いすみ鉄道  いすみ200型
 
  この顔は第三セクターの顔でもあります。富士重工が1980年代に製造し、多くの第三セクターで採用された「LE-Car」。千葉県いすみ鉄道のいすみ200型もその一員です。小型な車体に黄色の塗装が非常に鮮やかで、沿線の菜の花ともマッチした外観は上総中野で小湊鉄道の車両と並ぶとその新しさや軽やかさがより際だつものでした。
しかし、車両が作られたのは1987年。冷房こそついてはいるものの随所に疲れが見え始めてきています。現在は1両が廃車となり、残り6両の布陣で大原と上総中野を結んでいます。線内運転で完結しているため、JRや小湊鉄道への乗り入れはありません。
画像は大多喜駅に留置中の車両を撮影したもので2両連なっていますが、データイムは基本的に1両編成のワンマン運転となります。
(取材・撮影 いすみ鉄道・大原/上総中野)

 

 

 


車内全景からご覧頂きます。外房線などの車両と比較するとその小ささが目立つ車内はレールバスそのもの。ただ、その小さな車内も全国的には次第に珍しい物へと変わりつつあります。2ドアロングシートの車内はラッシュ時の輸送やワンマン運転時を配慮したつくりと言えるでしょう。
座席のモケットの鮮やかさは今も健在。大きく見える窓も含めてこの車両の印象に残るポイントの一つですが、2009年秋頃よりそれに勝るアイテムが車内に登場し、脚光を浴びています。その模様は後ほど。

 
乗務員室との仕切りになります。左の画像は大原方の仕切り、右の画像は上総中野方の仕切りになります。違いは排煙管の有無とそれに伴う整理券発行機の位置くらいでしょうか。助手席に相当する部分がデッキとして使用されているのはレールバスならでは。前面展望も最前部で…と行きたいところですが、掴まる物が無い事と出入り口としての動線にあたっているので素直に座席に座って眺めた方が良さそうです。


ワンマン設備です。運賃箱はレトロな雰囲気を醸し出していますが、整理券発行機は新しめの物に交換されています。オレンジ色の整理券発行機は急速にその数を減らしているようにも思えますが、果たして…?
また、輸送スタイルの関係もあるのでしょうか、運賃表示器は設置されておらず紙による掲示になっています。


天井は車内中央部から奥を見て頂いています。この上には冷房が搭載されており、その関係で蛍光灯が左右に設けられています。冷房に左右されない部分は蛍光灯を一列に配置し、最低限の灯りを確保しています。天井が低い事もあってカバーつきになっていますが、奇しくもこの手の蛍光灯はバスでもよく見かけるスタイルです。
吊革は短めの物が車内全体に渡って設置されています。


ベージュ一色の床です。このあたりは飽きない色を用いています。

 
ドアステップが二段ある側ドア周りです。
ドアそのものは大きなガラスが印象的な折り戸になっています。バリアフリーが大流行の昨今、ちょっとこのあたりの設備で古さを感じてしまう反面、この手の折り戸も「古さ」を感じさせるほど時が進んだことにもなります。
また、ドア上の天井化粧板に描かれた薄い「●」の模様が良い味出しています。車両によっては陽にあたって消えかかっている部分ですが、残っている車両も乗るタイミングでちょっと見上げてみて薄く見えるかどうか…という程度の模様です。最近の新型車両ではまず感じないポップな雰囲気がgoodです。


この手の窓は路線バスでも「T字窓」といってもてはやされた記憶があります。側窓です。
横引きカーテンがついています。レールとバスの合いの子というポジションにしてこの横引きカーテンだけはそのポジションを大きく超越した存在感があります。特にカーテンを省く手抜き車両が首都圏で横行している今日、カーテンがあって初めて陽射しと暑さを遮ることができるというのを実感できる数少ない機会を与えてくれているのではないでしょうか。
あ、決して「惹かれました」なんてことは言いません(^^;;;

 
座席は長いロングシートがどどんと。座面は奥行き短めで、袖仕切りの独立した形状からも想像できそうですが、短距離向けの座席に仕上がっています。モケットは開業当初から変わらない緑色。特に座席区分のプリントなどはされておりません。床下のヒーターが白く塗られており、緑色ととともに鮮やかな座席になっています。
左の画像は上総中野行きでは進行方向左側、右の画像は右側の座席です。特に優先席などの設定はなく、違いは座席の位置程度といったところです。




さて、いすみ鉄道で近年脚光を浴びているアイテムがこちら。車外にムーミンのキャラクターをペインティングし、車内にもスタンプや画像のようなぬいぐるみを乗せて運転しています。このムーミンたちは乗客に大好評で、取材日もムーミン列車を見る行楽客や家族連れで上総中野駅やデータイムの列車の中は大いに賑わっていました。
ぬいぐるみには沿線のハーブ園で取れたハーブをつけたり、スタンプも車両ごとに分けたりするなど早くもアイデア満載。今後定着するかどうか、絶え間ないアイデアと変化に期待したいと思います。

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