JR東海  115系[クハ115-188]
 
  だいぶ逆光にやられた画像ですみません・・・。
JR東海で一番有名だった115系といえばこの車両でしょう。クハ115-188、S8編成の浜松寄り先頭車になります。
S編成はもともとサハ115を先頭車化改造したクハ115の600番台を浜松寄りに連結して3両編成に短くした上で運用に就いていました。しかし、このS8編成など一部の編成には600番台を使わず、代わりに既にあるクハを使用していました。そのためつい最近まで「大目玉」が活躍していたわけです。「つい最近」という言葉が示すように、この車両は2006年10月の改正で運用から外れ、既に廃車となってしまいました。在りし日の車内の様子、太陽にやられながらの画像(^^;ですが、ゆっくりと振り返って頂ければと思います。
(取材・撮影 JR東海道本線・熱海/興津)

 

 

 


蛍光灯の色がチグハグ(^^;な車内全景です。目玉ポイントの登場はまたその時その時にお伝えします。
3ドアセミクロスシートで、国鉄っぽさを色濃く残す薄緑と紺の連弾に白いヘッドレストカバーのハーモニーが加わった感覚でしょうか。JR化後車内をリフレッシュする車両は多く登場し、JR東海の115系にも多く見られました。しかしその一方で手があまり加えられていない車両も残っており、それらとの出会いは115系という大所帯の深さを身を以って知る事ができます。いやー、奥が深い!

 
車端部の様子です。便所とクロスシートが向かい合わせという近郊型ではお馴染みのツーショット。薄緑の化粧板のせいもあってほのかに薄暗くなっています。便所の手前の壁、網棚の上あたりには禁煙の案内ステッカーと浜松工場のプレートがありますが、クハ115-188の製造企業のプレートは外されてしまっています。
一方右の画像は非常灯と温度計です。縦長の木の温度計はJR東海の管内ではわりとお馴染みです。また、広告枠の中と外で薄緑の色合いが若干異なりますが、恐らく広告枠の中の薄緑がより登場時に近い色なのでしょう。案外冷たい感じの色だったみたいです。日に焼けて良い色になったかな?という感じです。

なお、このS8編成は熱海方面からクモハ・モハ・クハ115-188の順で編成が組んであり、このうちクハを中心に見ていますが、クモハやモハについてはクハ115-188よりも若い1000番台の車両で、クハとはシートピッチや座席など、一部の内装が異なります。従って便所無しバージョンの車端部はご紹介できません。ご了承下さい。


便所です。1000番台の一部にある鏡は設置されておらず、案外ツルンとした仕切りが特徴です。
扉は無塗装のアルミでしょうか、落ち着いた銀が印象的です。
それにしても消火器の位置・・・ロングシートに座ると邪魔になりそうな位置にあります。このような位置関係だと某JR東日本の209系やE217系あたりを思い浮かべてしまうのですが、先輩も先輩で案外微妙な事をしていたんですね。消火器の置き場は知恵と工夫の勝負どころのようで、これは今も昔も変わらないようです。


逆サイド、乗務員室との仕切りです。実はここが目玉その1。この車両が中間車として編成に入った時などは助手席と扉になっている仕切り壁を折りたたみ、運転室を半室にすることができます。そのため、助手席側も客が立ち入ることが出来るスペースと早変わりとなります。このような構造の乗務員室はキハ30系列のディーゼルカーや115系、113系の初期車で見ることができましたが、今はかなり数を減らしており、特にJR東海の115系ではこの車両が最後の1両でした。機器類が増えていき、自由にそれらを動かせるスペースが減っていくこと、あるいは合理化の目的もあったのでしょう、仕切りはその後固定化されていってしまいます。
右のロングシートの奥にあるロングシートの袖仕切りが「折り畳み後」のスペースの存在をこそっと教えてくれています。また、左右それぞれ幅が違うものの高さが揃えられている窓ガラスも特徴の一つでした。

個人的にはこの折り畳みシーンに結局遭遇しないまま廃車となってしまったことが実に残念です。


ちょっと上を見上げて天井。この部分は先述の通りJRになった後で冷房化されたので、国鉄時代とはその雰囲気が一変しています。とはいえ扇風機が健在なのが嬉しい限り。所々ある冷房の吹き出し口から冷風をかき混ぜてくれます。
吊革は丸型で、ベージュのゴムバンドは恐らくどこかのタイミングで灰色からバトンタッチしたものだと思います。ロングシートの上に必要最低限の配置です。

 
その扇風機には懐かしいJNN・・・じゃなかった、JNRマーク。これはわりと国鉄からJR東海に継承された車両で多く見かけます。中途半端な位置で撮ってしまいました(^^; モニターを左に…傾けて壊しても当方一切責任取りません(^^;;; そして右の画像が扇風機のスイッチ。いわゆる「海側」の側面を中心に設置されていますが、案外小さくて目立たない存在です。


床。薄緑の化粧板、紺の座席モケットとくればコレでしょう。ご期待に応えるかの如く登場です。
ただちょっと、ほんのちょっと焦げ茶が混ざっている印象もします。


そして目玉その2といえばこれ、ドアです。単なるドアではありません、JR東海115系のキーワード「塗りドア」です。
今でこそステンレス製、銀色のドアが多くを占めていますが、S編成のクハの多くがこの鋼製のドアを用いていました。ちょっと太陽光の反射などで見づらい部分もありますが、薄緑に塗られていることから「塗りドア」というあだ名もついています。
115系なので開閉幅は113系よりもやや少なめ。そして鴨居部は大きい広告枠とともにだいぶ張り出した形になっています。


