阪神電鉄  8000系[ロングシート車]
 
  赤胴車と呼ばれる塗り分けもリニューアルとともにすっかり数を減らしてきました。今回は8000系の中でも平成3年以降製造され、平成26年現在赤胴車の塗装を維持している編成を取材しました。
基本的には更新車と運用は同じで、大阪梅田から山陽電鉄に乗り入れて姫路まで、尼崎止まりの急行からロングランの直通特急まで何でもござれといった様相で、取材した列車も西宮始発の特急姫路行きという妙に中途半端な列車でした(^^;; 山陽電車とは車内設備に違いがあり、ある意味姫路から乗りとおす人にはガッカリする一面もありますが、必ずしも100%直通特急向けではないと断言はできません。
それにしても…あの日の早朝の特急で途中駅から乗ってきたサーフボードのお姉さん、どこで降りたんだろう…
(取材・撮影 阪神本線他・西宮〜高速神戸)

 

 

 


車内全景です。全車両3ドアロングシート、この編成では車椅子スペースはありませんでした。
元々座席モケットは赤系の物でしたが、モケット更新により今の茶色いモケットになりました。解放感の中に落ち着きのある雰囲気はそのモケットがもたらす効果が大きいでしょう。新開地で並ぶ阪急電車のよそいきの雰囲気、山陽電車の賑やかな雰囲気とは大きく異なる、阪神電車の個性がにじみ出ています。この編成はそれに加えて大きな側窓が良いアクセントになっています。

 
車端部です。左の画像は通常のモケット、右の画像は優先座席のモケットで、各車両の姫路方が指定されています。
妻窓も縦長に広くとられ、貫通扉の縦長具合も気合が入った長さです。この貫通扉の幅でフットラインが形成されており、床と一体になっている様子がここからでも伺えます。惜しいのが消火器入れの出っ張りで、ここは妻面と平らになるようにフタを設けたかったところです。
なお、取材日が祝日だったため若干特別な車端部になっています。

 
乗務員室との仕切りです。こちらも姫路方先頭車のすぐ後ろが優先座席に指定されています。色のチョイスは山陽電車にも似た感じで直通特急ならではでもあります。乗務員室の仕切り自体は単純な構成ですが、扉上部が少し空いていたり、横引きのカーテンが阪神電車らしさを表しています。この部分、実は5000系、8000系、1000系と時代の変遷を追っていくと細かな改良や調整が加えられている面白い部分で、5000系の扉を見ると8000系の中途半端な開き具合がいかに継承されたものか、よくわかるものです(^^;;
縦長の側窓、貼りすぎの優先座席ステッカーも見所です。


天井です。ドア周りには吊革が無いため、ラインデリアが良くわかる部分にもなっています。その両側にカバーつきの蛍光灯がスタンバイ。豪華さをウリにするわけではないですが、灯具が直接見えないように工夫している点がいかにも関西の私鉄らしいです。この点は1000系には引き継がれませんでした…。


床はフットラインを構成するベージュのツートンです。座席との色の組み合わせの上で汎用性が高く、埃がわかり難い色です。後年更新の際に灰色の床に更新されているようですが、この色を引き続き使わなかった理由を聞きたいくらい素敵な床です。

 
ドア周りです。両開きドアで千鳥配置のLED表示機が目を惹きます。「みなさまの足阪神電車」をキレイに撮影することが密かな野望です(^^;; 右側のドアはLED表示機が無いものですが、鴨居部の出っ張りはLED表示機に関係なく同じように出ています。
側窓に負けない大きなドア窓が特徴です。


LED表示機です。LED表示機の出っ張りはあまり大きくありません。文字の大きさも読みやすく、この大きさが後継車にも引き継がれれば良かったのに…と思うこともしばしばあります。表示内容は次駅案内から広告まで多彩で、これも停車駅間の走行時間が長い赤胴車ならでは。キャッチコピーが変わったことで今後表示内容に変化が出るかどうかが気になるところです。


ドア〜ドア間は8人掛けのロングシートです。モケットは登場時のものとは異なりますが、座席形状自体は登場時から変化はありません。バケット形状が強く、特に背もたれの縫い込みは他の車両よりもはっきりしています。座面はある程度沈み込むので極端に硬い印象はありません。座席としてはまずまず良いのですが、運用として使い方がちょっと残念なのは車両のせいではありません。

 
車端部は5人掛け、乗務員室の後ろは3人掛け。この手の座席は足元の障害物は避けたいところですが……消火器入れの関係で妻面がハズレ席と化しています。視界的には貫通扉脇の握り棒も邪魔ですが、これは仕方が無いです。画像ではかなりモケットの色のバランスがバラバラですが、実際に乗るとそこまで気にはなりません。
座席下ヒーターの奥行きと座面の奥行きとの差が大きいので、足元ヒーター前のスペースはそれなりに確保されています。この世代の車両ではヒーターの形状が結構まっすぐ切り立っている方だと思いますが、いかがですか?

 
縦長の小さいステッカーがこれでもか!と貼られている優先座席です。原則として各車両の姫路方が該当し、姫路方先頭車は3人掛け、他の車両は5人掛けで両側に設定されています。モケットは紫をベースに8000系ならではの模様を施したモケットで、他の車両とベース色をを合わせながら形式の独自性を持たせているのはなかなか上手いと思います。


独特な意匠の袖仕切りです。阪神オリジナルの形状です。外側から見ると妙な形状ですが、内側から見れば肘掛の機能も備えている様子が伺えます。また、内側にはモケットも貼っているのは見た目も好印象に映ります。

ただ、袖仕切りの銀色の握り棒が視界に飛び込んできてしまうのはやむを得ないとして、座面と袖仕切りの間に服を挟みそうな隙間がチラッと見えるのはいただけません。挟んで破けることは無いとは思いますが、ちょっと挟まって一瞬動きにくくなったりする時ってイラッときませんか?そのイラッの原因にならなければ良いのですが…
あ、私が短気なだけですかそうですか(^^;;;
 
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