JR東海  身延線123系[5040番台・2ドア車]
 
  富士ポニーというとむしろこちらの顔の方がしっくり来るかもしれません。クモユニ147形という郵便荷物車を改造し、2ドア車として登場したのが40番台。それをさらに冷房化したのが5040番台となります。全部で5両の陣容で、うち1両は600番台と同じような貫通扉を先頭に設けた顔になっています。冷房化の後にワンマン化も行われてすごく複雑な経緯を辿っているわけですが、この顔で2ドアの5040番台が全部で4両おり、実はJR東海のみならず123系を所有するJR東日本・西日本を含めても最大勢力となっています。
現在は身延線の富士〜芝川間を中心に運用されていますが、3ドアの123系600番台同様、313系3100番台などによる置き換えが始まっており、今後の去就が注目されます。
(取材・撮影 JR身延線・富士〜西富士宮)

 

 

 


車内全景の様子です。えっと…座席が長いこと長いこと(^^; そして赤と明るめの灰色が並んでいてなんだかおめでたいのは気のせいでしょうか(^^;;; 2ドア「超ロングロングシーーーート」は123系ならではの醍醐味。
かつての「富士ポニー」塗装に引っ掛けたモケットを採用しており、落ち着いた蘇芳色があまり周りに溶け込んでいないという感じもしますが、なかなか落ち着いた雰囲気。ただ、座席が長い分着席場所や混雑具合によってはちょっと落ち着かなくなる事があるかもしれません。座席と座席の間にちょっとした肘掛があれば、着席時に掴む所が増えて良いのですが…

 
車端部の様子です。えー白が基調の車内において、かなり表示類で賑わっているのではないでしょうか。
乗務員室の仕切りなどは600番台と基本的な設計が同じものの、非貫通である分運賃箱越しの風景が少し広く見えます。
右の画像が富士方車端部、左の画像が富士宮方車端部になり、その差もあまり感じられません。


左側をちょびっと拡大。整理券発行機の他にも通風孔や謎の蓋が設置されています。謎の蓋は一体何の役割があるのでしょうか…。そしてその下には「↓整理券発行機」と書かれたステッカーが。こちらもかなり年季が入っています。
窓越しに見える乗務員室は意外に広く目に飛び込んできたのですが、こうやって一歩下がったところから見るとやはり狭い印象を受けます。

 
一方こちらは乗務員室との仕切りのうち、右側に設置されている運賃表×2です。電子版の方は3ドア車同様313系で使用されている物が設置されており、あまりゴツい印象は受けません。この車両の運用はつい最近まで富士〜身延間だったようで、甲府まで全線入らなくなってから久しいのですが、電子版表示機はきちんと甲府まで入っています。

しかしながら紙の運賃表が下にあるのを見ると・・・この電子版運賃表の存在って一体・・・(^^;;なんてお嘆きのあなた、実は紙版運賃表は富士〜西富士宮の運賃しか書かれていません(^^;;; ああ素晴らしき分担作業かな。


天井を見上げてみると、座席に負けじと吊革、そして冷房のダクトが伸びています。
この車両はJRになってから冷房化が行われ、ラインデリアは使わずに何箇所かの通風孔から冷風を車内に流す方法を採りました。ということでその冷風をかき混ぜる扇風機も健在です。
このダブルパンチ、夏場はなかなか効き目があります。

 
この扇風機ですが、なんとJRマークではなくJNRマークです。これは国鉄を表すマークで、JR東日本や西日本ではJRマークに貼りかえる事が多かったのですが、JR東海ではそのままJNRマークの扇風機を使っていることが多いようです。画像では整理券発行機のオレンジが反射しており、本来はシンプルに銀のツートンというあまり目立たない色を使っています。そしてこの首振り扇風機はセルフサービス。車内にポツリポツリとある右の画像のボタンを押すだけで冷涼空間へご招待〜。このセルフサービス、600番台にはありません。世の中カフェテリアからガソリンスタンドまでとにかくセルフサービスが流行っていますが…このサービスがセリフの元祖かどうかはわかりません(^^;