なんのこっちゃわからない画像ですが、化粧板と塗りドアの比較です。右の方、棒が刺さっている部分の周りにあるのが化粧板、左のステッカーが貼ってある方が塗りドアになります。塗りドアの方が塗装の厚みがあり、色もより緑が強くなっています。

この塗りドアによって(鋼製なので下地は錆びた色なのかもしれませんが)ステンレスのギラギラ感がうまく抑えられ、結果的に落ち着きと味のある車内を形成していたと思います。

 
115系といえば半自動ドア。ということで取っ手もこのようについているわけですが、それぞれ反対側の取っ手が若干はみでているようで、車内側は取っ手の下に、車外側は取っ手の上にそれぞれ窪みがついています。その窪みも塗装されており、塗装のまったり具合がより一層楽しめます。
この小判のような形、最初見た時は半自動告知案内を塗りつぶした物かと思いましたが、この車両、半自動の扱いについて案内がされていません。東海道本線をメインに動いていたS8編成なら問題無い…かな?


さて、ここからは怒涛の座席ゾーンへと参りましょう。まずはロングシートから。
基本的にドア〜ドア間のクロスシートとセットで使われている物は2人掛けのロングシートになります。
紺一色のモケットは国鉄時代を彷彿とさせますが、もう一つ、垂直のヒーターカバー。これ、目玉その3です。
1000番台などはヒーターのカバーが斜めになっていますが、初期に製造された車両はこの通り床に対して垂直になっています。…いや、それだけと言われればそれだけです(^^;;

奥行きがやや浅く、2人腰掛けるとちょっぴり狭いこのロングシートもやがて過去帳入りしてしまうのでしょうか…。

 
3人掛けの座席です。まるでどこかに飛んで行きそうな白飛び満載の画像ですみません。3人掛けは車端部に設置されており、そのうちの1箇所がこちら、便所の隣と便所の斜め向かいの3人掛けとなります。
シートピッチ拡大車は便所の斜め向かいの席が2人掛けになっていますが、拡大前なのでどちらも同じ3人掛け。従って窓割りについても左右対称になっています。細い開閉窓が3人掛けのポイントです。
先述しましたが便所の隣の座席は消火器の関係で少々窮屈です。この画像でその狭さ、より実感って勢いです。

 
一方こちらは車端部は車端部でも乗務員室の背後部門での座席です。
助手席の背後、つまり画像右の座席は左の座席よりも僅か数cmですが幅が短くなっています。袖仕切りを設けるために必要な空間を用意したかったのでしょう。ドア〜座席間の空間はどちらも同じ幅になっています。

なお、この区画は両側とも優先席の区画ですが・・・

この通りステッカー2枚だけで軽く済ませています。113系や115系の中にはしっかり灰色の座席モケットを用意した車両も見られましたが、この車両に関してはそのあたりはノータッチです。しかしながら3席分の優先席に対し、ステッカーは2枚…すごい気合の入った用意をしています。


ここからはクロスシート。こちらも紺のモケットを基本に白のヘッドレストカバーと薄緑の化粧板がお出迎えしてくれます。フレームも灰色で、いかにも重たい感じがでていますがヒーターの銀とうまくマッチしています。
車端部には後ほどご紹介する4人1組のボックスシート、ドア〜ドア間は4人1組のボックスシートを左右2組ずつ用意しています。

趣味的に(^^;;残念なのは取っ手。大型の物に取り替えてしまったようで、昔の半月状の取っ手はこの車両では撤去されてしまったようです。115系のS編成の中には半月状の取っ手が残っていた600番台の車両もいましたが、残念ながら撮り損ねています。

 
左の画像がドア〜ドア間のど真ん中に設けられた席、右の画像が端の席になります。
このスタイルはどちらも近郊型電車としてはお馴染みのもの。シートピッチが狭いのが難点ですが、近郊型ディーゼルカーよりも足元のスペースが広く、ヒーターによって足元のスペースもしっかり埋まっている分、オールシーズン寛げる近郊型電車の座席だったのかもしれません。座面はバネの働きが弱くなっていそうな部分も見られましたが、総じて安定した柔らかさを保っているような印象を受けました。


テーブルです。やや小さめの四角形のもので、かつてはその下に灰皿もセッティングされていました。ただ、残念ながらセンヌキの方は当初から無いようです(^^;; シートピッチの関係もあるので可もなく不可もなく、といった大きさをチョイスしています。


クロスシート、最後はこちらの画像で。何せ便所のおかげで横幅がハイビジョンな自分には撮り難いポジションになっていますが、車端部の「ちょっと幅が狭いクロスシート」は健在。取っ手が省略されている他、横幅も少し狭まっています。
頭の上がややうるさいですが、車端部の空間を余すことなく活用し、貫通扉とクロスシートがぴっちりくっついている感覚が意外にも新鮮です。




【2006年8月21日、興津にて】
あまり注目されなかった一両かもしれません。でも、この1両の中から多くの事を頂き、学ぶ事ができた気がします。
利用者の方には迷惑な話かもしれませんが、この冬もこの車両で丹那トンネルを越えたかったなぁ…。
貴重な経験を、ありがとう。

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