広島電鉄  800形
 
  軽快にデビューした700形に続いて広島電鉄が増備した単車が800形になります。が、最初の2両は700形に似ていて、いったいどっちがどっちなのやら…(^^;;; ブラックフェイスに角型ライトという800形お馴染みのスタイルに整ったのは1990年に増備された805号から。今回は807号の車内を中心に、2021年に取材した時の模様をお届けします。
単車が走る路線ではよく見かける存在で、おはようからおやすみまで駆け巡っている印象です。2つの車庫に割り振っていますが、車両数は千田車庫の方が多めになっています。2018年からは機器更新が始まっており、今後も活躍が続くものと思われますが…この形式を最後に単車の増備がストップしている広島電鉄、次に単車が増備されるときは…やっぱり800形ですかぁ?!
(取材・撮影 広島電鉄宇品線・広島港 他)

 

 

 


車内全景です。2021年に取材した車内ですが、2018年に乗った時には無かった物が早速写っています…(^^;
ロングシート、補助ステップつきの車内は軽快電車の面影をしっかり今に伝えつつ、握り棒の増設、吊革の色分け、優先席の設置など細かい改良を常に加えている印象です。700形とは床の色や窓枠の色で見分けることができそうですが、800形初期車の窓枠は銀色なので、700形に含めたくなる気持ちも理解できます(^^;
車掌ブースが入口扉のそばに備わっていますが、隣の窓は大きな戸袋窓になっており、外の様子を顔を出して伺うことはできません。最近乗ると、この場所で立つ方をよく見かけますが…確かに寄りかかるには良いスペースです。


乗務員室との仕切りです。700形に準拠した構成ですが、仕切り右側のスペースを遮るカーテンが初期に製造された車両はアコーディオンカーテンのような厚みの横引カーテン、809号以降はロールカーテンが備わっています。で、画像の807号はロールカーテンに改造されたのでしょう(^^; 812号と比較すると枠の色味が若干異なります(^^;;;
仕切り周りの寸法は700形からあまり変化が無いように思われますが、運賃箱とステップの間のスペースは700形よりも若干余裕があるように感じられます。


天井です。左右両側に設置された冷房の吹き出し口の間にも吊革が1列備わっている、広島電鉄ではお馴染みのスタイルです。この部分は700形からあまり変化が無かったようで、その後の細かい改良も700形と同じく…と言えそうなものが多いです。
優先席の吊革は少し長めのものを備えています。加減速に合わせて揺られる様は長くなればなるほど愉しいもので…(^^;;


床です。800形は灰色の床を採用しています。天井とは異なり、700形との差を感じられる部分になります。

 
ドア周りです。まずは入口のドアからです。片側のみドアの脇に幅800mmの立席スペースが設置されていますが、特段車椅子スペースとしての案内はありません。
両開き扉は幅1200mmを確保、両側にPASPYのカードリーダーを備えていますが、補助ステップがあるのは外から見て左側のみです。ステップは滑り止め防止の加工も施していますが、超低床車に慣れると「よっこいせ」という感覚についついなってしまいます。

一方、出口は片引き扉です。先ほどの「入口」は車外側から見て読むようにセットされていますが、「出口」は車内側からわかるように表示されています。
ドア自体は大きな窓と長い手すりが特徴で、化粧板を貼ったものになります。機敏に動くのがなかなか素敵で、ステップがある分ドアには近づきにくいはずですが、窓の隣には戸袋への引き込みを注意するステッカーが貼られています。

 
さて、コロナ禍で鉄道車両の換気がクローズアップされ、多くの鉄道会社で窓を開けて走る姿、その窓から雨水が吹き込んで大慌て…なんて場面も見られたと思います。
広島電鉄では2020年9月、低床車、連接車、700形、800形、1900形を対象に換気用のスリット板を左右各1ヶ所設置し、雨天時も常時窓からの換気を行う旨プレス発表がありました。Youtubeでは800形を用いた換気実験を公開するなど、換気についての取り組みを喚起…じゃない、周知しています(^^;; 
車両によってスリット板の幅が違うのは若干引っかかりますが(^^;;; スリット板を用いた換気方法、これから続々と採用されるかもしれませんね…。

 
座席は1人ずつ縫い付けで区分されたロングシートで、ドア〜ドア間は画像の10人掛けと11人掛けが、ドア〜乗務員室は左右両側とも8人掛けがスタンバイ。区分されているとはいえちょっと狭い印象で、ちょっとはみ出し気味の方もちらちら…あ、運転席上のミラーに映るはみ出した人は…取材班でした(^^;; なんだか京王7000系の座席を彷彿とさせるデザインですね。

暖房機器の出っ張りが目立つ座席は奥行浅め、背もたれは壁にピタッとしています。乗車時間とスペースを考えればこのあたりの落としどころが良い所でしょうか。何より、くたびれている様子が見られないのは嬉しいものです。
 
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