上毛電鉄  700型
 
  1998年、京王3000系が群馬にやってきました。嫁いだ先は上毛電鉄、700型を取り上げます。
京王3000系でお馴染みの表情はそのままに、当初は全編成同じカラーリングで登場しましたが、後に側面の帯はそのままに、前面の部分だけ編成ごとに色を変えるようになりました。また、中にはガラッと車内の色を変え、度肝を抜く車両も2008年に登場しましたが、2両編成になっても井の頭線時代を彷彿とさせるような佇まいを維持しています。

2両編成8本が在籍しており、全車両ともワンマン化、冷房を備えています。上毛電鉄全線で運用されており、何色が来るかは運次第という今日この頃です。
(取材・撮影 上毛電鉄線・中央前橋)

 

 

 


車内全景からご覧頂きます。3ドアロングシートの様子は京王の頃から変わりませんが、無人駅では真ん中のドアが開かない、整理券発行機がついているなど、今までの雰囲気とはちょっぴり違う雰囲気になかなか慣れない方もいらっしゃるかもしれません。
個人的には3000系といえばピンクのバケットシートが印象に残っているため、蘇芳色のモケットがかえって新鮮で、印象に残っています。

 
乗務員室との仕切り、そしてワンマン運転の要、運賃箱です。側ドアから仕切りまでの部分は立ち入り禁止になっており、運賃箱を挟んで両側にはくさりで仕切られています。また、座席も撤去されており、残されたヒーターには腰掛けられないよう斜めに囲いが設けられています。そこの部分に乗客がいると運賃収受の妨げになってしまう可能性が高いという考えの結果が運賃箱広場になってしまったわけですが、ちょっとスペースが勿体ないかな・・・と思う気持ちと、種車の関係上仕方がない・・・という気持ちが混ざり合ってしまいます。

前面展望は窓も大きく取られて気持ちが良いものの、かぶりつきはできません。
「テレビに近づいて見ないで下さい」のココロです。


車端部です。広々とした貫通路が目に飛び込んできます。そして両端には縦長の妻窓。シンプルなこの作り、製造した時は後々「ワンマン化に役立つ」というところまで想像していなかったことでしょう。上毛電鉄ではさらに時間帯によってはこの貫通路を自転車が通過するというシチュエーションもよく見られます。無論乗らずに押して通過ということになりますが、この幅広の貫通路はこのようなサービス実現にも一役買っています。


所々あるファンデリアが特徴的な天井です。冷房のダクトなどの関係で凸凹しているのが気になりますが、車内の雰囲気にはすっかり溶け込んでしまっている感じがします。
このファンデリアは車掌の一括操作になっており、自分が取材を行ったのは夏でしたが、残念ながら稼働している様子は見られませんでした。


一方床です。茶色一色というシンプルな床に、画像では全然伝わりませんがこすった跡が所々見られます。
その正体は自転車のタイヤの跡で、ちょっとメンテナンスが大変かなぁ・・・と余計なところをつい気にしてしまいます。


立ち入り禁止の区画まで棒だけ伸びた吊革が展開する側ドアの画像です。
天井高の関係で京王線の頃からドア付近に吊革はなかったため、ちょっと小さめの鴨居部も含めてさほど違和感はありません。整理券発行機の存在が若干乗降時の邪魔になっていそうな気がしますが、実際に乗り降りする時にはほとんど気になりませんでした。


側窓は相変わらずの2段窓。戸袋窓もそのまま。窓の外には緩やかに川が流れています。

 
座席です。大きく分けて2種類になり、ドア〜ドア間の長い座席と車端部の短い座席の組み合わせになります。座席下の作りなど、全体的な構造は京王時代と大差ありませんが、整理券発行機を袖仕切りに設けた区画が何ヶ所かあり、そこの部分は若干窮屈になってしまっています。
モケットは蘇芳色で、同じ群馬県を走る(というよりもライバル的存在の)両毛線の車両でも見られる色合いになっています。座席区分などは特になく、優先席の設定もありません。


さて、整理券発行機の設置場所の恩恵で、整理券発行機が袖仕切りにくっついていない座席がドア〜ドア間で1区画、車端部で1区画、各車両にあります。画像はドア〜ドア間の物です。このシンプルな佇まいとノンビリとした車窓から東京時代の喧噪を描くことは不可能ですが、ノンビリと文字通り「ガタンゴトン」が大きく伝わるゆったりした座席に身を委ねるのも、お馴染みの顔の新たな素顔に迫れそうな気がして、ちょっぴりワクワクしてきます。
 
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