伊予鉄道  モハ5000形
 
  2002年にモハ2100形でスタートした伊予鉄道市内線の超低床型LRV。2017年から増備されている形式がモハ5000形です。真四角だったモハ2100形とは異なるスタイル、特に広告の関係で側面が黒基調になったこのスタイルは格好良さしか伝わりません(^^;;
スタイルの良さは縦長に映るところもあるかもしれません。確かにモハ2100形と比べると縦方向に大きくなっている様子が伺えます。空調関係の機器もこの角度からはほぼ見えません。高野豆腐に例えられていたモハ2100形から打って変わって、これなら多少ぶつ…(以下自主規制)。
すでにモハ2100形の在籍車両数を上回る増備を重ねており、主要駅ではそれなりに見ることができますが、それでもなおステップ車の完全置き換えには至らず…路面電車の世代交代の大変さが垣間見えます。
(取材・撮影 伊予鉄道市内線・古町)

 

 

 


モハ2100形までの青い座席から一転、モノトーンの座席が新鮮な車内全景です。ロングシート、2ドアです。
プラグドアを採用し、戸袋部分の厚みを客席に転換したことで定員の増加を達成できたようで、確かにモハ2100形から僅かばかり床面が広がったように感じます。
モハ2100形に続き、乗務員室からドアまでの部分はステップを上がって利用するスペースになっています。若干天井が高くなっている様子もみられます。

 
乗務員室からドアまでの区画です。画像を2枚掲載しましたが、運賃箱の仕様の違いは増備年の違いによるものです。右の画像の青い運賃箱の方が古いですが…帰ってきて画像を比較してようやく気が付いた差です(^^;;
向かって右側には常設の座席が4人分、左側は…後ほど、座席の項目でしっかりお話しします。
取材中は巡り合わなかったのですが、仕切りに設置された案内表示機のLEDがフルカラーになった車両も近年登場しているそうです。下の液晶ディスプレイはひたすら広告が流れます。


車椅子スペースです。基本はロングシートがセットされた区画ですが、必要な時に座席を跳ね上げて利用することになります。車椅子スペースの使用を考慮して押しボタンが低い位置にも設置されていますが、モハ2100形よりも若干高めの位置になっています。また、手すりも座面裏に備わっており、そちらの使い勝手はモハ2100形とさほど変わりません。
車椅子のピクトグラムの上は「みきゃんアプリ使えます」のご案内。アプリも大事かもしれませんが、ベビーカーでの乗車のご案内がもう少し充実すると良いかなぁと思います。


吹出し口が目立たない仕様になった天井です。加えてLED照明もカバーがつき、フラットな天井周りでスッキリしました。
モハ5000形では車椅子スペースの部分の吊革がドア付近同様若干短いものをセットしています。ここも地味にモハ2100形からの改善点の一つです。


床は灰色を基本にした模様です。ドア付近には黄色いテープで注意喚起を施しています。


ドア周りです。プラグドアを採用し、戸袋が省かれているだけでなく、ガイドレールのような凹凸がドア下部にみられます。その構造もあってか、ドア窓は下まで伸びていたモハ2100形から一転、概ね側窓の大きさに合わせたような上下幅に落ち着いています。化粧板も周りと合わせてあり、ドアらしくない出で立ちです。
鴨居部には開閉に合わせて赤く点滅するランプが備わっていますが、それ以外に戸ばさみや指づめに関する案内は特段見られません。点字とともに「出口」と書かれたシールが窓脇にありますが、こちらも存在感が…(^^;;
それにしても、プラグドアにしてこの鴨居部…出っ張りの大きさばかり目立っていた90年代の鉄道車両におけるプラグドアを思い出すと、小さくなったなぁ…と思わずにはいられません。路面電車界隈では度々採用されているはずなのに、つい思ってしまうのです…(^^;


側窓です。戸袋窓を考慮しなくても構わないということもあり、ドア〜ドア間は開閉可能な窓が2つ並ぶスタイルになりました。上部に内折れ窓を設けています。さすがにキハ30形のような「窓から手を出さぬよう」という案内は見当たりません。この形状であればプラグドアとの接触は起こりにくい…はずです。

 
座席です。ドア〜ドア間は6人掛け、もしくは8人掛けのラインナップです。
1人ずつ区分がついただけでなく、真ん中にスタンションポールが設置されました。若干小ぶりな座席は黒い蹴込み板が備わっていますが、着座時に足を引いた時にぶつからないかと心配になる構成ですし、ゆくゆくは細かい傷が目立ちそうな色ですが、モノトーンのチェック柄のモケットには程良く合っています。


先にドアと乗務員室の間にある4人掛けの座席です。ヒーターの吹出し口に注目いただきたいのですが、ドア〜ドア間の座席とは異なり、吹出し口上部にクッションが設置されています。接触防止を目的としたものかと思われますが、足元が若干狭いことへの配慮でしょうか。ドア〜ドア間の座席にも設置しても良さそうですが…。
なお、モケットは他の車両同様1種類のみの設定で、優先席はステッカーでのご案内になります。車椅子スペースは車両の向きで設置位置が変わりますが、優先席は進行方向前方左側、後方右側が指定されています。


折り畳み座席その1です。車椅子スペースの部分で、こちらは座席展開がデフォルトになります。
若干のクッションが感じられる通常仕様の座席とはことなり、こちらは座面の底つき感が見てのとおり…の座席です。背もたれも通常仕様の方が柔らかめですが、形状はさほど変わらないようで、座面と垂直に交わる感じが画像からも伝わると思います。
そうそう、モハ2100形にあった折り畳み座席の肘掛けが省かれています。


ドアと乗務員室の間に備わっている2人掛けの折り畳み座席、こちらはデフォルトが「折り畳みモード」になります。
その周りには可動仕切りが備わっています。
これ、進行方向前については運賃収受の関係で乗務員スペースの一部になります。いわば運賃収受確認のための通路です。
一方、進行方向後ろについては、乗務員スペースにしておく必要がないため、運転台周りだけ仕切って座席をおいて客席スペースの一部になります。故に座席も含む定員の増加をこのようなナイスアイデアで叶えていく…ただただ拍手です。お見事。
で、この座席…結構復帰力が強くて展開時の状態が撮影できませんでした。座面、背もたれとも車椅子スペースの折り畳み座席と同じような設えですが、用途の異なる2種類の折り畳み座席を1両の中で備えるシチュエーションもなかなか珍しいと思います。


袖仕切りです。立客との分離が上手いことできていますし、半透明の板は着座時の閉塞感を和らげるような効果もありそうですが、上部の太い銀パーツが視界に入ってしまうこと、板状であることの窮屈さは拭えません。複数のパーツを組み合わせて作っているようですが、せめて色合いだけでも、もう少し落ち着いた構成にならなかったのでしょうか…。

それにしても、モノトーンのチェックの柄はなかなか素敵なもので…外観同様、モケットも統一というのはいかがですか…?
 
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