JR東海  313系0・300番台
 
  1999年、それまでの311系に代わって名古屋地区の新快速に登場したのが313系の0番台と300番台です。0番台は4両編成、300番台は2両編成で登場しているものの車内設備には差がなく、朝・夕方のラッシュ時にはそれぞれ1編成ずつ組んで6両編成として新快速に充当していたことから同じページで取り上げようと思います。
ただ、2006年秋に新快速の運用を0番台から新たに作られた5000番台にバトンタッチしたことから、現在0番台は快速系統や普通列車に充当する機会が多くなっています。300番台は引き続き朝・夕方のラッシュ時を中心に新快速を担当していますが、一方で「2両編成の普通列車」として白昼堂々名古屋に入ることもあり(^^;;「混んで座れないJR」の象徴を未だ引きずっている側面もあるようです・・・。
(取材・撮影 JR東海道本線・大垣)

 

 

 


まずは車内全景です。3ドア転換クロスシートで、0番台、300番台ともにロングシートを一切持たないスタイルとなっています。車端部およびドア部分付近の仕切りを兼ねた席は背もたれが固定されており、補助座席は用意されていません。
画像ではそんなに鮮やかには見えませんが(^^;;とにかく青が鮮やかな、軽い気分になりそうな車内です。同じ3ドア転換クロスシートの311系がグレーをベースにした落ち着いた車内だったので、それとは一線を画した雰囲気を作りたかったのでしょうか。


乗務員室との仕切りです。幅を大きく取った仕切り窓が目立ちます。やや引っ込んだ所にある乗務員室へのドアについている窓も含めて3枚の窓で一体感を生み出しており、「ワイドビュー」を意識しているかのようです。なるほどこれなら「あ、セントラルタワーが見えたよ!」と興奮気味に言いたそうな雰囲気でJR東海のCMに出ていたクマのヌイグルミの気持ちもそれとなくわかる気がします。
とはいえその直後にはズラっと並ぶ吊革の存在が。あるに越したことは無い設備なのですが、それとなく名古屋地区の慢性的な混雑を思い浮かべてしまいます。「あれ、また気がついたら席が無い・・・・・・かぁ。」なんて雰囲気が表に出ないクマのヌイグルミだから無難にCMが作れたのかもしれません。自分がクマ役をやってしまった日には代理店さんもさぞかしクマッたことでしょう(寒。


便所のある車端部の様子です。300番台で撮影したので2両編成の真ん中あたりに設けられている格好になります。
ドアから妻面までぎっしり便所で、かつての近郊型電車のようにドアと便所の間に座席はありません。まだトイレが大型化される前の設備なので逆サイドに車椅子にも対応した座席が備えてあるのも特徴になります。
 
それに対して便所の無い区画はこの通り車端部にもしっかりクロスシートが備わっています。中央線で使われている1000番台ではこの車端部はロングシートになっており、東海道線新快速への「オールクロスシート」のこだわりを感じます。左の画像が優先席の車端部、右の画像は通常の座席になります。

貫通扉の青もあまりうるさくなく、キレイにまとまった車端部を見事に作り上げています。


天井です。カバーつきの照明にラインデリアという組み合わせですが、単調にならないようにという配慮でしょうか、薄い青い線を入れてあります。

そして床もグレーのツートンというオーソドックスな色の選択ながら模様を織り交ぜ、車内の雰囲気づくりに大きく加わっています。ちっとも安っぽくないグレーの「魅せ方」、グレーの床を好む他社も見習えるのではないでしょうか。というかもう少し見習ってください(^^;;;


ドア周りです。シートピッチを見直したためにドア周りの空間が広くとれており、混雑に強い車両作りを行っていると受け止められてもおかしくないかな、という気がします。
鴨居部、戸袋部もがっちり囲ってある形状が特徴で、特に頭でっかちに見えてしまう鴨居部が気になります。とはいえドアそのものはギリギリのサイズで窓がはめられるなど、ここでもどこか遠くから「ワイドビュー」という言葉が思い浮かびそうな気がするくらい良い仕事をしていると思います。


