上信電鉄  250形
 
  上信電鉄というと2両編成のイメージが大変強く、時折1両で走る列車はプレスリリースで案内されているようですが…2023年の師走、下仁田駅から高崎行きに乗ろうとしたら、なんということでしょう、ポツンとホームに佇む単行の250形の姿…2010年以来13年ぶりの再会でしたが、あの時は2両編成だったし、塗装も広告でデビューの時の斬新な塗り分けもなかったし…なんとも新鮮な再会でした。
元々200形の増結用として登場したようですが、2両編成の他に単行で急行(!)運用にも充当されたとのことで、なるほどこの姿も昔からの利用者にはお馴染みなのかもしれません。お馴染みの利用者の方も驚いたであろう見た目の変化はパンタグラフの換装、シングルアームで見た目がさらに若返っています。
今回は2両のうち251の車内の模様をお届けします。
(取材・撮影 上信電鉄上信線・上州富岡〜下仁田)

 

 

 


車内全景です。3ドアロングシートの車内で、ワンマン設備、冷房など細かい設備が増えている他、モケットも2010年当時から変更され、黄土色に近いモケットは西武鉄道で見たことがありそうな茶色に交換されています。比較は後ほどじっくりと試みたいと思います。
冷房が荷棚の上に載っていることもあり、扇風機やまばらな照明、広告枠がついた吊革…デビューしてから40年が経過してもまだまだデビュー当時の雰囲気が残っています。


下仁田方の乗務員室との仕切りです。上信電鉄の他の車両同様、ドアと仕切りの間の座席は撤去されています。もう見慣れたとはいえ、ステンレスのカバーの下、座席があったと思しき跡が両側に… 運賃箱は向かって左側に寄っていますが、増結時に動線を確保するため、そして運転席が向かって右側にあるためだと思われます。
それにしても…蛍光灯が一本無いことでこんなに暗いとは…登場時から変わらないクリーム色の化粧板もあいまって、つい京王6000系を思い出してしまう暗さです。

 
高崎方の乗務員室との仕切りです。こちらは運賃箱が右側に寄っていますが、左側には冷房機器が床から天井までしっかり占めていますが、こちらの化粧板は冷蔵庫を見ているかのような白色…凸凹感が妙にそそられます。運転席の後ろの窓は防げないから左側に…ということなのでしょう。仕切り扉の引く方向が変えられればワンマン運転の動線も少しスムーズになりそうですが、運転士さん、率なくこなしていました。
右の画像は2010年に撮影した2両連結の時の様子で、運賃箱にカバーがかけられています。


天井です。中央に扇風機、まばらな間隔の蛍光灯、そして広告枠付きの吊革…懐かしいアイテムがここぞとばかりに登場する構成です。近年冷房の隣にシャープの空気清浄機が設置され、賑やかさに拍車がかかりました。
同時期に登場した6000形は分散クーラーがついていましたが、こちらは登場時はクーラーがありませんでした。250形のもう1両、252は分散クーラーで冷房化されたことから、この佇まいこそが251独特の雰囲気を作り上げています。

 
登場時から変わらない扇風機、そして乗務員室とドアの間にちょうど良いサイズで収まっている冷房です。冷房は左右2台ずつ備わっています。13年前に乗った時も、今回も冷房が稼働していない時期だったので冷房の効きが気になるところですが…扇風機が撹拌してくれれば最強説を穏やかに唱えたいと思います。


床です。ドア付近はさすがに補修を重ねている様子が伺えますが、登場時から変わらないベージュ一色の床。点検蓋も前後にチラリ。

 
ドア周りです。そして真ん中のドアには車掌さんがドア扱いできるようにスイッチが備わっています。関東の私鉄でこの手の設備が備わっているケース、珍しいと思いますが…今となっては…(涙
ドアはステンレスのもので、窓ガラスは灰色のゴムで収まっています。ドアステッカー、ドア窓上の広告枠の他に無人駅、無人時間帯のドア扱いのご案内、そして抗菌の処理を施したことを示すステッカーが貼られています。上信電鉄の車両では全ての車両に施したようですが、空気清浄機ともども、時代ですね…。
ドアの開閉時にはチャイムも鳴りますが、このチャイムの音色がなかなか素敵です。えぇ、最近投入された元西武の車両、新型車両にも負けない、素敵なブザーと電子ベルのマリアージュです。


側窓です。下段、上段ともに開く仕様で、ロールカーテンも備わっています。その上、空気清浄機が若干荷棚からはみ出した状態で固定されていますが、お手を触れないで…とのこと。パパッと見える範囲では、プラズマクラスターが光っている様子はありませんでした(というところまで気にするワタシもワタシで如何なものかと…(^^; )

 
座席です。ドア〜ドア間10人掛けのロングシート1種類です。右の画像は2010年の取材時に撮影したもので、この色のバラバラな感じが魅力的(^^;; その後貼り替えたようで、かなり良い状態で堪能することができました。
背もたれ高め、奥行深め、バネの効いたロングシートは味わい深い座り心地です。上信電鉄はブリッジ式のロングシートという曲者が多数在籍しているだけに(^^; この存在感たるや、特に空いている時の寛げる感じがたまらなく良いですネ。

 
記憶では2010年時点で優先席の設定は無かったと記憶していますが、2023年現在、下仁田方の座席の一角に設定されています。ステッカーでのご案内のみで、吊革やモケットでの区別は特段ありません。そして、優先席の頭上には空気清浄機がしっかり稼働しています。


ドアの外の車両も気になりますが、一応元座席だった区画も。蹴込み板やドアコックの形状が全く同じなので初めて乗る方にも座席であったことがバレバレの仕様ですが、暖房は座席の時と全く同じように効いていることから、冬はこの場所に立っていてもじわーっと暖かくなります。特段車椅子スペースのご案内はありませんが、このスペースに車椅子、ベビーカーの方が利用しても、この点では安心できそうです。


ちょっと可愛い「デハ251」のプレート、フォントが前後で微妙に異なるところも、これまた可愛いものです。

夜の単行列車は時にゆったりした揺れとともにまったり進む、素敵な居心地でした。
上州富岡からはお客さんも適度に乗り、またキリッとした表情で進むことでしょう。私は下仁田から上州富岡までの、哀愁漂う無人駅に止まりながらゆっくり進むスタイルが、何とも心地良いのです。
13年後、どうか再会できますように。
 
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