広島高速交通(アストラムライン)  7000系
 
  広島の新交通システム「アストラムライン」。ここも世代交代の流れ、2020年から新しい顔として7000系が登場しています。
斬新で凛々しい表情ですが、驚いたのは夜の7000系。なんということでしょう、シンボルマークの16ドットが光っているのです。ホームドアで表情が確認しにくい中での演出に惹かれますが、竿灯まつりを思い出したのはきっと私だけではないと思います…(^^;;
現在順調に増備が続いていて、徐々に乗車する機会も増えてきているように感じます。令和6年度までには現行の車両を一新する計画だとか。公式サイトを見ると冷房や定員着席などの面で6000系と比較しながら7000系を期待するような記載もみられます。7000系が描く明日の広島は、一体どのような景色が広がっているのでしょうか…。
(取材・撮影 広島高速交通広島新交通1号線・広域公園前 他)

 

 

 

 
車内全景です。左の画像は中間車、右の画像は先頭車です。ビックリするくらいモノトーンの車内、6000系よりもシャープでコントラストが大きくなった車内に仕上がっているのは6000系のグレーよりも濃い、黒に近いグレーを多用しているからだと思います。各車両とも中間に両開き扉が1つ、ロングシートの車内です。
なかなか各地の新交通システムを乗り比べる方はおられないかと思いますが、6000系よりも「あれ、これどこかで見たような…」という部分がチラチラとみられます。一方で、吊革手すりの接合部分、広告枠の間にあったいわゆる「山吹色」のアクセントが少なくなった代わりに、優先席やドアの黄色が結果としてより目立つような仕上がりになっています。ちょっぴり寂しさもありますが、これはこれで悪くないと思います。

 
車端部です。左の画像は先頭車も含めた車端部で、ドアから妻面にかかえて片側5人掛け、もう片側が6人掛けのロングシートが展開しています。右の画像は中間車のみの車端部で、進行方向前から2両目、3両目は進行方向前側に、4両目、5両目は進行方向後ろ側にこの車端部が登場します。優先席とフリースペース、2人掛けのロングシートのコンビですが、2人掛けのロングシートは少ししか見えません(^^;;
貫通路は片側のみの設置になります。ガラス張りで、ほぼほぼ広告が貼られています(^^;; 妻面も何かと広告枠が充実していますが、座席が妻面までピタッと展開する区画の頭上にはスポットライトが灯っています。このあたりの気配りはお見事です。


広告枠が残った乗務員室との仕切りになります。左側はフリースペース、右側には4人掛けのロングシートが展開します。
広告枠に何も貼られていない時は単なる黒い壁になります(^^;; 広告枠の右隣も同じ黒い壁で、この形式で前面展望を望むのは立席に限る…といった状況です。故に、いっそ視点を変えてフリースペースの16個の丸い窓から床にこぼれる光を追いかけた方が愉しそうですが…この遊び、子どもの頃の私だったらすぐに飽きていそうです(^^;;
天井に近い妻面を鏡面仕上げとしています。車端部であれば以前はこの位置に冷房の吹出し口があったわけで…技術の進歩の恩恵をひしひしと感じられる部分ですが…意外とこの仕上げ、他の新交通システムでも見かけます(^^;;

 
フリースペースは各車両に設置されました。示されているアイコンは中間車がベビーカーのみ、先頭車には車椅子のマークも備わっていますが、中間車に車椅子で利用されても気にはなりません。
非常通報機と手すりを備えていますが、中間車には1席分補助席が設けられています。以前は2席分用意がありましたが、今回は1席分。仕切りを兼ねた背もたれを活用するとフリースペースにロックをかけて止めたベビーカーと相対して座ることもできるわけで、なかなか考えた配置だなぁ…と思った次第。尤も、背もたれを最初見た時に立てかけたアイロン台にしか見えなかったのはナイショです。


天井です。中央に吹出し口、そしてダクトの出っ張りにLED灯のあかりが反射される姿、初めて見た時はなかなかインパクトが大きいのでは…と思います。とはいえ、それぞれ役割がはっきりしている中で天井周りに遊べる余地を残したのは若干勿体なく感じる部分もあり、出っ張りの部分にサンフレッチェやカープの選手の写真を貼りまくる装飾がそのうちあるのかなぁ…と思わずにはいられません。
吊革は優先席とそれ以外の区画で明確に色分けされ、どちらも16個のドットが刻印されたオリジナルのものを使用しています。RCCイブニング・ふぉ〜のスタジオ宝さがし級の隠れドットだと思いますが、こちらは賞品は出ません(^^;;;