この車両の奇妙な点がこの吊革。吊革はレールと平行方向、垂直方向どちらもあり、うちレールと平行方向に設けられている吊革は3ブロックに分かれているのですが…なぜか他のブロックとあまり環境がかわらない真ん中のブロックのみ短いバンドの吊革が用いられています。JR西日本広島支社の混種混合ぶりには程遠いとはいえ、なぜ真ん中のブロックのみ短いバンドの吊革になっているのか…ミステリーです(^^;;;

もしかして、この吊革は113系あたりの廃車発生品で、バンドの長い吊革在庫がなくなったから「苦肉の策」で持ってきたのでしょうか?このあたりの奥様びっくり!やりくり具合が改造電車らしいですよね。


床は茶系の物一色。前の車両の痕跡が無いほどきれいに改造されています。
フットラインが無い分、ワンマン列車の降車時、人をかき分けて降りるのは大変かなぁという気がしますが、データイムだったからでしょうか、ほどほど混んではいたもののそんなに必死に人をかきわける姿はいませんでした。

 
むしろ片開き扉で2ドアだったことが災いして、富士駅や富士宮駅では降りる際にちょっとした「行列」になっていたことが印象的でした。大きな駅の乗り降り(特に「降り」を)2ドアで賄うというのは少し大変だったかもしれません。画像は側扉の方に移っています。画像左が富士宮方面のドア、右の画像が富士方面になります。ドア上の鴨居部が115系などと同じように大きく車内に出っ張っており、600番台とは異なる雰囲気を作り上げています。広告枠が無い分「ツルン」としているのが好印象ですね。

ステップなどは無く、ごくごく普通の「電車」気分で乗り降りできます。そう、これが富士ポニーのお手軽感。

 
座席です。一応左の画像が下り進行方向左側の座席、右の画像が下り進行方向右側の座席ですが、何も違いはありません(^^;; ドアからドアまでひたすらロングシートが続くわけで、なんと27人掛けになります。
・・・えっと、JR東海オフィシャルサイトには座席定員54人と書いてあるのでそれを半分にした数字が27。どうも画像で判断した限りでは真ん中のグレーゾーンのみ3人掛けで、他の部分は600番台同様4人掛けのようです…。しかしながら実車に乗った際には真ん中のグレーゾーンは他の部分とあまり変わらない長さだったような気がして…このモケットの色遣いのおかげなのか、はたまた自分が鈍感なのか…自分が鈍感だったら単なるアホですが、これも一種のミステリー…かもしれないです…。

座席そのものは改造車とは思えない、なかなか上々な座り心地。少しへたりが加わっていたり、先述の通り座席の真ん中などにポツンと座るとよろけやすかったり、4人掛けのところを3人掛けで座ってしまう光景も見られましたが、座面の位置と奥行きがほど良くマッチ。良い改造しています。


袖仕切りはベロンとした板の周りを金具とビスで固定する方法。網棚とは独立しています。
実はこれ、JR東日本の123系と同じ袖仕切りになります。あちらの袖仕切りも同じ作り方で、板の周りを金具とビスで固定する方法を採っています。いやーまさかここで会社間の知られざるつながりがあったとは…バリエーション多い123系の中で見つけた「小さな発見」でした。


優先席は例によってステッカーのみの表示で、モケットに手を加えていません。
・・・が、窓の位置が位置だけにますますその範囲が不鮮明になっています。うーん、何人分該当するのかな。

ちなみにその窓ですが、下段は全て開かないように金具で固定されています。身延線の115系でも同様の加工が行われていたはずで、これが標準なのかもしれません。上窓は開きます。




〜おまけ〜恐らくワンマン設備ど起動したときに表示された物で、偶然車端部画像の一部分にこんな珍表示が入ってました。端の方がボヤケてしまっていますが、富士から隣の駅まで40円、でも甲府まで20円。

・・・本当にこのお値段で移動できたらビバ素敵なのに。

十の位と一の位しか表示されていないというよくわからない偶然でした。
うーん、ミステリーですねー。
 
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