広島電鉄  5100形
 
  江田島にサイクリングして広島港に戻ってきたらやたら派手な低床車が…2016年冬、広島カープやサンフレッチェ広島のラッピングを担っていたのが5100形、グリーンムーバーmaxです。
元々超低床車としてグリーンムーバーが登場しましたが、2005年、国産メーカーによる製造で登場し、1号線系統ではすっかり主役に躍り出ています。
特に驚いたのが「広島」のイメージの一つとして5100形の座席モケットをキャンピングカーの内装に採用したことで、広島県内での販売だったのが残念だったくらい…欲しかったなぁ。amazonの欲しいものリストに今からでも入れたいくらいです(^^;;
5両1編成の連接車体で、先頭車はA車、B車のコンビ、真ん中の台車付き車両はE車、間に挟まったフロート車両がC車、D車と振られています。
(取材・撮影 広島電鉄宇品線・広島港 他)

 

 

 

 
車内全景です。まずはA車からC車、E車…と眺める図を左の画像に、D車からE車…と眺める図が右の画像です。
中吊り広告がC車、D車に集中的に配置されていることもあり、一部分を切り取っただけでかなり雰囲気が異なるものです。それでも控えめながら十分目立つ蛍光色の手すり、落ち着いた紅葉柄のモケット、そしてダウンライトにちょっとした落ち着きさを感じるものです。グリーンムーバーとは一線を画す構成…もう少しヨーロッパの息吹を感じたい個人的な感想はさておいて…手慣れているように感じます。

ど真ん中のE車からC車、A車と見ています。車内の配置としては真ん中の車両はドア無し、ロングシートのみで5両中1両のみのもの、その両隣は左右対称で同じ配置、先頭車も左右対称で同じ配置となっています。全ドア乗降が始まる前は進行方向前から1両目、4両目に降車用の扉が、前から2両目、4両目に乗車用の扉が設けられていました。
…で、画像はサンフレッチェ広島のラッピングが施された車両の車内です。5両中3両で中吊り広告がないので、天井にもラッピングが施されているのが手に取るようにわかりま……あ、ハンドですか、そうですか…。


乗務員室との仕切りです。1段高くなった乗務員室、意外と車内から見ると広さを感じるものです。そして画像左側のクロスシートからもよくわかるのは乗務員室周りの視界の良さ。それにしても…クロスシートの足元と出口の動線のせめぎあいが超低床車の工夫でもあり、泣き所でもあります…(^^;
仕切りの上には意外にもLED表示機つきの運賃表示機がスタンバイ。超低床車の車内の中では少しレトロに感じる部分かもしれません。

 
C車、D車からE車方向をを見た車端部が左の画像、先頭車の方を見た車端部が右の画像です。いわゆるフロート車両から台車つきの車両へとつなぐ車端部の構成で、床を見ていると台車つきの車両の方は弧が描かれています。
幅の広い貫通路がポイントで、黒い幌がカーブの度にウネウネ…と見える姿はなかなか愉しいものです。一方、居住性を考えると切り立った壁…限られたスペースに手すりも備えてとなると、この形状が最適解ということなのでしょう。特に1人掛けの座席の狭さを乗った時から感じさせるポジションです。

 
E車からD車方向を見ると貫通路の向こうにLED表示機が小さく灯っているのが伺えます。狭い車内で中吊り広告があると先頭車の表示が見えなくなってしまうモノですが、小ぶりながらもしっかりフォローしているのは流石です。また、貫通路の関係で暗くなりがちな場面を選んで設置しているのであればお見事!ですし、個人的には表示機上のダクトが何より気になってしまうモノです。熊本電鉄や筑豊電鉄あたりで見かけるようなダクトをどことなく思い出させるようなフォルムが魅力的です。


車椅子スペースはC・D車に1か所ずつ設置されています。趣味誌のデビュー当初の取材では折り畳み座席が設置されていたような画像を見かけましたが…取材した2016年冬に巡り合った編成はすべてこの仕様でした。
ベルトの上、腰当てになるポジションにクッションがいますが、車椅子の方がこのクッションを握ると思うと少し太いのでは…と思います。一方、スペースを床にしっかり明示している点は利用者からすれば嬉しい配慮で、この手の表示としては結構早い段階での整備ではないかと思います。


天井です。吊革の手掛けが2種類混在しています(^^;; グリーンムーバーとは趣きを変えたスポットライトを主とした照明はなかなか良い雰囲気で、なるほど狭いスペースでゴチャゴチャしそうな天井もこれでスッキリ!ママも満点あげたい気分です。
それでもC車、D車は中吊り広告が加わってゴチャゴチャした構成にならざるを得ない感じで、結構中吊り広告の間隔が狭い印象です。


灰色の柄で落ち着いたムードでまとめた床周りです。ツブツブはこの後登場するグリーンムーバーAPEXの方が目立ちます。

 
ドア周りです。C・D車に設置された片開き扉が左の画像、先頭のA・B車に設置された扉が右の画像です。どちらもプラグドアを採用し、鴨居部が大きく出っ張っています。
コバルトブルーに塗られたドアに大きな窓はグリーンムーバーの意匠をそのまま引き継いだ格好で、この窓の大きさが超低床車のアイコンのようでもあり、乗ってドア越しに車窓を眺めるとその迫力を感じるものです。
一方、先頭車のドアのドアコックは少し大人しくなったようで…鴨居部にレバーという直感的なわかりやすさよりも、多少わかりにくくてもちゃんと明示してある方が良いのでしょうか…?


