井原鉄道  IRT355形
 
  見た目はJR西日本のキハ120形そっくりですが…
広島の神辺駅と岡山の清音駅の間を結ぶ井原鉄道の主力車両がこのIRT355形です。県境を越える第3セクターということで、開通当初は「このタイミングで開通??」と疑問に思ったものですが、実際朝晩の乗車状況を見て納得。モトを辿れば井笠鉄道を休止してからコツコツ作った途中で建設中止、そしてようやく開通と言う大変息の長い期間を経て登場したようです(^^;; IRT355形はイベント用の100番台、水戸岡鋭冶プロデュースの夢・やすらぎ号の200番台と3タイプがありますが、今回は主力形式でもある0番台を取り上げます。画像は「早雲の里荏原駅」に停車中の回送列車です。前面のマスクは銀色で、一体感があってまだまだ新しい雰囲気を保っています。
(取材・撮影:井原鉄道/JR伯備線・神辺/総社)

 

 

 


車内全景からご覧いただきます。外観のキハ120形っぽさはどこへやら、天井の作り込みを中心に進化した様子が伺えるかと思います。尤も座席の見た目は変わらないので、キハ120形そっくりの車内ですね〜なんて言われてしまうと何も言えなくなってしまいます。それでもクロスシートの数はキハ120形よりも多く、乗車率と乗車距離を考慮するとそれこそ山陰本線あたりのキハ120形と交換して欲しい勢いです(^^;;


神辺方、つまりトイレが無い側の乗務員室まわりです。このあたりは軽快気動車で見られる構成をそのまま採用したような格好で、向かって右側のドアが車端部に思いっきり寄っているのが特徴的でもあります。
ステップレスなのでドア周りの床仕上げや握り棒がスッキリしているのも特徴ですが、個人的に面白いなぁと感じたのが乗務員室背後の窓の隣にあるドアスイッチです。乗務員室にいなくても操作ができるよう壁の一部を取り外しています。発想としては名鉄電車や水島臨海鉄道のキハ20形でもやっているので何ら不思議ではありませんが、ブザーが近くにないので客席側からドアを閉める時にはダッシュで乗務員室に戻らないといけなさそうです(^^;;


トイレがある総社側の車端部も基本は同じです。トイレの隣には車椅子スペースがあるので、あまり窮屈さは感じません。

 
トイレは狭い扉からの出入りです。車椅子スペースは固定器具と握り棒を標準装備。ステップレスなので乗り降りの補助もラクラクです。近年こそじわりじわりとステップレス化の波が押し寄せていますが、増備当時はなかなか珍しい存在だったのではないでしょうか。
気になったのがトイレのドアに空いた通風孔。立っている方にとってはなかなか気になる位置にあります。これで換気扇が搭載されていようものなら…(^^;;


天井は一般型ディーゼルカーではなかなか見かけない平らな天井にラインデリアまで装備しています。蛍光灯も二列あります。当たり前のようでなかなか無いケースも多いのが軽快気動車。この車内は明るいです。


床はアイボリーの柄物です。

 
ドア周りです。ステップが無いという点もあり、片引き扉をセットしています。半自動ドアのスイッチも手に届きやすい位置にあり、まさに片引きドアの見本のような構成です。
非常用ドアコックのプレートが低い位置にあるのも特徴で、半自動ドアのスイッチよりも目立っているような感じもしますが(^^;; これはこれで大事なことなのでこの位置で良いと思います。


半自動ドアのスイッチは汎用品にシールを貼って「あける」「しめる」を明確にしています。逆に言うと汎用品では若干説明力に欠けていることになります。ボタンの周りも色分けしてもう少しわかりやすいカバーに取り換えるなど、シールが剥がれてきたら「次の一手」に出ても決して損は無いと思います。


側窓です。ロールカーテンとテーブルが備わっている点は嬉しいですね。一方、帽子掛けは窓の桟の部分に一つずつしかついていないので、重ね着をする時期には争奪戦になりそうです。

 
ここからは座席、まずは座面がバケット形状になっているロングシートです。座面下ヒーターの取っ手が面白いですが、それも含めて格好はJR西日本のキハ120形と同一です。モケットは赤茶色といった具合で、座席下ヒーターは銀色無塗装のままで、落ち着きながらも明るい車内を演出しています。
画像は神辺方の7人掛けと車椅子スペース隣の3人掛けです。

トイレの脇は5人掛けです。見た目の変更は特になく、7人掛けと3人掛けの間…というポジションだけです(^^;;
座面のバケット形状は見た目ほど強くありません。逆に言うとそれとなく沈み込みはしてくれます。僅かな量ですが(^^;;
質素な作りの袖仕切りは冬が寒く、ビニールレザー調のクロスシートの背面と合わさった部分については夏場汗をかくとジトッと肌につきそうで、半自動ドア、冷暖房完備に若干甘えている面が見え隠れしているようにも感じます。


JR西日本のキハ120形ではお目にかからない2人掛けです。私が見る度に「アベック向け」と心の中で叫ぶシートです。ここにも取っ手が2ヶ所あり、後ろには縦長の窓まで完備しています。


クロスシートはドア〜ドア間に左右4人1組で4組ずつ備わっています。フレーム自体はキハ120形と同一で、あまり見たことはありませんがこれも汎用品の一つとして捉えても良さそうです。
肘掛けや握り棒などがとにかく細めにできており、繊細な印象を受けます。暗に「優しく扱ってね☆」と言われているような気がして、こちらの文の勢いがなくなりつつありますが・・・
 
ロングシートと同じくバケットを意識した縫い付けがされており、ロングシートとの足し算の如くヘッドレスト部分がニョキッと伸びた格好のクロスシートです。配管が窓の下に通っているにもかかわらず縫い付けを左右同じ幅で行うのは私はあまり快く思っていません。それに加えて、座面の沈み込みが浅く、垂直にキリッと背筋を伸ばして座るような格好にさせられてしまいます。もう少し背もたれの形状を腰にフィットするように改良して、座面の奥行きを広げて欲しいものです。
ラッシュの時間帯などで定員通り着席すると窓側が少々狭く感じるのも配管の関係が全てです。うーん、この足元の配管までは技術が追い付いていないのでしょうか?
言いたいことをどりゃぁっと言ってスッキリ爽快。


でも、この配慮は嬉しい物があります。
席に座れるか否かは別にして、岡山駅でお弁当を買って伯備線で移動してから広げる汽車の旅が楽しめます。この優越感を味わうには最適な乗り心地に仕上がっています。座り心地は落ち着きませんが…(^^;;;
 
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