床です。中央にドット柄を配し、左右に濃いめのグレーを備える構成はなかなかお洒落で、優先席やフリースペースのドットにもしっかり色で役割を持たせています。
一方で、ドット柄を床に配置することによってどうも頭の中には点字ブロックを連想させてしまうのは考えすぎでしょうか。注意喚起をしない模様であれば、もう少し濃淡を抑えても良いのでは…と思ってしまいます。


ドア周りです。乗っていて面白かったのはドア窓が下までぐいーっと伸びているところで、意外と高い位置に設置されたドアステッカーの効果か、結構下まで見える景色の醍醐味が新鮮です。画像は夜だったので真っ暗(^^;;ですが、窓の下の方には16個のドットが描かれています。
ドアそのものは白い化粧板が貼られ、静かに開閉されます。開いている時は鴨居部の赤いランプが点灯し、開閉時は点滅します。

 
鴨居部の液晶ディスプレイです。全てのドアにディスプレイが設置されています。次駅案内や行先案内などが流れる中、お奨めは路線図の表示です。駅を示すマークの色が実に美しく、アストラムラインは山吹色だけじゃないんだ…とハッとさせられます。マーク、小さいんですけどネ(^^;;
広告枠と路線図が液晶ディスプレイの隣に千鳥配置で貼られている他、2022年8月に乗車した際には「HIROSHIMA GOOD DESIGN」のマークが貼られているものもありました。


側窓です。この部分、上3分の1程度が内側に折れる窓ですが…この窓の構造は6000系から引き継いだものになります。開けた時に荷棚のものが窓から落ちないように荷棚の作りも一工夫施されています。
窓の下3分の2程度は固定窓ですが、窓の下辺よりも背もたれの方がほんの僅か高い位置にきています。いわば窓の下辺が窪みになっている格好ですが、外から見る分には気になりません。

 
ここからは怒涛の座席様さま。通常モケットだけでドア〜妻面まで6人掛け、5人掛けのロングシートで、全ての車両に備わっている座席になります。必ず左右6人掛け、5人掛けのセットで設置されていて、6人掛けの妻面の1席は目の前が壁になりますが、あまり気になりません。
片持ち式の座席でバケットシートになりました。6000系の座席が「セダンの後部座席」だとしたら…7000系は「2シーターのオープンカーの運転席」のような感覚でしょうか。通勤需要が旺盛なアストラムライン、夕方6000系と乗り比べた時は結構バケットシートが重宝しているような印象でした。

 
優先席を含む座席は中間車が3人・3人の6人掛け、先頭車は2人・2人の4人掛けです。どちらも優先席の下には消火器が見えます。
オレンジの背もたれが優先席の目印、通常仕様のモケットは16個のドットが示されていますが、優先席にはハートのマーク…あれ、これもどこかで見たことがあるような…そういえば背面の優先席のステッカーも…(^^;;


中間車の車椅子スペース脇の補助席、そして2人掛けの座席です。周りとはちょっと違う、壁に囲まれた空間…(^^;
座面が着座時に追随しているのか、結構座席どうしで比べると凸凹しているように見えるのが特徴で、背もたれの両脇をキュッと引き締める造形に狭さを感じる方もおられるかもしれません。逆に6000系のフワフワ感はちょっと…という方は適度な沈み込みがジャストフィットするかもしれません。そして、座り心地よりも気になったのが減速時の小刻みな振動…


袖仕切りです。どこかで見たような形状ですが、荷棚に至る手すりが座面から出ているのがポイントです。立客分離、座る方の余裕、どちらも中途半端な上に傘もかけられない形状になっています。ここは6000系のゆとりのデザインが少し恋しくなります。


昼下がり、床に映った16個のドットがゆっくり移動する様を眺めながら移動するひととき…
運賃だけで乗れる車両で、こういう時間の過ごし方ができるとは思いませんでした。
 
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