伊予鉄道  610系
 
  画像の都合上1両編成にも見えますし、路面電車の車両では?!なんて思ってしまいそうです(^^;; でも、2両編成で郊外線の車両です。
平成7年に2両編成2本が製造されました。鉄道線では久々の新車となり、長らくステンレスカーとしては唯一の存在だったため、すれ違うだけで「おお?!」とわかる存在感でした。現在は3両編成の3000系が主力になったため、2両編成では何かと使い勝手が悪そうな気がしますが…そういえば、朝の2編成連結の4両編成の列車はまだあるのでしょうか?
京王の中古車と比べて前面の方向幕が大きいのが気持ちよく、路面電車やバスを有する鉄道会社ならではのアイデアでもあります。その大きな方向幕も含め、1枚窓の前面は見劣りしません。このスマートさ、どっかの鉄道会社も見習って欲しいですネ。
(取材・撮影 伊予鉄道高浜線・古町〜高浜)

 

 

 


車内全景です。伊予鉄道では珍しく紫の座席がお出迎えです。3ドアロングシートの車内は登場した時期の流行そのままに明るい車内になっています。通勤車ですが縦方向のポールの本数が少ないため、あまりごちゃごちゃしたうるさい印象はありません。外観、特に側面は同時期に登場した東武鉄道の車両にそっくりとの話が出ますが、車内の構成は関西私鉄を見ているような感じです。


車端部は特に貫通扉などはなく、幅が広めの貫通路が2両をつないでいます。画像は高浜方車両の車端部です。側面は東武車そっくりだから車体は東武の使い回しだ!と言う方も、この幅広貫通路の車端部は東武にはありません。
モケットは他と同じですが、画像のホーム側の座席は優先座席に指定されています。そのためでしょうか、非常通報機が優先座席の反対側の座席近くに設置されています。優先座席側には消火器がスタンバイ。
 
郡中港方の車両の車端部には片側に車椅子スペースがあります。この車椅子スペース、握り棒と車椅子固定器具が備わっています。面白いのが窓下の握り棒、ドアに向かって斜めに設置されている部分があります。一体なぜ?また、妻面の車椅子マークはかなり高い位置にいます。
車椅子スペースの反対側は優先座席が備わっています。こちらも消火器がスタンバイ。まるで優先座席の目印のように使われています。


乗務員室との仕切りです。構成は大阪市交通局や北大阪急行で見られる左・真ん中に窓を配置し、右側にドアを設けるスタイルですが、同一品というわけではなさそうです。車両製造メーカーから仕切りの構成に関して提案があったのかもしれません。
左の窓の上、黒くて四角い表示機がチラッと見えていますが、一体なんでしょうか…?私の予想ではデジタル時計ですが、果たして…?


スッキリした天井周りです。吹き出し口は左右に分散していてラインデリアなどはありません。吊革の数から察するに通勤時間帯の夏場の冷房能力にちょっと不安を感じますが、恐らくファンデリア、ラインデリアをつけなくても問題なし、ということなのでしょう。剥き出しの蛍光灯は関西私鉄よりも関東私鉄っぽく、アイボリーに塗られた器具は消灯時でもそれなりに存在感があります。


床です。ちょっとくたびれている印象で、グレーの濃淡でフットラインを形成しています。郊外線では3000系の導入もあって急速にフットラインが身近なものになりました。
1990年代の車両で点検蓋があるのがちょっと珍しいと思うのは…私だけ?

 
ドア周りです。左の画像は鴨居部にLED表示機が無い仕様、右の画像は引き気味にLED表示機がある仕様になります。交互配置になっていて、LED表示機以外は同じ仕様です。
ドア自体は白い化粧板で覆われており、窓枠もスッキリした仕様になっています。にも関わらず鴨居部の出っ張りだけは引っ込みが効かなかったようで(^^;; 結果路線図が天井にへばりついています。

 
LED表示機を右の画像に、何もない鴨居部とともにご覧いただきます。このLED表示機自体が後付かどうかはわかりませんが、流れる情報量は多く、正直見ていて飽きません。初めて伊予鉄道に乗った時に愛媛新聞ニュースが流れてくるとは思いませんでしたが(^^; この車両も例外なく流れてきます。惜しむべきは画面の小ささで、もう少し幅を長めに、高さもあると見やすかったと思います。


側窓です。戸袋には窓が無く、中間に縦長の窓が並んでいます。窓に広告を貼るのは路面電車を見ているようです。

 
座席はドア〜ドア間の10人掛けと車端部の3人掛けです。どちらも背もたれには着座位置を示すプリントが、座面には縫い付けがされています。固めながらそれなりに沈み込む座面はもう少し奥行きがあるといいなぁという点、そして座席下の空間が足元にだいぶ近い印象を受けました。フットラインに気を取られて足を座席側に引くとゴツンとぶつかってしまいそうな感じです。
さて、この車両の一番の疑問がモケットの色です。郊外線はそれまで赤系統、市内電車では青色のモケットを好んで使ってきた伊予鉄道が、紫をなぜ選んだのでしょうか…? 紫自体正直他社でもあまり見かけない色で…さては、徹底したイメチェンを図ろうとしたのでしょうか?


袖仕切りです。縦方向のポールが無いため肘掛としての機能がメインになります。
内側にもモケットを貼っています。まだ大型袖仕切りが流行る前のものです。この頃の一寸手をかけた作り方、新造車両ではあまり見かけなくなってしまいました…。
 
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