JR東海  身延線123系[600番台・3ドア車]
 
  身延線のポニーと言えば123系。荷物を運んでいた単行車両クモユニ147、或いはクモヤ145から改造された「ユニークな電車」として沿線の「ポニー」になりきっていたわけですが、身延線で活躍していた2ドア車5両に加え、1988年に新たに3ドア車が加わります。そして同年、冷房改造とともに新たに600番台という区分が与えられます。今回登場の123系は、この3ドア600番台です。
貫通扉は種車の名残ながら、貫通幌をつなぐ枠が独特の格好で取り付けられています。そして数々の銘板が複雑な出生を物語っています。登場時はアイボリーをベースに赤い帯やアクセントをプラスした「富士ポニー色」でしたが、現在は東海道色を帯に巻いており、若干おとなしめな装い。しかし、一度走り始めるとその走りっぷりには感動しますよ。
身延線は富士〜西富士宮を中心に活躍中です。
(取材・撮影 JR身延線/富士宮〜西富士宮)

 

 

 


車内全景です。他社の車両も含め、123系の特色でもある「超ローーーーングシート」ではなく、途中でぶちっと切れています。いくら小力が力説しても途中で切れています。3ドアロングシート、中間の扉の威力です。
211系などでも見られる赤系のモケットを活かした落ち着いた雰囲気の車内ですが、座席のモケットは蘇芳色(ワインレッドと呼んだほうがいいかも?)と銀色のツートン、これは恐らく「富士ポニー」時代の塗装を意識したもので、JR東海では珍しく地域色が活かされた車内と言ってもいいかもしれません。
まだ3ドアだから冷静に見られます。しかし、2ドアになると…これはまた、2ドアのページをお楽しみに。


車端部はドアに直結する形で乗務員室があります。助手席側は少し引っ込んでいてその手前には妙な空間があるのですが、ドアの位置は左右共通になっています。
ワンマン設備が一通り整っており、その関係で乗務員室はかなり狭そうな作りでした。スペースの無さは小窓からも伺えそうですね。後輩に相当する313系とは違い、前面展望には全く適していない窓ですが、改造元が改造元だけに…という事情もありそうです。

ちなみに車外には製造企業名(近畿車輛など)が書かれた銘板が5枚ありましたが、車内には2枚しかありません。さて、どこの企業の銘板でしょうか?


先ほどは甲府方の車端部でしたが、こちらは富士方の車端部です。富士行きワンマン列車、運賃箱をセッティングして準備完了!の姿はこのようになります。…ってカバーがついているかついていないかぐらいの違いしかありませんが(^^;;;
運賃表示機の隣の壁が出っ張っているかいないかくらいの差しかなく、車端部のバリエーションの違いはJR東日本の123系ほどはっきりしているわけではないようです。


ワンマン機器の方にもクローズアップ。出っ張った壁、そして運賃表示機です。進行方向後方なので全て消えていますが、一駅止まり、出発するごとにその駅の運賃が表示され、更新されていく形で、313系と同じスリムな物を使用しています。
また、その下には富士〜西富士宮、すなわち123系がメインで頑張る区間の運賃早見表もあります。
ちなみに左上に見えるピアノを逆さまにしたような物体は冷房のダクト・・・です。かなり激しいご出演(^^;;;

その逆サイドにはちょっと懐かしい「禁煙」ステッカーに整理券発行機、そしてJR東海浜松工場の銘板が2枚貼られています。他の企業の銘板はどこへやら…。冷房化もワンマン化も浜松工場が手がけました。
整理券発行機のオレンジも懐かしいですね。そして・・・

運賃箱も実に懐かしいスタイル。500円は新旧両方に対応しているとの事で先を見越した「改造」だったのでしょうか。JR西日本が大糸線などで一気に新型の運賃箱に切り替えたのとは対照的で、JR西日本のユーザーにとっては「懐かしい」の一言が出てしまうかもしれません。
ちなみに始発の西富士宮駅で撮影したので投入口はシャッターで覆われています。駅係員のいない停車駅ごとに「はなまるマーケット、オープン!」とばかりに左手を定位置に開け閉めしているのでしょう、小さくても立派な「親切心」です。


天井です。インバータークーラーで冷房化されたため、ダクトが独特の2本の物を使っており、吸い込み口も前後2箇所に分かれています。そして扇風機もまだまだ活躍、車内に3台設けられています。台数が少ないからでしょうか、600番台に限っては扇風機スイッチが車内にはありませんでした。しかしながらJNRマークの扇風機は良い味と涼風を出してますよー。


床はベージュの物を使用。フットラインなどは無く、113系や115系などでも見られる色です。


ドアは車端部と中央部の左右計6箇所あります。こちらは車端部のドアです。
片開きドアですが幅は広めに設けられています。半自動ドアではないため鴨居部も出っ張っていません。それどころかドア、鴨居部ともども化粧板で覆われており、実にシンプルな作り。また、戸袋窓、そしてドア窓に貼られているのはワンマン列車の乗り方、降り方を図に表したものになります。2両編成でワンマンの時は有人駅を除いて後ろ1両は締め切られるようで、慣れていないと無人駅で乗る時に待ちぼうけを食らいそうです。

 
こちらは中間の扉の方ですが…ワンマン運転時には締め切られるため、このような画像しか撮れませんでした(^^;; ドアそのものは両端の扉と変わらず片開き扉ですが、整理券発行機が真ん中の扉に無いために締め切られているようです。
うーん、わざわざ扉を設けた意味が半分くらい薄れているような気が…(^^;;;

扉の形状は同じでもその隣の戸袋窓はワイドサイズになっています。一番右の窓とドアの隣にある一番左の窓を比較してみてください。遠近法の理屈では収まりきれないワイドサイズになっています。
これは元々開閉できる側窓が本来来るべき部分に戸袋窓を設けた関係で側窓並みの大きさを確保したかったのでしょう。この微妙な特徴がふんだんに盛り込まれているあたりがやっぱり「123」の醍醐味です!

 
座席です。左の画像は富士宮寄りの座席、右の画像は富士よりの座席、窓に違いがあっても座席には全く違いがありません。ちょっといつもよりロングサイズのロングシートはどれを取っても12人掛け、4人分ずつモケットが分かれています。ただ実際は4人分の所を3人で座るケースが少し目立ちましたが・・・(^^;; 着席区分が設けられていないのが原因なのですが、そのモケットは先述の通り蘇芳色と銀色の組み合わせ。
座り心地は少し中身が物足りないような一面もありますが、なかなか上々。座面がほど良い位置にセッティングされているので実に座りやすかったです。とはいえこれで富士から身延まで行くのは少し厳しいかも・・・(^^;


クローズアップ袖仕切り。123系というとやっつけ仕事のような1枚板の少しゴツい袖仕切りが特徴的なのですが、この600番台では211系や205系に準拠した、しっかりした袖仕切りがついています。


しかし、ここにやっつけぶりが・・・ 優先席はモケットを変えることなく、小さめのステッカーでの表示のみ。富士宮寄りの小さい戸袋窓に両側貼ってあったのですが…これだけではさすがに浸透しませんよ(^^;; 金ちゃんヌードルの応募シール捜索隊並みの存在感を見せつけていました。


で、何席分優先席に指定しているの?!


・・・お後がよろしいようで(^^;;

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