JR東海  119系5100番台
 
  画像は2両編成なのであまりその魅力が伝わってきませんが(^^;;
かつて身延線に123系があったように、飯田線にも1両で走る電車がいます。119系5100番台です。
もともと片運転台車両のみ増備されていた119系。片運転台だけをつないで3両編成を組んでいた事もあり、もっと弾力的な運用を目指して一部の片運転台つきの電動車を両運転台に改造することになりました。それが119系100番台です。さらに冷房も設置されたことにより、今日名乗っている119系5100番台へと改称されています。
2両編成との増結運用もありますが、圧巻なのは豊橋と豊川の間をたった1両で走る姿。名鉄を横目に車掌も乗せて飛ばすんです1両で。ワンマン化されておらず、トイレがないこともあって飯田以北ではなかなか見かけませんが、飯田線では欠かせない存在であります。
(取材・撮影 JR飯田線・豊川〜長山)

 

 

 


車内全景です。3ドアセミクロスシートの車内は雰囲気こそ白の化粧板でガッチリ固めて新しめですが、全体的に角張った、国鉄らしさがそのまま残っています。2両編成の119系との内装の相違は特になく、外観同様連結しても違和感は全くありません。
また、裾絞りをしていないということも影響しているかもしれませんが、全体として少し狭く見える気がします。普段乗っている車両によって感覚がだいぶ異なってくる部分ですが、313系などから乗り換えるとその差は良くわかります。


豊橋方乗務員室との仕切りになります。こちらは当初より設置されていた仕切りです。
後ほど登場する仕切りのネタバレに近いものがありますが、全室乗務員室として分けられているため、乗務員的には広く使えるという大きな利点があります。これで指導運転士の方もお客の視線を直接気にせず怒鳴れます(^^;;;
側扉はよくありますが、乗務員室の扉までステンレス無地で仕上げています。数ある国鉄の近郊形車両でもこの仕様は珍しく、余程財政的に困っていた様子が垣間見えます。

 
そしてこちらが新城方の乗務員室になります。半室です。ディーゼルカーにでも乗っているような気分です(^^;;
右の画像は連結した時の様子で、この開放感は隣の車両との行き来も何のためらいもなく行けそうです。それと同時に、前面窓が思ったよりも小さく、高い位置に設けられている点も見逃せません。
この乗務員室に車掌が乗務することもありますので、全室乗務員室として使いたい時には貫通路部分に棒を設置して立ち入れないようにしています。混んでいてもこの棒を乗り越えて侵入する事はもちろんできませんので、なんとも高いハードルではあります。


仕切り向かって右側には機器箱があり、非常時のドアコックもそちらに格納されています。
そして戸袋窓と扇風機のスイッチと機器箱の不思議な関係がここに…(^^; 改造車ならではの萌えポイントです。改造年月が経っていることもあり、元々座席が設けられていた区画ですが今はその面影は全くありません。

 
一時期は静岡地区などでブレークしたJR東海のインバータークーラー改造取り付け。この119系が最後の砦となりました。物々しいダクトも懐かしさを増す今日この頃。1両編成の車両は全てインバータークーラーに改造されています。
右の画像は扇風機です。壁のボタンでオン・オフ選べます。また「JNR」のロゴが残っているのはJR東海のお約束で、119系の他にキハ40系列でも見ることができます。


床です。茶色一色はこの当時国鉄でよく使われていました。
点検蓋の関係で半室改造された乗務員室の方にもこの茶色い床が伸びています。

 
ドア周りです。右の画像では半自動ドアの際に大活躍する内側の取っ手になります。
裾絞りでないため違和感を覚える面もありますが、鴨居部分のカバーの大きさは完全に近郊形電車のサイズです。
側ドアはステンレス無塗装の物で、ドアガラスの押さえは金属になっています。このあたりも国鉄末期のトレンドを忠実に反映させています。
ドアが手動の時には取っ手を介して乗り降りしますが、もう少し低いところにつくと良かったかなぁと思います。なお、119系の中にはワンマン化とともに半自動ボタンを設置した車両もいますが、1両編成はすべてこのドアになります。


側窓です。2段窓は下段が開かないようになっています。
カーテン、帽子掛け、テーブルと飯田線をより快適に愉しめるアイテムは1両編成でも忘れていません。テーブルの下に跡がありますが、かつては灰皿まであったようです。これらの快適アイテムのうち、飯田線に乗っていると度々目撃する313系にはテーブルがついていないため、昼飯時を駆け抜ける時にはこのテーブルが重宝します。

 
座席は基本的にドア〜ドア間のみの配置になります。真ん中のドア〜2人掛けロングシート〜固定クロスシート(4人1組が左右2つずつ)〜3人掛けロングシート〜それぞれ端のドアという座席配置で、左の画像が真ん中のドアから見た座席、右の画像が端のドアから見た座席になります。
ロングシートの人数の差は側窓を見ると一目瞭然。縦長の2段窓が3人掛けロングシートの目印です。その目印のうち新城方の側窓には優先席のステッカーが貼られています。


2人掛けのロングシートです。
焦げ茶のモケットや形状は登場時からそのまま。313系や115系更新車で使用されている青にはない落ち着きを醸し出しており、そこからレトロな気分を思い浮かべたくなる気持ちもわかりますが…ちょっと車齢は「レトロ」の域には早いところです(^^;;

この手の近郊形電車にしては珍しく、座席とドアの間にちょっとした空間があります。

 
そのちょっとした空間は3人掛けにも見られます。これは2両編成の119系にも言える事ですが、従来の近郊形車両よりも外側のドアを車端部に近づける格好で設け、ドア〜ドア間を広くとった効果がこの人が一人立てる空間として表れています。ラッシュ時、特に降り口が一方向の豊橋駅では威力を発揮しそうですが、この空間は寒さを防いでくれるわけではないので、冬の寒さは離れていようとくっついていようと殆ど変わりません(^^;;

3人掛けのロングシートは焦げ茶色の通常モケットと灰色の優先席モケットの2種類が設けられています。この車内では灰色は意外と映えますが、車端部ではないので車内を見通すとクロスシートの後ろに隠れる格好になってしまい、物理的にちょっと見つけにくい存在になってしまっています。

 
直立不動のクロスシートはロングシート同様茶色モケットに茶色の肘掛け。白いヘッドレストカバーがキリリと光ります。左の画像が端の2人掛け、右の画像が真ん中の4人1組の座席になります。
形状としては国鉄のベストセラーで、フレームをアイボリーに塗って目新しさを出したといった具合でしょうか。結局持っていて冷たくならない樹脂製の取っ手など、全く新しい設計のクロスシートはこの系列が登場した3年後、211系まで待つことになります。
ベストセラー故になかなか欠点がなかなか見つからない座席です。シートピッチも広めに取られていますし、この座席で天竜川の眺めを堪能するのも悪くありません。

…この座席の最大の敵はこの路線の特徴でもあり、この路線だからこその選択肢でもある「怒濤の逃げ場無し!ひたすら長時間乗車!!」に尽きると思います。それに対する疲労。こればかりはどうしようもありません。



長時間乗車で疲れた時には車内を見回して。気になる掲示を見に立ち歩くのは如何ですか?
沿線から見える山々の解説もこのように掲示されています。

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