上信電鉄  200形
 
  富岡製糸場を世界遺産に!と側面にデカデカと書いた上信電鉄のオリジナル車です。どうせ書くなら・・・とか、右の画像に写っている影が怪しいとか色々言えて仕方が無いのですが(^^;; このコンテンツでは2次車、デハ204・304のコンビを取材した模様をお届けします。
登場したのが昭和44年で、右側(!)運転台の窓が小さくなっているのが見た目の特徴です。ちょっとウインクした窓配置は京王6000系などでもお馴染みですが、当時のライトピンクにヴァイオレットの帯という度肝を抜いたであろう塗装と共にこの車両の大きな特徴でもありました。
後年デハ204は両運転台化改造がされますが、冷房化は見送られ屋根上も大変すっきりしています。2020年の時点で取材した両者はどうも休車してしまったようで、デハ205の孤軍奮闘が続きます。
(取材・撮影 上信電鉄上信線 下仁田 他)

 

 

 


車内全景はクハ304の車内でご案内します。3ドアロングシートの車内です。
2014年に出会ったこの車内、非冷房ということもあり天井が高いのが新鮮ですが、さすがに古さまでは隠せませんでした。乗った時間がたまたま良かったこともあり、そんなに車内の暗さは感じず、窓が多い分軽快な感覚さえ抱いたものですが、夜に会えばほのかに暗い空間が広がっていたのかなぁ…と思います。

 
デハ204の下仁田方車端部、そしてクハ304の高崎方車端部の様子です。それぞれ乗務員室との仕切りとドアの間が広場になっていて、かつて座席があったことを暗に示すカバーが設置されています。クハ304は足元が確保できないものの、デハ204の運賃箱の置き方であれば片方の座席は使えそうですが…それでも消火器が邪魔ですね。
この形式の運転台は右に設置されています。ビックリするくらいコンパクトな運転台からも昭和の雰囲気を感じます。


デハ204の高崎方運転台は通路として仕切り扉が開放されていました。運転席の後ろが戸袋窓になっていますが、運賃箱が右に寄っています。あれ、先ほどは左に寄っていたのでこちらも左に…?!と思う前に、カバーがかけられて使えないようになっています。運賃表示器は貫通扉の上にあります。
面白いのが窓配置で、戸袋窓と乗務員室の扉の間に窓が一切ありません。窓が多い200形においてこの部分の窓は埋められて、外観上の大きなポイントになっています。この窓の無い部分には広告枠が入っているのが新鮮ですが、他の部分にこの広告枠が波及することはありませんでした。


クハ304の車端部はロングシートです。隣の車両の運転台がコンニチハ…(^^;; 妻面左側の窓は開閉可能だったので思わず「ボンジョルノ〜」と声をかけたくなってしまいます。5人掛けロングシートに吊革、そして運賃表示は早見表になって貫通扉の上に掲げられています。デハ204も運転台増設前はこのような車内だったのでしょうか。


吹き出し口の無い天井は久々に見た気がします。冷房の無い車内、館林とはだいぶ離れた場所とはいえ、ボスブラックを振ってがぶ飲みしたくなる蒸し暑さになることは容易に想像がつきますが、上信電鉄は車両置き換えによる冷房化を進めました。
短い蛍光灯、出っ張ったスピーカー、荷棚、吊革…愛おしい昭和を語るに相応しいパーツが残ったのがご褒美のようなものですが、特に荷棚の線路と垂直方向に鉄棒が走る姿は往年の西武3ドア車にも通じるパーツではないでしょうか。

 
そしてこの扇風機の羽根の色が実にエモい!ほんと、あんたがこの車内の大将です。右の画像はカバーにMITSUBISHI CYCLE FANのロゴが残ったパターンのものです。昔は個別操作ができたような跡が車内に残っていましたが、晩年は一括制御のみの稼働になっていました。


床です。グレー一色の床にドア周りに青緑色の滑り止めシートという仕様ですが、私くらいになるとグレーがちょっと青みがかって見えて茶色のモケットとの相性がかなり悪いように見えてきます。これでも長年連れ添った…いや、なんでもないっす。


ドア周りです。いわゆる塗りドアです。化粧板の色とは違うアイボリーの素敵なドア、渋いです。ドア窓は黒のゴムでしっかり押さえ、そのドア窓には関東の私鉄ではすっかり見なくなった指矢印のドアステッカーが色褪せることなく注意喚起を怠りません。
画像は乗務員室のすぐ後ろのドアで、無人駅ではこのドアで乗り降りを全て済ませることができます。整理券発行機が左右両側についている点が良心的ですが、これは上信電鉄の他の車両でも見られます。


側窓です。この画像ではわかりにくいですが、側窓の間に縦長の鏡が貼られています。そうです鏡と言えば新京成や相鉄の専売特許かと思いきや、上州の地にもしっかり根付いているのです。…と言いたいところですが、こちらは他の車両ではあまり見ません(^^;

 
座席は2種類です。基本はドア〜ドア間の10人掛けで、車端部が客室スペースになっているクハ304は5人掛けのロングシートもあるあるです。ちょっと端的すぎる表現かもしれませんが、モケットは東武でよく見かけたいわゆる「らくだ色」、周りの窓や袖仕切りは西武3ドア車のそれということで、西武と東武のイイトコどりになったこの座席にビックカメラの♪東に西武で西東武〜が聞こえてきそうな展開です(^^;;
奥行深めでしっかり腰かけられる柔らかい座席でした。座り心地はまずまずだったのですが、良く揺れる印象が強かったです。
最晩年には優先座席の設定があったようですが、2014年の取材時点ではありませんでした。


そして覆われてしまった乗務員室背後の座席です。よくよく見るとこのカバーや蹴込み板もどことなく150形の雰囲気を感じるものがあります。150形も200形も元が同じ西武所沢工場謹製だからかもしれませんが、このカバーの形状も150形と同じものでした。
 
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