上信電鉄  7000形
 
  世界遺産に沸く富岡製糸場のアクセス路線として脚光を浴びている上信電鉄。タイミング良く32年ぶりの新型車両として7000形が誕生しました。発注はお馴染み新潟トランシスで、6000形に引き続いてのお付き合いということになります。斬新なスタイルが話題となった6000形程のインパクトは無いものの、1両ずつの発注、まさかの模様なしでデビュー、そして塗装決定後のお披露目…と、既に随時話題を振りまいています(^^;;
見た目はシングルアームのパンタグラフ、そしてVVVFインバータ制御ということもあり、他の車両のくたびれたイメージからはだいぶかけ離れた、キビキビとした走りを展開してくれます。
他の車両に混ざって高崎〜下仁田の運用がメイン。当初は固定運用もあったようですが、今後そのような機会はあるのでしょうか?
(取材・撮影 上信電鉄上信線・下仁田〜上州富岡)

 

 

 


車内全景からご覧いただきます。3ドアセミクロスシートの車内というと大体似たり寄ったりという感じがします。この車両もクロスシートやドア付近に見慣れたパーツがあれこれ展開していますが、全体を見るとあら不思議、あまり体感したことが無い雰囲気が展開されています。その原因は化粧板と天井周りにありそうですが…
2両編成の車内は編成中央部から全く同じ構成で乗務員室まで展開しています。故に車椅子スペースは各車両1ヶ所ずつ、優先席も各車両1ヶ所ずつ、乗務員室の背後に設置されています。

 
車端部です。両開きの貫通扉が設置されていますが、運用中は開きっぱなしのようです。高崎方、下仁田方どちらの車両もロングシートを展開しています。貫通扉の上にはLED表示機がありますが、設置場所の割には文字数・文字の大きさともにもう一歩といったところ。設置場所は良いんですけど、ねぇ…。
妻面には非常通報機もなかなか使いやすそうな位置に設置しています。


乗務員室との仕切りです。前乗前降のため、整理券発行機や据置型の運賃箱、運賃表示機を備えています。両開き扉なので乗務員室の仕切りとドアの間に「運賃箱広場」ができてしまうのは仕方が無い部分ですが、奥行きを狭めてデッドスペースを少なくするような仕様になっています。手すりもあるので前面展望も邪魔にならない範囲でできます。
消火器はドアを挟んだ反対、整理券発行機の下にいます。ピクトグラムの矢印が指す方向からは離れています。


乗務員室の後ろのドアのこれまた後ろに車椅子スペースがあります。2両とも同じ位置に設置されていて、握り棒、車椅子固定ベルト、非常通報機が備わっています。ちょうどロングシートが備わっている部分で、反対側は優先席に指定されています。
吊革のバンドが短いように感じますが、この車両の吊革は全てバンドを短めにしています。故に、クロスシートとの仕切り側にも何か横方向で握れる部分があると使い勝手が良くなったかな、と思います。
控えめな車椅子マークが良い感じです。


中吊り広告の金具が一切ない天井周りです。ラインデリアがある吹き出し口を黒く塗って天井にメリハリをつけている点は斬新で、他社の他車への普及が期待される部分です。また、この画像からは伝わりにくいですが、蛍光灯の押さえ部分を工夫して空調の出っ張りと一体にしているように魅せています。この車両の見どころの一つです。乗車の際はぜひチェックを。


床は灰色の模様一色でシンプルに。ドア周りは黄色く滑りにくい素材で他と分けています。
あ、光の模様はたまたまです(^^;;


ドア周りです。ワンマン列車でも始発・終着・駅員がいる駅ではすべてのドアが開くため、この車両真ん中のドアからも乗り降りができます。ステンレス無地の両開き扉で、ドアチャイムも鳴ります。窓の支持方法はドア部分と段差ができないように工夫されています。ちょっと古く見えるのはドアステッカーがかつて西武鉄道で使っていたものの色違いのデザインだからです…(^^;;
でも、ステッカーのデザインはこれで良いと思います。


側窓です。新車で2段窓も珍しいですが、下段が開くのもなかなか珍しいと思います。窓から手を出さないよう上段しか開かない加工を施す鉄道会社も増えている中、座っている人には嬉しいサービスです。あ、くれぐれも手は出さないでくださいね。
ロールカーテンは軽く引けばOKです。


車端部の座席は4人掛けロングシートです。切り立った背もたれに対して、座面が傾斜している関係で膝裏への圧迫がそれなりに感じられます。全区間乗りとおすと疲れてしまいそうな印象です。また、ワンマン運転時ほとんど前扉の乗り降りになるので保温性はある程度保てるとは思いますが、片持ち式でヒーターの角度がやや難ありといった様子です。
 
ドアとクロスシートの間のロングシートは2人掛けです。先ほどの4人掛けのロングシートもそうですが、座面に縫い付けはありますがモケット上は1人ずつ区分した模様ではなく、2人掛けで一体になっています。私的には紫の優先席モケットは鮮やかかつ近未来感溢れるモケットでかなり好きです。とはいえ、上信電鉄の他形式ではきっと似合わないと思います。この形式でこのモケットだから良い感じなんです☆


本当に仕切りと化しています。袖仕切りです。この形状で幸いなのは荷棚につながる握り棒が高い位置から始まっていることで、雨の日はここに傘をかけてもあまり迷惑にはなりません。それに加えてよっかかりやすいという利点もあります。あとはもう…窮屈なのは我慢です(^^;;


ドア〜ドア間に4人1組の固定クロスシートがスタンバイ。背面はFRPで肘が逃げられるような窪みもありますが、正直あまり機能していません。手すり、そして手すりを設けるために切欠きを設けたクロスシート背もたれの形状が面白いです。ただ、座っている人からするとちょっと鬱陶しく感じる位置の手すりです。


横から固定クロスシートです。ソデ体に見覚えがありますが、逆に言えばこのあたりのデザインはまだまだ斬新なアイデアが出てきていないことになります。
シートピッチとしては必要十分で、高崎駅の駅弁の美味しさを知る者としてはテーブルが欲しかったところですが、贅沢を言ってはいけません。
 
斜めから撮ってみました。この画像でなんとか判別がつくかと思いますが、背もたれ、座面共に1名分ずつ区分を示す縫いつけがされています。ロングシートとの座面のシルエットの違いもおわかり頂けるかと思います。こちらも沈み込みは浅目ですが、ロングシートよりも腰回りのサポート具合は良い感じです。
この座席のポイントは座面の下、脚台です。事務机みたいな色に塗られた華奢な脚が4本生えていますが、片足の座席もある中でだいぶ頑丈に作られている様子が伺えます。それでも座面の下はしっかり空間ができています。

久々に投入された上信電鉄のクロスシート車。新潟トランシスのプロモーション目的の有無はさておき、久々の感覚をいつまでも満喫したいものです。
 
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