北陸鉄道  7700系
 
  外観画像を見ると浅野川線の紹介…だと思われますが、行先は鶴来の文字…北陸鉄道石川線に1編成だけ投入されたのが7700系です。
浅野川線に8000系が投入完了から遅れること9年…これまで予備車だった3750形に代わって投入されました。
7000系同様足回りの改造に結構部品をかき集めているようで、浅野川線とは別の形式を振られています。
1編成だけの存在で、それこそ日中は7000系を含めた6編成のうち2編成のみの稼働になることからなかなか出会えませんでしたが、先日ついに会うことができました。で、ドアが開いた瞬間、浅野川線とは何かが違う雰囲気がそこに…?!
浅野川線の車両置き換えが進むと一層注目されそうですが、ぜひ、浅野川線とのハシゴをお奨めしたいと思います。
(取材・撮影 北陸鉄道石川線・野町〜鶴来)

 

 

 


車内全景です。3ドアロングシート、なかなか濃い味付けでお出迎えです。
浅野川線の8000系は化粧板がアイボリーに変更されており、このクリーム色の化粧板はこの編成だけの特徴ですが、逆にまさかクリーム色の化粧板が愉しめる空間が広がっているとは…。そして、浅野川線でもお馴染みの臙脂色の座席ですが、まさかのバケットシート…浅野川線に03系が入るまでは北陸鉄道唯一の存在でした。
床の模様のような跡はサイクルトレインが定着している証で、同様の跡は上毛電鉄でも見ることができます。

 
乗務員室背後は座席を撤去し、運賃箱と車椅子スペースを備えています。ここまでは浅野川線8000系と同じ構成ですが、この7700系は仕切り扉上にLED表示機を設けています。行先や次駅案内を率なくこなしますが、ワンマン運転の運賃表示は紙の掲示にお任せしているようです。座席撤去後にクリーム色の化粧板を新たに貼っている部分もありますが、消火器共々すっかり馴染んでいます。

車椅子スペースです。ヒーターと手すりを備えていますが、車椅子スペース用として床面に斜めに張り出した手すりを一本増設しています。非常通報機などは特段無く、利用する際もチェーンを乗務員さんに外してもらう必要があります。
ちょっと気になったのが戸袋窓と側窓の間にある黒い箱。これが非常通報機の代わり…と思いきや、マイクジャック、マイク受けなどが備わっています。7000系でも同様のものがありますが、ワンマン運転で使用する場面は果たして…。
いや、歌わせてくれるのであればこの上なくシアワセですが… ♪ほくほくほくほくほくりくづくり〜 とか(^^;;


車端部です。幅広の貫通路と両側の座席はどちらの車両も一緒ですが、画像手前、野町方車両の車端部は冷房が1台撤去されています。ただ、これだけ貫通路が広いので直接冷風を浴びたい時以外は周りとさほど居住性が変わらないのでは、と思います。現に、何回か乗る中で車端部に近い乗車ドアの隣の座席は結構座っている場面を見かけました。そして、扉の無い貫通路は無人駅での乗り降り、特に新西金沢駅の改札をやっていない時間帯は行き来が頻繁にあり、適材適所だなぁと唸った次第。
優先席の設定はなく、モケットも他の座席と全く同じです。


天井です。丸みを帯びた天井に分散クーラー、ファンデリア…心くすぐる設備が整っています。7000系の冷房改造車が割とゴツい印象なので、実にスマートですし、心なしか明るい印象です。単に種車そのまま…といえばそれまでですが(^^;; 種車だから期待していたのがスピーカーの「KTR」ですが、この7700系では網目の細かい、英字が入っていない仕様になっています。

 
ファンデリアは緑の羽根がチラリ。そして車両1か所だけ残っている支えが1本の中吊り広告。この支柱の美しさは中吊り広告、吊り具部門第1位だと未だに思っています。


床はベージュ一色です。先述のとおり自転車の跡が目立ちますが、それ以外にドア手前には黄色い帯が貼られています。その日は石川線7000系、浅野川線8000系片開扉車にも乗りましたが、貼られていたのはこの編成のみ… こちらも北鉄デビューの時点で貼られていたのでしょうか…?

 
ファンデリアが気になりますが…側扉です。左の画像は乗務員室のすぐ後ろのドア、右の画像は車端部よりのドアで、無人駅では先頭車両の前・後ろのドアだけ開きます。
無塗装ステンレスのドアは種車から変わらないものの、半自動ドアのボタンがすぐ脇に設置されています。なぜか「開」しかありません…(^^;; 中扉には整理券発行機なども無いため種車の雰囲気そのままのドアが残っていますが、開く駅は限られていますし、シャッターチャンスはそれこそもう…。

薄緑色のスピーカー、帰ってきてからやたら気になっています。


ということで、開しかない半自動ドアのボタンユニットです。一応「閉」ボタンが押せそうな雰囲気がありますが…浅野川線8000系のような無理矢理塞ぎました的な加工がこの7700系にはありません。また、高さは若干高めですが、扉と戸袋窓の間、押しやす〜い所にあります。


側窓は2段窓です。この2段窓のうち下窓が開かない仕様になっていますが、開かないことを知らせるステッカーが明らかに京王でよく見かける書体で、京王ユーザーにとってはちょっとニヤリとできる場面だと思います。東京メトロの窓に貼った注意書きのステッカーのようなもので、会社名が入っていなかったのが功を奏したのでしょう。

 
座席です。ドア〜ドア間は8人掛け、車端部は7人掛けのデュオで、すべてこの臙脂色のモケットです。
バケットシートですが、京王、北陸鉄道どちらの施工になるかがずっと引っ掛かっています。他私鉄の譲渡車で未更新車のバケットシート車がない一方、あえて北陸鉄道がバケット化を行う理由が思いつかないのです。京王3000系は更新の際にバケットシートに切り替えており、今でも伊予鉄道で活躍していますが…京王時代の施工のような気がするのですが…うーん。
今も座面の沈み込みはそこそこ…といった具合で、程良く柔らかな座り心地が90年代らしさを物語っていますが、座った場所によっては硬い席もあり、見えない所で徐々にくたびれてきているのかなぁ…と。特に、端の席は鈍感な私でも「え?!」と思う硬さでした。


袖仕切りはパイプ形状で、どこまでも種車の設備を活かしています。
言いたいことが色々浮かんできてしまうのは一旦置いて、まずはこの先もしっかり地域の足として活躍してくれることを願うばかりです。平日昼下がり、ちょっとレトロだなぁ…と感じるようになってきたこの車内も、程良い居心地を提供していると思います。
 
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