上信電鉄  150形
 
  1968年に西武鉄道でデビューした3ドア車。今も昔も塗装の派手さは大差ありません。1994年上信電鉄に移籍した後、1997年以降は「群馬サファリパーク」の広告塗装としてシマウマをかたどった奇抜な塗装へと変化を遂げています。夜の闇に隠れたその正体は…シカでもシマウマでもなく、電車だったわけです(^^;;
種車は西武801系という車両で、中間車に運転台を取り付け、ワンマン化改造も施されています。上信電鉄150形は顔こそこの「西武顔」と「切妻国電顔」の2種類に大別できますが、実は種車は3編成とも異なります。そんな中「国電顔」もはるか前に、「西武顔」も2010年本家西武鉄道から引退することになったため、今後より注目されていくのではないかと思います。えぇ、本家シマウマよりも(^^;;;
(取材・撮影 上信電鉄・高崎〜下仁田)

 

 

 


車内全景からご覧頂きます。画像はあっさりした風味になっていますが、実車はもう少し化粧板の色や床の色が濃いかなぁと思います。3ドアロングシート車の車内はかつての西武鉄道を思い起こすには必要十分な装いではないでしょうか。
冷房化は西武時代に行われており、上信電鉄に移籍した際にすでにフラットな天井になっています。この時昭和50年代に自社で作った「新型車両」の多くが冷房化されていませんでした。一体どのような気持ちでこの車両を迎えたのか、ちょっと気になります。


車端部です。一応貫通扉はついていますが開きっぱなしの状態でセッティングされていました。ここも妻窓がしっかり残り、戸袋を兼ねていない下仁田方先頭車の妻窓は開閉可能になっています。

こちらが戸袋を兼ねた妻窓を備えた高崎方車両の車端部です。窓の桟が無いのが特徴です。この手前の座席、座面がやけに黄色です(^^;; これは突然変異でも何でもなく、恐らく他の車両の座面と共有していたり、茶色のモケットが在庫不足なのでやむなく黄色のモケットを用意したものかと思われます。
しかしながら…モケット変更を期に優先席への変更までは結びつかなかったようです。


乗務員室背後の仕切りです。
ワンマン運転のため座席を撤去し、真ん中に運賃箱を置いて「広場」と化しています。そのせいもあって、せっかく大きな窓を備えた仕切りも運賃表などを貼ってあまり前面展望ができない仕様になってしまっています。うーん、勿体ない。
運賃収受の際には乗務員さんが真ん中の大きなドアを開け閉めしてその模様を確認します。


座席は完全撤去…ではなく、座面と背もたれを撤去してカバーをかけた上でシートヒーターをそのまま残しています。
寒冷地、もっと身近な言葉で言えば「空っ風」が吹き抜ける上州ならではのやり方ですが、それを知らない人にとっては単なるデッドスペース以外の何者でもありません。

このスペースをちょっと短くして整理券発行機を設ければもう少し空間の有効活用になったと思うのですが
…考えすぎですか(^^;


フラットな天井は所々ラインデリアが備わっています。デザインは一時代前の斜めに角張ったデザインですが、性能としては必要十分。両脇のまばらな蛍光灯がやや寂しいところではあります。


床も相変わらず灰色一色。西武鉄道で長らくこの色を使い続けていたのでこればかりは仕方がありません。


ドア周りです。無塗装のドアの脇をベージュ色の鴨居部や側面でしっかり覆い、その手前には近年取り替えたであろう整理券発行機が備わっています。無人駅での乗降時や高崎駅などの始発駅では進行方向一番前、もしくは一番後ろのみのドアを開け閉めするため、中間、および車端部側のドアには整理券発行機が備わっていません。

そして…西武鉄道でも見られた「ドアステッカー」。上信電鉄の指はなぜか赤くなっています。注意喚起には適している色とはいえ、ちょっと生々しいものを感じます(^^;;


窓周りです。側窓はカーテンも含めて2段窓の4連。地方の私鉄だとこの部分に広告を貼るケースが多いのですが、上信ではそのようなことはありませんでした。故にスッキリしていますし、逆にはるか昔西武鉄道の通勤車で見られた西武園ゆうえんちの広告ステッカーを貼ってみたいくらいです(^^;;


ではここからは座席サファリパーク。まずはドア〜ドア間の長い座席からです。
西武の座席とはちょっと味付けが違う気がしますが、それはきっと西武101系や西武3000系など既存の西武3ドア車を見過ぎているからでしょう。座面と背もたれの間にスペーサーは入っておらず、袖仕切りのカーブも種車からそのまま受け継いでいます。
モケットも若干茶色が薄い気がしますが、元西武の車両としては納得のチョイスです。


車端部は5人掛けです。乗務員室背後の2.5人掛けがなくなってしまったため、座席はこの2種類+αになります。
座席に疲れはあまりみられませんでした。ところどころ飛ばしているイメージを抱きましたが、その時はさすがに乗り心地がダイレクトに響いていました(^^;; が、ごくごく普通に走っている分には専らくつろげるのではないでしょうか。


イレギュラーなのか?常設なのか??風水の影響なのか???座席単体でクローズアップするとさらに謎の印象が強くなる座面だけモケットを貼り替えた座席です。この車両のモケットが焦げ茶色だから落ち着いた雰囲気で受け取れる、そんな気が強くします。


クローズアップ袖仕切り。鉄の握り棒をU字形に折り曲げた袖仕切りに何ら変哲な点はありませんが、京急1000形、西武旧101系などの引退により関東近郊でこの形状の袖仕切りを見つけるのは本当に難しくなってしまいました。
袖仕切りとしての実用性は近年の流れから取り残されている感じはしますが、この曲線美は見事です。


おまけ。蛍光灯は外されても灯具はこのまま。
乗客はこういうところまでシビアに見て…いるのはオマエだけだと叱られてしまいそうです。

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