北総鉄道  9100形[2次車]
 
  北総鉄道というと私が住んでいる東京の西の端からのアクセスが遠く、高額な運賃もあいまってあまりにも乗りにくい私鉄というイメージが強かったのですが、今や「スカイライナー」効果で私も度々使う鉄道の一つになりました。
平成6年に登場した9100形も乗る機会にようやく恵まれました。が、どこで取材しているんだバカモン(怒)!との声には♪右から左へ受け流す〜♪
…今まで見たことが無かったデザインに心がときめいたものの、1次車2編成、2次車1編成の布陣は浅草線でいくら待っていても、北総線で待っていてもなかなか登場しないものでした。後年京成3700形の兄弟形式とのコメントを見てもなお、独創的なデザインは90年代を代表する通勤車といっても過言ではないと思います。
(取材・撮影 都営地下鉄浅草線・泉岳寺〜西馬込)

 

 

 


車内全景ですが、あれ、こんなに華やかだったっけ?と思い、フリーズしたのが正直な感想です。もっとモノトーンで落ち着いた車内だと思っていたのですが…どこかのタイミングでモケット変更したのでしょうか?
3ドア8両編成で、4・5号車を境に各中間車の先頭車寄りにクロスシートを設けています。また、押上方から1・2号車、3・4号車、5・6号車、7・8号車の隣り合う車端部はロングシート、クロスシート関係なく優先席に指定されています。京成車とは統一されていますが、東京都交通局の車両とは統一がとれていないので、都営地下鉄線内の案内では若干異なる部分が生じます。こちらの車両の方が出会う確率が少ないので、もはや笑って許して状態です…。


乗務員室との仕切りです。右側に非常通路がある関係で、一直線にアクセスできるような仕切りになっています。このあたりは東京都交通局の車両っぽさを感じつつ、思いの丘カクカクした印象も持ちます。
ドアと仕切りの間には広告1枚分の奥行きの立席スペースがセットされていますが、階段やドアの関係で浅草線や京急線内では意外と重宝するのではないでしょうか。吊革もしっかり伸び切っています。


その後ろには車椅子スペースもセッティングされています。グレーの車椅子ステッカーに対して青いベビーカーシールに時代とともに忘れ去られるデザインコンセプトの哀しさを感じずにはいられません。
車椅子固定器具や非常通報機、そして握り棒もしっかりセッティングされています。床は特段区分けされていません。北総線内では横の窓や前面の窓からまったり景色を眺められるのではないでしょうか。

 
ロングシートの車端部です。左の画像のとおり機器スペースを設けて5人掛けとしている部分、そして先頭車など6人掛けでスタンバイしている部分があります。車端部の座席定員が形式によってコロコロ変わる京成の利用者であれば慣れたものかもしれませんが、この形式はクロスシート部分もあるのでさらに座席定員がバラバラです。とはいえ、私のような一見さんでも座れなかった時にこの車両の隣だったら2人分座席が多いから座れたかもしれない〜と思うことは多分無いと思います。
爽やかな水色の貫通扉は下まで伸びた窓が素敵で、握りやすい取っ手、すーっと閉まる機能もついて素敵な逸品です。

 
2次車のクロスシート部分は片側になり、もう片側は5人掛けのロングシートに変わりました。優先席部分は右側の画像ですが、遠目から見てもモケットの青色が目立っています。
クロスシート部分は座席数自体は少ないものの、ドア周りのスペースは広めにとれて、握り棒もかなり大きなものが用意されている事が伺えます。混雑時間帯にはよりかかることも想像できますが、よりかかるには中途半端な位置に握り棒があり、居心地は…うーん…。クロスシートでは悩みの種になりがちの吊革の位置もクロスシートとギリギリのところに設けられていますが、あれ、クロスシートには取っ手が無い…。


天井です。私的にはこの天井のデザインが一番気になりました。ラインデリアと蛍光灯の間の化粧板の造形。吸音板の如く小さい穴が規則的に並んでいます。このデザイン、最近の水戸岡先生にも通じるところがあるというと大袈裟ですが、日本の鉄道車両の要所要所で穴の大小、配列を変えながら登場してくるものです。あ、やっぱり大袈裟ですね?!そんなデザインをこんなに間近で、そして通勤車両で見られるとは…感無量です。