各ドアの上にはLED表示機があり、次停車駅や種別、行先などを表示します。無造作に3つ並べてみました(^^;;;
1段の時は見やすいですが、締切中の表示の時など2段表示になると見にくくなってしまいます。2段表示はあまり出てこないのでこれで差し支えは全くありません。
なお0番台、300番台では半自動ドアの設備がついていないため、ドアを締め切ることができます。


何かが迫るような画像ですが(^^;;;一応側窓・・・の画像です。
ドア〜ドア間は5枚の連続窓になっています。車端部は上下に分割された窓で、換気機能を兼ねて窓が開くようになっています。
カーテンの兼ね合いか、構造上の問題かはわかりませんが、窓の桟の本数が多く、若干うっとうしいかなという気もします。とはいえ何本か無理に細くすると見た目のバランスや設計上の問題も生じそうな気がして、実に悩ましいところではあります。
帽子掛けがちょこんと網棚から出ているのが可愛らしいです。1つしかないので争奪戦も予想されます(^^;;


座席です。まずはドア〜ドア間から。両端は固定クロスシート、中間3脚は転換クロスシートになります。そのため、最低ドア〜ドア間で片側2人は進行方向逆に座り、かつどこか1グループは4人1組、2人ずつ向かい合わせる区画ができてしまいますが、ドア周りの立席スペースをより多く生み出すこともできます。

それにしても・・・バックシェルが非常に安っぽく見えるのが実に残念です。他の設備から大きく浮いてしまっています。洗練されたスタイルとはかけ離れたずしんとくるスタイルはモケットの美しさを相殺しているかのようです。


このようなクッションもあり、立客が寄りかかれるようになっていますが、思いっきり寄りかかりすぎると座っている方に不快感を与えたり、ミシミシ・・・と嫌な音がする事も時々あるようなので(^^;;;ほどほどにご利用下さい。
意外にプニプニしていてクッションとしては悪くはないんですけどね・・・。

 
座席を別の角度から。左の画像は若干ヘッドレスト部分の傾きが背もたれとは異なる転換クロスシート部分の座席。軽そうな感覚が見るからに伝わってきます。右の画像は車端部の固定クロスシートになります。どちらもバケット形状が特に背もたれを中心に強く、あまり体に馴染まない感じがします。座面は少し硬めです。
この転換クロスシートですごく大きいのが背もたれを転換する時の音。朝の大垣駅に着いた大垣止まり、折り返し名古屋方面の快速系統の運用に就く6両の313系、しばらくすると構内中に「ドン・・・」という音が次々に響き渡ります。・・・さてはこれも朝の風物詩なのでしょうか(^^;; 目覚ましには良いかもしれません(^^;;;

 
車端部は4人1組のクロスシート。画像は優先席モードです。固定クロスシートにしてこちらも立席スペースを増やすように工夫しています。右の画像は車端部に面した座席になります。ヘッドレストの上に何も装飾が無い分スッキリしているように見えます。物足りなさよりも「あ、これくらいのボリュームかな?」という感覚になりそうです。

座面の下はガランとなっているように見えますが、ドア側から見るとしっかり全部覆われているスタイルになっています。ドアから入ってくる風が座席の下を通り抜けないように、という配慮が垣間見られます。この配慮、どこかの鉄道会社にも・・・(^^;;;


同じような画像です(^^;;; 便所向かいのクロスシートは車椅子スペースを兼ねています。今度はヘッドレストカバーが青色ですが、青のヘッドレストカバーが通常の座席を表すことになります。青が通常で白が優先席、ステッカーが窓に貼ってあるとはいえ、あまりにわかりづらいと思うのは自分だけでしょうか・・・。

JR西日本の二番煎じではありますが、白のヘッドレストカバーには優先席を示すピクトグラムを添えると車内の雰囲気を損ねることなくより明確に優先席を示せるかもしれません。

 
最後に車椅子スペース隣の座席です。この座席はやたら肘掛けが豪華です(^^;;他の車両に備えた座席とのやりくりも影響しているかもしれませんが、肘掛を動かすというのはここまで大きなスペックに仕立て上げないといけないんだ、なんてつい思ってしまいます。余計なお節介ですかね(^^;;

新快速を受け継いだ313系の5000番台では車椅子スペース隣の座席はなくなってしまいました。スペースの都合というのはわかってはいるものの、なんとなくそれ以上の何かが失われたような気がします・・・。

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