C・D車に1か所設けられた両開きドアです。ここにも車掌台や車椅子スペースが近くにあり、幅が十分確保されていますが、先ほどC・D車片開き扉で床に備わっていた手動スロープがありません。片開き扉から車椅子スペースへ直接出入りできる動線を確保したかったのでしょう。
こちらもプラグドアで、枠ギリギリまで横幅を確保したドア窓がポイントです。鴨居部の案内表示はシールを貼ったものです。


E車で窓周りを見ていきます。上と下ではっきりと窓枠を分けている様子が伺えます。そのうち上窓が開くことができます。取材は2016年の冬のこと、今は一部窓にスリット板をはめ込み、雨天でも換気ができるように改造されています。
荷棚が頭上にある座席もありますが、こちらは少数派です。


ここからは怒涛の進め!ザセキ元気丸。まずは真ん中E車、端から端までロングシートです。
端に肘掛けを設け、若干窓枠からはみ出した背もたれの弧がなかなかお洒落ですが、ぎっしり7人掛けの座席が詰まったスタイルはなかなかの迫力です。
座席の下の機構上仕方が無いのですが、蹴込み板が垂直で足を引っ込められないこと、座面の高さが他の座席よりも座らなくてもわかるくらい高くなってしまっています。連結部分の処理もあり、床の高さの調整だけではうまくいかないのでしょう…。


C車、D車に設置されたぼっち席です。後ろに窓はありません。先ほどあった肘掛けもありません。連結部分の床の処理もあり、妻面ギリギリまで座席を設けることができたのでしょう。グリーンムーバーから座席数の増加も目標の一つだったと伺っていますが、この努力は涙なしには語れません…(^^;;
そうそう、蹴込み板は足元が引っ込められるような形状に仕上がっています。こうでなくっちゃ。
 
1人掛けのロングシートは車掌台の隣にもひっそりと。広島電鉄で車掌台だと背もたれになるような大きい板が登場しますが…どうでしょうか、このぼっち感…(^^;;;なんだか一度座ったらクセになりそうなパーソナルな空間です。
モケットは紅葉柄の落ち着いた柄。一目で広島だと感じ取れる、お洒落で素敵なモケットです。


車椅子スペース、車掌台隣の1人掛けの向かいは2人掛けロングシートです。画像だと少しわかりにくいですが、ここは袖仕切りの上にモケットが両面貼られたクッションがスタンバイ。車掌台の隣ほどすっぽり覆われるわけではないですが、立客との分離にはそこそこ役に立ちそうなアイテムです。…設置される、されないの基準がよくわからないのはさておき(^^;;

 
4人掛け、5人掛けのロングシートもあります(^^; 右の画像、5人掛けはC・D車ともに優先席に指定されていますが、ご多分に漏れずモケットは他の席と共通です。
弧を描く背もたれが窓枠にしっかり収まっているのがポイントです。本来はこの形、E車の座面の高さがここからも伺えます。
真っ平な座面に垂直な背もたれ、少し窪みがあるとはいえ背筋が伸びそうなフォルムは短距離、短時間向けのセッティングです。座面の底つき感は見た目よりも薄く感じさせるもので、これから先、クッションがへたってくるとどう感じることやら…。

さて、右の画像ではスタンションポールも映っています。人の流れの邪魔になるとのコメントもチラチラ見かけますが、実際に何回か乗る中でそこまで邪魔しているようには感じませんでした。寄りかかったり、小さいお子様が握れるところが増えたり、悪くない仕事をしていると思いますけど…ね?!

 
タイヤボックスの処理の関係で先頭A・B車ではクロスシートが設置されています。右の画像はクロスシートに挟まれた区画で、恐らく左右の背もたれにもたれかかる格好で座るような座席かと思いますが、なんとも不思議な形状です。
この白い天板に広告を貼るのはわかると思います。ただ、窓を背に座ることもできるような形状であることを考えると、パンフレット置き場にするのは着席の邪魔になってしまうのでは…と思います。

この座席配置も5100形以降の超低床車で見ることができるので、いつかこの座席の座り方の調査とかやってみたいですね。
(あと、正しい座り方のレクチャーはぜひyoutubeチャンネルの小ネタでいかがですか…?)

 
妻面、乗務員室に面したクロスシートです。背もたれの幅だけ見るとかなり広く見えますが、窓周りにデッドスペースがあり、実際に座ると思ったよりも足元が広くない印象を受けます。
また、ムチムチの背もたれ、座面はロングシートよりも柔らかい座り心地です。そして…座面の形状やしわの入り方、縫い付けを見ているとなんだか見えてくるのです…キャンピングカーの折り畳みベッドに(^^;; それはさておき、座面どうしの隙間から察するに、形状の保持が大変そうです。

そして…前面展望をお子さんと一緒に少し幅の広い座席で…なんてシチュエーション、考えただけで乗りたくなってきます。
 
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