JR東海 213系5000番台[飯田線トイレ設置車]
 
  関西線や中央本線の増結用として肩身の狭い運用に就くことが多かった213系5000番台。2ドア車は名鉄もそうでしたがなかなか使いにくいようで、2011年からは改造の上、飯田線のローカル列車に投入されています。前面こそロングシート車の211系と全く同じで、特に東海の場合は見ると滅入ってしまいそうな表情ですが、側面の連続窓を見るとそれだけで車内の雰囲気が感じ取れるもので、特に空いていると嬉しくなってしまいそうなパッケージが待っていることになります。
尤も2ドアしかないので豊橋口のラッシュに対応しきれるかどうか、やや心配な面もあります。
ワンマン化改造は行われていないのである程度運用は決められているようですが、飯田線なので一度逃すと次に登場するのは…(^^;;
(取材・撮影 JR中央本線・茅野〜上諏訪)

 

 

 


車内全景です。後方に見えるのが今回新設されたトイレになります。逆に言うとトイレ以外にはほとんど手が加えられていない様子が伺えます。それだけ213系のパッケージに飯田線という路線特性が合致していることになります。2ドアでドア〜ドア間が転換クロスシート、車端部の基本はロングシートです。
車内の色合いは同時期に製造されていた211系ロングシート車と同一で、311系登場前夜の暖色系をふんだんに用いた姿はまだまだ色褪せません。313系ばかり乗りなれていると同じ会社の車両とは思えない色の使い方ではありますが、昔も今も質実剛健な作りには定評があり、この車両でも大いに感じられます。

 
先に豊橋方先頭車の車端部と乗務員室の背後からご案内です。どちらもロングシートがセットされており、ある程度なら詰め込みも効く設計になっています。登場時からロングシートのままなので、213系らしい見付が展開している場面にもなります。
縦幅の広い貫通扉の窓からは隣の車両の様子がよく伺えますが、ストレートのホームだと着席状況のチェックまではなかなか難しい様子です。特にトイレの出っ張りが邪魔しているようにも思えます。
乗務員室との仕切りは211系ロングシート車と同じもので、助手席側の仕切り窓が拡大されています。前面展望をするにはちょっと仕切り窓の奥がゴチャゴチャしているようで、気になってしまいそうです。

 
同じように車端部の画像と乗務員室との仕切りの画像を今度は辰野方先頭車で並べてみました。見て驚き、車椅子スペースが1両に2ヶ所もついています。元々トイレ改造を行う前から乗務員室の手前に車椅子スペースがあったこと、トイレの出っ張りにより座席を置くと通路幅が確保されないことなどが理由にあたりますが、せっかく立席スペースが多い車内、豊橋駅の出口の方向を考えるとこの車両を豊橋方先頭車にした方が良い気もしますが…?
2度の改造も床の色や化粧板が変わることが無いのが素敵です。

 
車椅子スペースです。左の画像が車端部、右の画像が乗務員室背後になります。
どちらも握り棒とヒーターでお出迎え。非常通報機がなくても乗務員さんの視線が行き届くことでしょう。ヒーターは飯田線ではなくてはなりませんね(^^;;
…それにしても、車椅子のピクトグラムが小さいこと小さいこと…(^^;;


そしてこちらがトイレです。化粧板と素材が異なるからか、まだまだ新しいからかツヤが結構出ています。丸みを帯びたスタイルが印象的で、直線的なデザインが多い213系では少々異彩な存在です。
「避難用はしご」の表記がこれまでなかったような気がしますが、これからは標準装備になっていくのでしょうか。中はキレイな洋式トイレです。鍵のかかりかたはボタンの位置の関係で2種類ありますが、ドア脇の手動施錠の方が視線に入りやすいポジションにあります。


天井です。ラインデリアはドア付近を中心に展開しています。画像には吊革が写っていますが、吊革の設置はドア〜車端部のみで、ドア〜ドア間では座席ごとに設けられた取っ手がその役割を担っています。転換クロスシートに座った時の景色がかなり落ち着いているのは長距離ユーザーには嬉しいポイントになります。

