広島電鉄 3900形
 
  1990年から増備された連接車で、平仮名表記の「ぐりーんらいなー」としては最後の系列になります。つまり、3950形から急に装いを変え、グリーンムーバーの度肝を抜くようなデザインにつながっていく、最後の世代ということになります。
とはいえ、モケットを3950形と同じ色のものに貼り替えているケースが続出、どうもあちらの方に憧れる節があるようで(^^; このコンテンツでは車椅子スペースがない1993年増備の3904編成の模様を、2016年頃に取材した原型モケットの車内を取り上げます。
ブラックフェイスでキリリとした外観は市内電車の800形あたりに通ずるデザインで、今見ても格好良いなぁ・・・と思うことしばしば。近年は京急電車のような塗装に扮した広告電車もこの系列が抜擢されていますが…京急の車両に通じるものがあるのでしょうか・・・?
宮島線の直通列車を中心に活躍中です。
(取材・撮影 広島電鉄宮島線・宮島口 他)

 

 

 

 
車内全景です。左の画像は先頭車の車内、右の画像は若干ショートな中間車の車内です。3連接車の車内です。
ぐりーんらいなーの名に相応しく、床や座席の色はグリーンだよ、いいんだよ…な装いで、これまでの茶色のモケットから一新しています。背もたれの横線も愛称にかけたのでしょうか、相性抜群だと思います。
そしてこの形式では冷房の吹出し口がラインフローになって見栄えが一新。網棚のデザインも3800形から若干の変化が見られるなど、座席ばかり気にしているとついつい見落としそうな部分の進化が伺えます。
先頭車は片開き扉2ドア、中間車は両開き扉1ドアで、全席ロングシートです。

 
車端部です。中間車、先頭車の順に並べました。
貫通路は広電の連接車ではお馴染みの光景ですが、少し角ばって見えるような気がするのは私だけ…でしょうか。手すりや鎖の設置状況は他形式と合わせてあります。そうそう、フットラインを形成する床は連接部分もおかまいなし、端から端までラインを貫いています。
化粧板の色が明るいせいもあるかとは思いますが、これまでの広電の車両よりも心なしかこの部分が明るいように感じます。


乗務員室との仕切りです。こちらも連接車、単車問わず広電では結構良く見るスタイルですが、ちょっと興味深いのは仕切り右側に「禁煙」と書かれたシールが貼られていることでしょうか。恐らく途中で仕切り右側の空間に仕切り窓をつけた時に貼られたものだと思いますが、私の記憶が古いことも手伝い、3950形や3800形ではこの位置のシールを見たことがありません…。禁煙もさることながら「ガラスが入っているよぉ…」というのを示したかったのでしょうか。
ご多分に漏れず運賃表示機は設置されていません。運賃の確認は戸袋窓の上、運賃表でどうぞ。


ラインフローが設置された天井です。ラインフローだけ暗めの色で塗り分けているデザインはついつい東武の通勤車を思い出してしまいますが、3800形と比べるとやはりあか抜けています。
直接天井からぶら下がった吊革を中央に据えて、左右あわせて3列の吊革がぶら下がる姿は連接車ではすっかりお馴染みの光景です。次に登場した3950形では手掛けがいわゆる「おにぎり形」になっていることから、吊革も過渡期だったことが伺えます。


床はツートンです。全ての形式に乗ったわけではないですが、広電でツートンの床って正直珍しい方だと思います。フットラインで通路の確保…と目論んでいたのか、当時の通勤車の流行に乗ったかどうか…は定かではありません。路面電車に乗り慣れている市民の方が多いのでしょう、取材中足をだらーんと前に投げ出すような光景はあまり見ませんでした。

 
出口のドアは先頭車両進行方向前方と最後尾の中ほどの2か所で、どちらも片開き扉です。最後尾の運賃収受は車掌さんが行います。
取材した時点で端の部分が黄色くなり、補助ステップがついているような構成に変わっていますが、乗務員室脇のドアに関してはさらに引き込まれ注意のステッカーも貼られています。
白い化粧板が貼られたドアは側窓よりも若干大きい窓が特徴です。どちらも運賃箱に加えて乗車用のカードリーダーが鎮座していますが、整理券発行機はありません。

 
入口のドアです。先頭車中ほどのドアと中間車のドアが担っており、後者は両開き扉で幅を広くとっています。
片開き扉の脇には車掌さんが立ってドア開閉ができるようなスペースが備わっています。出口の扉もそうですが、乗務員室脇のドアよりも若干幅が広くなっていますが、降りる時に2人一緒に…とはいかない、絶妙な幅を確保しています。
両開き扉は3500形から始まる軽快電車の一連の流れの中で、入口扉だけは採用され続けています。こちらも片開き扉同様に側窓より少し長い窓がアクセントです。
画像では隠れて見えないですが(^^;; 整理券発行機は乗る時右手に来るように、ICカードリーダーは両側にそれぞれ設置されています。

側窓です。2段窓は窓枠の色をちょっとお洒落に黒くしています。外から見るとこの窓枠の処理が結構見た目のウェイトを占めるような気がしますが、車内から見ても…ばりえぇじゃん。
上段だけ開閉可能で、ロールカーテンも備わります。

 
ここからは怒涛のびしびしばしばしランラン座席。始めは先頭車の乗務員室〜中扉で、7人掛けと9人掛けの座席です。
編成を見渡して割と長めの座席がこのポジションになりますが、どうしても出口に近い側は埋まっていることが多い印象です。左の画像は車掌さんが寄りかかれるようなクッションを備えていますが、窓と干渉しないような形状が独特です。内側は他の袖仕切り同様にモケットが貼られています。

 
先頭車、中扉から車端部にかけては7人掛けと3人掛けの座席が展開。そのうち2席は優先席ですが、2016年の取材当時は「ゆずりあいの席」でした。今もモケットの色は青だと思いますが、3950形と同じモケットに切り替えた車両は通常モケットが青、優先席が灰色という有様…広電はこのあたりのバリエーションが豊富とはいえ、もう一工夫欲しいところです。
1人ずつ区分された縫い付けが特徴ですが、緑のモケットもあまり目立っていない上に、この縫い付けどおり座ると幅の狭さばかり気になってしまいます。

 
中間車の座席です。ドアから車端部にかけて、「ゆずりあいの席」を含む7人掛けと狭さが際立つ2人掛けのデュオです。
先頭車は1か所のみだった「ゆずりあいの席」、中間車は左右2か所に設けられています。
ヒーターの出っ張りが気になるところで、この出っ張りとフットラインを意識すると、特に冬場は足元がそれなりに窮屈になるのでは…と思います。薄い背もたれと座面の柔らかさは自然と着座した時に奥深く腰かけられそうな誘いの予感がする一方で、ホールド感は今一歩で、加減速が続くとちょっと疲れてしまいそうです。
 
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