広島電鉄  3000形
 
  元々西鉄車だった3000形ですが、広電に移籍してからの活躍の方が長くなっており、このピンクの塗装もすっかりお馴染みになりました。幼少の頃に眺めた本にこの形式で方向幕が毛筆だった時の写真が載っていて、その格好良さにしばし呆然としていた記憶があります。今思えばなぜこの形式を載せていたかが気になって仕方がないですが(^^;;
宮島線直通時代の乗車は叶いませんでしたが、ラッシュ時を中心にひょっこり1系統や5系統に登場しては乗れたり、乗れなかったり…が続き、ついに初めて見てから13年、念願の取材ができた次第です。
2両連結の車両は荒手車庫で留め置きされていますが、この3000形は3連接の車体です。この画像ではちょっとわかりにくいですが、前面のちょこっとくの字になったお顔がハイカラです。うん。今も十分格好良いっす。
(取材・撮影 広島電鉄宇品線・広島港〜宇品5丁目 他)

 

 

 

 
車内全景です。左の画像は中間車からの1枚、右の画像は先頭車から3両通しで撮影した画像です。ロングシート主体の車両は輸送力自慢の印でもあり、ラッシュ時に広島駅の行列を一気に解消させたのは驚きました。画像で見るとやや暗い印象を持ちますが、広告と蛍光灯の配置の関係で、実際乗車する分にはさほど気にはなりませんでした。
茶色のモケットは後発で登場する軽快電車800形と同じですが、クリームの壁の色合い、床の色、バス窓と懐かしむアイテムがゴロゴロしている、大変素敵な車内です。

 
連結部分です。左の画像が中間車から先頭車への撮影、右の画像は先頭車から中間車への模様です。こちらも少し暗く見えますが、この中吊り広告、方向幕の出っ張り、路面電車では珍しい荷棚からの袖仕切り…と、引きこもり感満載の仕様が左の画像の右側の席になります。右側は…車掌ブースを兼ねているのでちょっと落ち着きません。連接車が幅を利かせる広電では決して珍しいアイテムではありませんが、それでも緩やかなカーブを描き、場所によっては厚めのひじ掛けがお目見えするこの連結部の美しさ、見ていて惚れ惚れしてきます。

 
乗務員室との仕切りです。ここだけ折戸が採用されています。左の画像は運賃箱をセットする前の模様、右の画像はセット後のものです。ここも蛍光灯の配置は必要最低限といった具合です。窓際にPASPYがついているのが面白いですが、始発の停留所ではこのカードリーダーが使えることもしばしば。降車時は運賃箱のPASPYリーダーを使います。
運賃表示器は一切ありません。縦3連の広告、一番上は中吊り広告に隠れてしまうこともしばし見られますが、取材時はマツコさんの顔がどーんと見えました… なんだろう、この迫力(^^;;


天井です。ここまで蛍光灯の数ばかり言っていましたが、意外と冷房関係の設備はスマートで、ゴツい印象は一切ありません。1990年代後半に冷房装置の交換を行ったのが功を奏する感じで、くたびれた感じもしません。そして3列の吊革がラッシュ時の強い味方。元西鉄路面電車としてお馴染みの筑豊電鉄2000形は2列で郊外電車の雰囲気が強く感じられましたが、吊革の列だけで急に路面電車らしさを感じるものです。


床はちょっと緑がかったグレー一色です。軽快電車とは一線を画すちょっと重たい色ですが、ここもくたびれた様子は感じられません。連接台車のぶぶんもキレッキレです。

 
扉です。広電への移籍時に先頭部以外の扉をすべて片開き扉に換装しています。大きく出口・入口と書いてあるところが広電っぽいですが、それでも重く見える扉は外観の雰囲気によく合っています。中間の扉には車掌が押すブザーが設置されていますが、お客さんが間違って押さないように注意書きが書かれています。単車にある降車ボタンが無いのはちょっと不安かもしれません。
近年引き戸の方には引き込まれ注意のステッカーが貼られていますが、大きいステップもあってあまり引き込まれがなさそうなドアなのに…とつい思ってしまいます。とはいえ、注意喚起することに超したことはありません。


バス窓です。私がテンションが上がる要因の一つです。網棚は座席によって無い所…むしろ無いところの方が多勢を占めます。あまり大きなものは載せられませんが、江田島や松山からのお土産を載せる分には威力を発揮することかと思います。

 
座席です。まずは2人掛けです。左の画像は中間車のもので、厚めのひじ掛けがポイントです。先頭車側はモケット張りといった様相ですが、それでも貼ってあった方が嬉しいのは違いありません。
茶色いモケットは800形に通じる1人ずつ区分けされたロングシートです。
正直座り心地は特筆すべきものではありません…背もたれ切り立ってますし、奥行きそんなにないですし、足元狭いですし…でも、座れてナンボの時間帯の救世主であれば、この座席でも座っていきたいものです。

 
ドアから車端部にかけての座席は戸袋の前、ドアコックの穴も見える座席です。この座席で興味深いのは着席定員を縫い付けで区分しているにも関わらず、関係の無い位置に座面・背もたれの区切りがついている点、そして優先席への変更が加速していく中、ゆずりあいの席のビニールがついている点です。前者は戸袋に更新した際に区切りをつけたものだと思います。メンテナンスを考慮して…だと思いますが、見た目が明らかにハズレ席になっているのはお茶目なような、滅茶苦茶なような…。後者はいまのうちに…というところでしょうか。


乗務員室からドアにかけてのロングシートです。車掌が腰かけられるような仕切りも合わせてのご案内です。前面展望もどうぞ!のロングシートです。ここは座席幅こそやんわりと示されているものの、途中でクッションが分かれるようなことはありませんので私のような幅が広いおっさんでもなんとか安心して座れます。


ドア〜ドア間のロングシートです。こちらも戸袋部分の座席のみクッションが分かれている仕様です。
袖仕切りの下側「クルンッ」となっている部分が私的には大変お気に入りです。ああ、こういうセンスはもう今の車両には見られないんだろうなぁ…と、お好み焼きをつまみながら嘆きたくなってしまいます。

 
なお、編成によっては「クルンッ」が無い代わりにやたら硬そうな袖仕切りが登場する編成もあります。その袖仕切り版の全景が右の画像ですが、キャラメルのような袖仕切りだけで食欲…じゃなかった、車内の見栄えも少し変わってくるものです。車掌ブースの設置などを見るとおそらく広電での設置になるかと思いますが、このあたりは当日の運用の運次第、好き嫌いも人それぞれって感じです。そして、私は「クルンッ」の袖仕切りの方が好きです。


さぁ、あなたも広島電鉄のちょっとレトロなトリップへ行ってらっしゃい!(Dressingちゃんぽい口調でご唱和ください(殴))
 
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