JR東海  キハ25形[2次車]
 
  何か物足りない前面でデビューしたキハ25形。転換クロスシート車の1次車に続き、2次車はロングシート車でデビューしました。寒冷地向けの1000番台、1100番台、暖地向けの1500番台、1600番台と4つに分かれていますが、まとめて「2次車」として、紀勢本線で取材した模様をお届けします。
取材したのは12月ですが、亀山駅で3ドア車の威力を発揮する一面も魅せる一方で、大曽根浦駅あたりの風光明媚な「朝」の景色は大きい窓からより迫力ある風景を伝えてくれるようになりました。確かにクロスシートからロングシートに変わったことで旅行気分が薄れてしまった方もおられることでしょう。しかし、贅沢な朝の光景は全く変わりません。そして、早起きは三文の徳なのです。
熊野市駅ですれ違った多気方面行きのワンマンカーは学生さんで満員。しっかり輝いているように見えました。
(取材・撮影 JR紀勢本線・松坂〜新宮)

 

 

 


車内全景です。3ドアロングシート車、各車両の亀山方が優先席になります。
特に座席から天井周りにかけての構成は電車そのもの…と思わず驚いてしまいました(^^;;。キハ25形1次車は未だ乗車できていないので免疫がなかったのも驚いた要因かもしれません。
近年ディーゼルカーと電車の設備上の差がぐんと縮まったなぁ〜と思うことがそこそこありますが、この車内はその差を一気に縮めたと言っても過言ではないと思います。
ただ、面白いことに全く同じ車内は同時期に増備を重ねていた313系にはありません。静岡のアレは袖仕切りが小さいですし、整理券発行機がついた車両はセミクロスシート車や転換クロスシート車ですし…(^^;;

 
乗務員室との仕切りです。左の画像は新宮方の仕切りでワンマン運転時の模様を、右の画像は亀山方の仕切りで他編成と連結した時の様子です。仕切りは4分割されていて、左から2番目にスマートな形で運賃箱を備えています。左から三番目には仕切り扉を備えています。ワンマン運転から増結運用まで率なくこなす313系の良い所をそっくりそのままトレースした格好ですが、不思議と他の会社でこの窓配置を見たことはあまりありません…。ワンマン運転の車両では半室構造の乗務員室を持つケースが多いからでしょうか。仕切りと側扉の間のスペースはあまりありませんが、握り棒は窓の下の方に備わっています。吊革は仕切りまでしっかり伸びています。

 
車端部です。左の画像は新宮方の車端部で、トイレ、車椅子スペースを備えています。右の画像はロングシートを4席ずつ備えた松坂方車端部です。ここだけでもクロスシートだったらなぁ…と思わず言ってしまいそうですが、313系ではクロスシートとロングシートの2択のうち、ワンマン車はロングシートが多勢を占めます。そんな313系との違いは妻面の貫通扉、キハ25形はステンレス地になっています。その右側には手すりが備わって安心◎、運賃の案内なども貼られています。

 
大きくて緩やかなカーブを描く洋式トイレ、そして反対側は手すりが大きく通路側に張り出した車椅子スペースです。車椅子スペースでは非常通報機や暖房、避難用のはしごも備えています。非常通報機の位置が低くて押しやすいところにセットされています。313系では微妙な位置に設置された車両もありますが、そこのポジションなら半自動ドアと間違えられることもありません。
それにしても…車両が新しくなって真っ先に嬉しいのはトイレがキレイになったこと…この車両も…ネ(^^;;;


天井です。ラインフローファンを中央に配置し、両脇にはカバーをつけたLED照明が間隔開けて設置されています。吊革は長さを調節して3段階の高さに設定しています。
そういえば…私が朝早くて見つけられなかっただけかもしれませんが、最近流行っている防犯カメラを見ることはできませんでした。特にワンマン車の車内ではつけている会社が多いものですが…(^^; 

それにしても、この天井で大いに快適になったのはこの車両の強みです。


床です。濃いめの味付けはゴミや汚れを目立たなくさせる作戦でしょうか。313系ではお馴染みだったフットラインがこの2次車ではなくなっています。ワンマン運転時の行き来が目立つ車内だけに、こういう車両こそ必要な気がしますが…ちょっとしたところでコストダウンでしょうか。

 
ステップつきのドアです。LED表示機と締め切り中の表示ができる表示機を鴨居部に千鳥配置で設置しています。ミニチュア姫路城の池に落ちなかった方も、ステップにつまづくことはありますのでご注意を。なお、取材班のメガネは喋りません(^^;;
このドア周りの造形も「世界ふしぎ発見!」のセットに出てきそうな囲み化粧板がなくなり、スッキリしたデザインに落ち着いています。それでもなお大きいドア窓が清々しいです。ドア本体は貫通扉同様、無塗装ステンレスのものを用いています。

 
鴨居部のLED表示機と締め切り中を表示する表示機です。どちらも締め切り中の表示になります。
LED表示機は2段、1段を巧みに使い分けながら次駅案内、行先案内などをこなします。1段表示の美しい明朝体は適度な太さで見やすいものの、2段になるとやはり字が小さくなってしまいます…。

ドアコックの表記は蛍光ステッカーを用いています。


整理券発行機のそばのボタンは少し押しにくい(^^; ドアボタンです。ボタンの周りがわかりやすい縁になり、外側も光って見やすくなりました。このあたりの進化は目を見張るものがありますが、緑の枠が「めはり寿司」に見えたかどうかは…ノーコメントです(^^;;;
室内側のボタンの上、点字シールが貼られています。車内で見た時に目立っていないように感じましたが、このシールも蛍光ステッカーにすると、もっとわかりやすくシールの存在が示せるのでは…と思います。


窓周りです。大きな窓はJR東海の代名詞のようにもなっていますが、315系では果たして…。ロールカーテンを備えている点もポイントです。傍から見ると細長い窓が戸袋窓のようにも見えますが、全て側窓、戸袋部分に窓はありません。
車端部は2段窓で上部の窓が内側に折れます。


車端部の4人掛けです。2人ずつに分かれた座席の間にスタンションポールがニョキっと(^^; JR東海ではすっかりお馴染みになりましたが、これも315系ではどうなることやら…。妻面には肘掛けのようなスペースがありますが、残念ながら細くて… それでもこの部分に余裕を持たせた功績にあっぱれです。

バケットシートは静岡地区の313系でも見られるはっきり形状がわかるタイプのものです。
この形状自体はなかなかよくできていると思います。座面の高さもまずまずです。ただ、沈み込まないこともあり上に乗っかっているような感覚にしばしばなってしまいます。

 
ひょっこり乗務員室後ろの消火器が登場したドア〜ドア間の10人掛け座席です。座面、背もたれともに3席、2席、2席、3席に分割され、3人、4人、3人に分ける格好でスタンションポールが備わっています。
整理券発行機の裏は妻面同様肘掛けのようなスペースを設けています。
片持ち式の座席です。乗ってすぐはさすがに寒かったですが、少し経てばじわーっと暖かくなります。半自動ドアの効き目もあると思いますし、体験したのが紀勢本線だったからかもしれません。高山本線では果たして…?


袖仕切りです。大型の袖仕切りを満を持して投入してきました。小さかった袖仕切りのデザインを継承したような妙にいびつな形状はさておき、肘を置きたくなる窪みが窓から通路に向けて下がり気味になっているのは暗に「ここは肘掛けじゃないぞ…」というのを示しているのでしょうか。側面との接合部分は独特の加工で、心なしか寄りかかっても髪の毛が挟まりにくいような気がします。
 
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