トイレと車椅子スペースがまとまった車端部は浜松方先頭車に設けられています。
2006年頃増備された313系共通の仕様なので、名古屋方面の新快速から乗り継いでもトイレの使い方や車椅子スペースの過ごし方などの使い勝手も把握しやすいのではないでしょうか。
 
車椅子スペースとトイレです。非常時の換気も兼ねた側窓が印象的な車椅子スペースはヒーターや握り棒を完備し、非常通報機も低い位置に設置しています。特に天井すぐ下の握り棒は張り出し幅がかなり大きく、握りやすくなっています。
トイレは緩やかなカーブを描いた仕切りで、ここは消化器もスマートに収納されています(^^;; 中は洋式トイレで、115系などの狭い和式トイレからは一気に進化した感じです(^^;;


乗務員室との仕切りは313系共通のレイアウトになっています。ワンマン化運転などは行っていませんが、仕切り扉が周りよりも奥まった位置にあるのは消化器の収納位置が影響してきています・・・(^^; なお、211系など他編成との行き来は可能です。
211系のような乗務員室背後のロングシートはなくなってしまいましたが、乗務員室の運転台は黒でまとめて機器類が実に格好良く見えます。


天井周りです。真ん中にラインデリアを設けていますが、スリットを広めに設けた関係で通常の仕様よりも広めの幅になっています。可動部分は同じなのでデザイン性を狙ったのでしょう。フレッシュグレーの吊革やカバーつきの蛍光灯は313系クオリティを維持する意味でも必要不可欠ですが、新型車両としてのイメージアップにも大きく貢献しているのではないでしょうか。

…でも、吊革の握る部分は未だに「円」なんですね(^^;;


床はグレーのツートンを主にした柄物でさりげなくフットラインを作っています。ちょうどフットラインの幅に合わせて照明が反射しています。なんとも素敵な演出です(^^;; ドア周りも滑り止めの関係で若干色を変えています。

 
ドア周りです。鴨居部、戸袋部も巻き込んで大きなデザインを形成しています。右の画像のLED表示器も少し遠慮気味な存在感です。鴨居部の広告枠がなくなったのは良いとして、表示画面自体はもう少し長めに取っても良いのではないでしょうか。明朝体のフォントはLEDが細かいおかげで見やすく仕上がっています。
ドアは窓枠が大きさギリギリまでとられており、なかなか好印象。半自動ドアのボタンがドアによって左側にくることもあるので、位置を揃えるともう少し使い勝手が増しそうな気がします。


こちらも遠慮がちな半自動ドアのスイッチ。左が車内側、右が車外側です。押しやすさは良いのですが、こういうボタン類こそもう少し目立っても良いと思います。東海道線の場合211系が半自動ドアではないのでなかなか使いづらく、アピールし難いのも一因かもしれませんが…。


窓周りです。戸袋窓を連想させる縦長の窓を両端に、広めの窓を中間に2枚ずつ設けています。ううむ、この窓のパターンだとセミクロスシートを連想するのですが…(^^;;
縦引きのカーテンを設けているのはカーテン廃止旋風が東海道線の「西」と「東」で吹き荒れている最中だけに、素直に褒めたいところです。偉い。


座席です。ドア〜ドア間10人掛けの座席は全国的にあまり見られない「座面真ん中に突き刺さるスタンディングポール」によって3人・4人・3人に区分されています。その点からも想像できるとおり硬め基調のバケットシートになっています。373系ほどではないにせよ若干滑りやすいモケットをバケット形状でホールド性をカバーしている印象です。加えて相変わらず座面位置が低いので熱海から浜松まで座り通した時は思った以上に足裏やふくらはぎが疲れました。短距離なら座りやすいのかもしれませんが、長距離は「修行」そのものです(^^;;;


車端部は4人掛けのロングシートです。優先席でも通常の座席と同じモケットを使用しているので、座席は2種類のみというシンプルな構成になっています。転換クロスシート車同様バリエーションを少なくして一括製造することによって少しでもコストを下げる作戦とみましたが、如何でしょうか。
妻面の座席はロングシートならどの車両でも歓迎されるポジションですが、この系列では消化器のおかげで「ハズレ」の様相を呈しています。一応肘掛けを設けているのは評価が高いのですが、高さが低いので肘掛けとして使うにはあまりにも中途半端すぎます。


最後にクローズアップ袖仕切り。内側にもモケットを貼っていますが、この形状は肘掛けとしての機能を果たせていません。また、仕切りとしても袖仕切り上に横棒がないため、混雑区間で立客が座席に仕切りを越えて侵入する可能性が十分に考えられます。まだ3000番台などセミクロスシート車の車端部で使われていた真っ平らな袖仕切りの方が使い勝手が良く、マイナーチェンジでデザイン性以外の全てを失ってしまうという結末に至ってしまいました。もう泣くに泣けません。

2010年以降の増備車は名古屋地区を中心に投入されているとのことですが、袖仕切りにも改良が加えられたとのこと。どのような形状に落ち着いたのか、楽しみではあります。

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