一畑電車  1000系
 
  季節柄この手の装飾を施す会社はまだ多くないと思いますが…車体色がまさかのぴったしカンカンという奇跡…(^^;; 一応、旧型車の色をそのまま踏襲しただけなのですが… そしてなんかもう抜群の安定感を抱かずにはいられないスパッと切れた切妻の表情は出雲市駅にいても全くおかしくありません。
東急から一畑電車にやってきたのは平成26年のこと。現在2両編成が3本在籍していますが、全てこのような顔で営業運転に入っています。なお、貫通扉があるようにも見えますが、隣の5000系同様ありません。
現在一畑電車の運用情報を見る限りではスーパーライナー以外の運用にはまんべんなく入るようで、単行の7000系が予定通り運用に入るとまた若干運用が変わるのかな…という気がしますが、晩秋の宍道湖界隈を疾走するハロウィン顔…というシュールな光景は季節の風物詩として定着するでしょうか。
(取材・撮影 一畑電車大社線・川跡〜出雲大社前)

 

 

 


車内はワンマン設備が目立つものの、東急時代からの雰囲気はそのままになっています。3ドアロングシートの車内です。
一畑電車のこれまでのラインナップを眺めたうえでこの車両に一歩入ると、空間の広さを感じるのではないでしょうか。3ドアロングシートというパッケージ自体は扱いに慣れていると思うのですが、どうも吊革の本数や位置、そしてこの開放感を見ると、ちょっとしたラッシュの需要にも十分頼れる存在としての立ち位置にいるような車両なのでは…と思ってしまいます。
尤も、そのような使い方ができているかどうかはわかりませんが…(^^;;


元々は中間車だった2両、乗務員室との仕切りはこのとおりになりました。貫通扉はないのに中間に扉を設けて両側は着色ガラス…ちょっと景色を見るには難儀しそうな構成ですが、他の一畑電車の車両に合わせたかのような仕切りを設けています。
運賃箱は固定されています。右側の機器箱が運賃箱のケースにも見えますが、機器箱は機器箱、中に収納はできません。吊革は仕切りまでにょきっと伸びています。

 
車端部の仕切りです。特筆すべき事項はどちらの車両にも車椅子スペースが設けられているもののその形態が大きく異なることで、一畑電車でやっている自転車の持ち込みが定着している事も伺えそうな一面です。また、優先席のモケットが車両によって異なる柄ですが、これはもう種車そのままといえばそのまま、座ってしまえばわからないもの…というような声も聞こえてきそうです。
貫通扉は開きっぱなしのままの運用ですが、これは他の車両でも同じ仕様です。
そして、右側の画像妻面座席上の突起が気になります。確か、かつて消火器があった場所なのですが…。

 
車椅子スペースも作り方に差があります。右の画像が一畑電車に登場した際に設置された車椅子スペースで、なるほどネジの跡が化粧板にくっついています。自転車を固定するバンドは同じような位置にありますが、妻面が有効に使えるかどうかを考えると左の画像の車椅子スペースの方が使い勝手が良さそうです。尤も、他社の車椅子スペースでは押しやすい位置にある非常通報機はどちらの車両も貫通扉の鴨居部分に設置されているので、間違って押してしまうことはなさそうです(^^;;
側窓はどちらの窓も固定されています。ここは抜かりありません。


天井周りです。従来の車両と比べてこの部分の進化が最も「新しくなったな〜」と思う場所かもしれません。ただ、私のようなたま〜に乗るうるさい観光客としては元南海電車の3000系のようなライティングの格好良さが失われているのもまた事実です。この先大きな改造は無いとは思いますが、あの「しまねの木」を生み出した一畑電車だからこそ、これからの展開にもちょっぴり期待したいところです。
吊革は車内全体にわたって設けられています。


床は東急時代から大きな変化はありません。茶色い床は座席モケットに良く合います。


ドア周りです。窓の外の貴方が大変気になりますが(^^;;
ドアチャイム、そして半自動ドアのドアボタンが増設された事以外は殆ど東急の頃と差がありません…あ、熊が逃げていなくなっていますね(^^;; ワンマン運転時、無人駅では後ろの車両のドアと前の車両の真ん中のドアは開きません。その手のご案内はドア窓には直接貼っていないので、大きな窓からの視界も下半身が裸の熊に妨げられることなく満喫することができます(^^;;;
画像ではドアボタンが目立たないような印象を受けますが、実際はそこそこ目立ちます。


「しめる」が可愛い半自動ドアのボタンです。黄色でかたどられており、大変わかりやすい仕様に仕上がっています。あまり力を入れずに開け閉めボタンが押せるのもポイントが高いです。英字がやや小さいのと文字が消えかかった時の「余白」が切り詰められているので、今後のメンテ次第ではテプラ大活躍!になってしまいそうな予感もします。
欲を言えば、外の黄色い枠にも点字が欲しかったです。


窓は1段下降窓。カーテンが備わっています。宍道湖畔がキラキラする時間帯もまぶしくないように過ごせるのは大きく、他車より経歴が浅いこともあってカーテンが劣化していなかったのにはちょっとホッとしました。
なお、物干しのロープは常設ではありません。念のため。

 
座席、ドア〜ドア間のロングシートです。モケットも含めて東急時代から見た目で大きな変化は遂げていません。硬めの座面はそのままなので一畑電車のバタバタ走る線路の揺れを拾いがちになってしまうのは、仕様とはいえちょっと泣けてきます…。
一方、これは偶然なのですが座席間にひじ掛けが備わっているので、そこそこの人数がまったり座るデータイムも肘掛を活かした区画に座っている姿を多く見かけました。3ドアロングシート車が何編成かいますが、1区画3人掛けが徹底できるのはこの車両の強みではないかと思います。

 
優先席です。ステッカーと吊革で優先席であることを示しています。できればそこに「この区画は4人掛け」であることを示す表示があるとさらに混雑時に座りやすくなるのではないかと思います。
ちなみに、テプラで座席の上に荷物を置かないで…といった表示や「ハートプラスマーク」の説明書きもありますが、全体的に字が小さいのであまり読まれない、注目されないオチが待っていそうです。後者は車椅子スペースの区画にも貼ってみてはいかがですか?


最後にひじ掛けからの袖仕切りです。半自動ドアがあるのであまり袖仕切りに関してはこだわらなくても良いのかなぁと思うところですが、 東急の頃は結構肘掛の樹脂パーツが痛んでいる様子を見てきただけに、マメなメンテナンスでいつまでもこの緩やかなカーブを維持して欲しいものです。
…いっそ、痛んだら「木質化」も悪くありません。…あれ、柱の向こうからあの方のお顔がチラチラと…(^^;;;
 
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