床はツートンですが、残念ながら元々この色合いなのか、褪せてきてしまっているかはわかりません。ただ、この色が元から変わっていないとするならば、座席の濃い色に対してあまりに淡すぎて、もう少し両縁を目立たせた方がわかりやすいのでは…と思ってしまいます。

 
ドア周りです。鴨居部は千鳥配置でLED表示器と路線図が展開しています。近年黄色のラインが追加されていますが、外観のクロスシート部分=黄色の鮮やかさとは真逆の、大人しいドアだったことも容易に想像できます。
面白いのがドア窓の形状で、かつて北総鉄道でも走っていたような片開き扉を彷彿とさせるようなスタイルに思わず熱盛!を押したくなってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。この形状を採用した通勤電車、他には207系の試作車くらいしか思い浮かびません。

 
LED表示器ですが、時代の影響もあるのでしょうか、横幅が短めの仕様で灰色の部分が目立ってしまっています。次駅案内、行先案内などを展開しています。それよりも細かいのが横幅一杯に貼られた路線図。長い距離走っているんだなぁとしみじみ眺めたいところですが、この電車が行かない駅もそれなりに掲出されています…。


1段下降式の窓は広々しています。間の桟が黒で処理されている点もお洒落です。

 
座席、まずはドア〜ドア間です。車椅子スペースの脇は5人掛け、あとは8人掛けです。
それなりに柔らかさも感じられる90年代ならではのバケットシートで、座席下のヒーターもしっかり完備。袖仕切りにやや時代を感じるものの2本の横棒がドア側に少し膨らんだスタイルは座席の乗客への配慮とも受け取れ、なかなか良い仕事をした座席だと思います。ただ、座面の凸凹は人によっては若干窮屈に思うかもしれません。

 
車端部です。6人掛けの優先席は先頭車など、5人掛けの座席は中間車で登場しますが、どちらも両側ロングシートの車端部の座席になります。妻面の余裕の有無がポイントですが、この些細な差が大きいという事実…。
優先席のモケットは青系のもので、京成車そのままの仕様です。

 
クロスシートの脇のロングシートも5人掛けです。ここの区画のロングシートは2次車で初めて登場しましたが、妻面、貫通扉そばの握り棒にクロスシートだった頃の設計の名残と思える部分が残っています。このスペースを最小限に留めた握り棒もお気に入りです。
クロスシートに向かって座る座席になるので、空いている時間帯であればクロスシートの方の横顔が気になるのは事実です。ただ、都営浅草線や京急線では時に気にならないくらい混むこともありますし、クロスシートのお客さんは涼しく壁を眺めているわけで、そこまで気にすることはありません。


クロスシート、まずは背面からです。2次車では基本的に壁に向かって座る2人掛けのクロスシートを2組備えています。
やはり90年代に流行した樹脂パーツの背面ですが、やはり近年は汚れが目立ってきています。これをキレイにする方法って何かないんですか?と思うくらい…。
やはり、ここのパーツは化粧板が良いと思います。

 
固定クロスシートです。右の画像が優先席です。
壁に向かって座る閉塞感がプライベートな空気を包み、ロングシートだとちょっと気になる他の方の視線がこの座席だとあまり気にならないのは大きな利点です。肘掛けは片側だけで、座席自体片持ち式です。
灰色のモケットが思いのほかモッサリと見えて、あまりスポーティさを感じませんが、黄色いモケットのクロスシート画像を見るともうちょっと格好良く見えるのですが…うーん…。

 
少し引いて2席入るような図を撮影してみました。妻面の壁もコンニチハ!しております。
この座席、片持ち式なのですが結構細かい振動を拾います。特に通路側の席は気になりますので、気になる方はロングシートの方が良いかもしれません。
また、ドア側の窓側席は脚台の関係であまり足が伸ばせません。妻面側も同様ですね。この座席に乗りたい!という強い熱意が空回りするような車両数なので、たまたま来た時に普段とはちょっと違う車両に揺られてみようかなぁ…くらいの軽い気持ちで乗るのが良いと思います。
 
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