 
床です。全体的に細かい痛みが気になりますが、車椅子スペースにした部分も含めて同じテイストの色で仕上げている点はお見事です。少し色合いが異なるようにも感じますが…
それよりも、ドア周りを中心に傷や汚れが気になる部分がチラホラ… 一緒に床を張り替えた方が良かったのではないでしょうか?と言いたくなってしまいますが、さすがに一部だけ張り替えた後のタイミングだけに、この傷や汚れが今後短期間でひどくなるのかどうか、長い目で見てみる必要もありそうです。


ドア周りです。厳密に言うと鴨居部の違いで2種類存在することになります。
新たに半自動ドアのスイッチが設置されました。が、それ以外の見た目はそのまま、窓が大きなドアに化粧板を貼った213系ならではのドアをドアエンジンも含めてそのまま使っています。

 
半自動ドアのスイッチ類です。画像だと室内側のLEDの灯りが暗いように写っていますが、実際は画像よりももう少し明るくなっています。左の画像が車外用ですが、カバーを灰色にしてもこのLEDの明るさでスイッチの位置は一目瞭然。
新型の313系では車内側のスイッチが壁に埋まっており、ここまでの存在感はありませんが、それは改造上やむを得ないところになります。それでもこの位置をキープできたのは使い勝手の面から判断するとなかなか好位置に思えます。


「長時間停車中に2ドア中1ドアしか開けない機能」ことドアカットできる機能も表面上はそのまま残っています。実際に使うかどうかは…今後飯田線に乗車する時にチェックしてみようと思います。そういえば、関西線や中央本線でもあまり使っている場面を見かけなかった気がしますが…実際のところ使う場面はあったのでしょうか?


側窓です。見事なまでに美しい1段下降窓で、ロールカーテンの上品な上がり具合に取材陣一同困惑する場面がありましたが(^^;; ヘタな着色ガラスよりも景色と遮光の観点で優れていることには間違いありません。

 
ロングシートは3つのパターンでお出迎え。左の画像は豊橋方先頭車、右の画像は辰野方先頭車のもので、どちらも乗務員室背後の4人掛けになります。
従来の座席と変更がないまま飯田線にやってきています。バケットシートですが座面はやや柔らかく、しっかり腰から膝裏をサポートしてくれる意味ではなかなか弱点が見当たりません。へたっている様子が見られないのはさすがというべきか、前職でしっかりお昼寝を取ったかどちらかでしょうね(^^;;


豊橋方先頭車には7人掛けのロングシートもスタンバイ。新たに座席上の窓枠に「シートヒーターが熱いのでやけどに注意」との喚起ステッカーが設置されました。が、信州の冬を考えるとこれくらい強力なヒーターでなければ太刀打ちできません。
端の席がざっくり壁で、肘周りに余裕がないのが313系シリーズとの差になります。ただ、その差が埋まる時はきっと座席自体交換されていそうですし、313系シリーズも肘周りの余裕はわずかな幅なので改造しなくっちゃ!と深刻な顔をする必要はありません。


転換クロスシートです。全ての座席が進行方向に向きます。117系のようにボックス仕様になる区画はひとつもありません。JR東海もやればできる子なんですけど、ねー…なんて中央本線を指差してみたり(^^;;
とあるWEBサイトの記述によると飯田線入線を機に補助椅子の使用を停止したとの記載がありますが、見た目は以前と変わりがありません。それどころか、朝からデータイムの関西線で213系に乗ることが何回かありましたが、補助椅子を出している姿を見たことがありません。飯田線の豊川〜豊橋区間便あたりで補助椅子、使えないかなぁ…(願

 
座席です。転換クロスシートです。いつもの斜めとともに、真横から撮ってみました。
こちらも従来と変更点はなく、身体をしっかり支えてくれるバケットシートに仕上がっています。腰周りの出っ張りが自然で、座面もそれなりに沈み込みが効きますので313系のような背が立つ座り心地にはなりません。
窓枠の肘掛けも嬉しいポイントですが、通路側の肘掛けの汚れがなかなか目立ってしまっており、取材陣もきれいな肘掛けを探すのに一苦労でした。2編成見て2編成ともそうだったので、足元についた雪が跳ねてあたってしまっているだけかもしれません。モケットの張り替えやビニールレザーなど汚れてもすぐ拭けば落ちる素材の登板をぜひ。
 
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