阪神電鉄 7890形・7990形
 
  昭和49年から52年にかけて製造された赤胴車で、元々4両3編成12両しか作られませんでした。その後、4両が廃車になった後で6両編成とともに武庫川線の2両編成が作られ、現在は武庫川線の2両だけが残っている状態です。武庫川線の他に回送列車として阪神本線の尼崎〜甲子園を走ります。
この顔の赤胴車、昔は一杯走っていたのですが今はこの2両のみと寂しくなってしまいました…。本線系統では塗り分けがオレンジと白になって若返った赤胴車も8000系として1両いますが、この顔にはこの塗装の方が見ていて安心します。惜しむべきは武庫川線の最高速度が低めに設定されていることで、回送列車で爆走する姿をどうにか営業列車で見てみたいものです。
(取材・撮影 阪神電鉄武庫川線・武庫川〜武庫川団地前)

 

 

 


車内全景です。3ドアロングシートの車内です。実は武庫川線では両開きドアは少数派です(^^;
モケットの変更や更新工事が盛んな阪神電車の中で、蘇芳色のモケットを伝える数少ない車両になりました。妙に化粧板が白いのが気になりますが、貼り替えでもあったのでしょうか?思いの外明るい車内です。

 
車端部の様子です。左の画像は武庫川団地前方車両の車端部、右の画像が武庫川方車両の車端部になり、優先座席に設定されています。どちらも貫通扉がつき、妻窓もしっかり完備。開閉可能の窓が二段になっている点がポイントです。武庫川駅、武庫川団地前駅ともに出口は片一方に寄っていますが、あまり貫通扉を通り抜けるシーンは見かけませんでした。
 
乗務員室との仕切りです。車端部の画像と同じく、左側に武庫川団地方車両を、右側に武庫川方車両の仕切りをそれぞれ載せてみました。驚くことにこの車両に車椅子スペースが備わっています。本線系統の車両では「ジェットカー」など、優先座席と車椅子スペースは同じスペースに固まっていることが多いのですが、この車両に限っては通常のモケットの座席とペアになるように構成されています。この位置の選定はさすがに武庫川駅の構造を念頭に置いたものかと思います。
仕切り扉の上がすこ〜し空いているのは他の阪神の車両にも見られます。


車椅子スペースです。握り棒一本のみと寂しい陣容です。吊革のバンドは短めの物がセットされています。後付だということを考えても仕切りにもう一本握り棒があっても良いのに…なんて思ってしまいます。
車椅子マークもどこか遠慮しているような大きさ、色になっています。


天井です。冷房は基本的には分散型クーラーになりますが、ファンデリアも所々で用いています。脇は直線的な作りのカバーで覆われた蛍光灯、そして長めのバンドで吊革がぶら下がっています。フラットな天井ですが冷房や蛍光灯の意匠はさすがに時代を感じさせるものがあります。網棚上に広告は入っていませんが、中吊り広告はしっかり入っています。武庫川線専用として料金設定がされているかどうかが気になる今日この頃です。


床です。今の阪神の車両陣では模様つきの灰色の床は良く見ますが、こちらは昔ながらの灰色一色!


ドア周りです。実はドア周りは近年変更されており、8000系からねん出されたドアを用いています。かつて用いられていたドアは灰色のHゴムでガラスを支持するタイプでした。今の形状よりも武骨な感じで、Hゴムの色は前面で確認することができます。車齢に合わずスタイリッシュに見えるのはそのためです。他車からドア、そしてドアエンジンを持って来ることで保守が容易になったのは大きなメリットで、この交換に怒る鉄道ファンなんて…まさかいませんよね?

片開きドアの7801・7901形と共通運用のこの車両、片開きドアの車両には無い戸袋の広告枠にもしっかり広告が入っていますが…やはり、武庫川線パックでもあるのでしょうか?両開きドア限定で(^^;;;


側窓です。3連窓がスタイリッシュな連続窓になったのは8000系後期のハナシ。この車両は間に化粧板も貼れるほど一つ一つが分かれた二段窓です。また、窓の奥には昭和の時代の弁当箱を大きくしたような出で立ちの非常通報機がスタンバイしています。


ロングシート。ドア〜ドア間は8人掛けといったところでしょうか。網棚と一体になった直線的な袖仕切り、そして蘇芳色のモケットが大きな特徴になってしまいました。沈み込みが柔らかく深い座席は背もたれがやや切り立っているようにも感じますが、武庫川線だけの利用であれば全く問題ありません。朝夕は利用者が多く、なかなか定員通り座ってもらえないシーンを何度か見ましたが、10分足らずの乗車時間でそこまで求めるのはナンセンスです(^^;;

 
車端部の5人掛け、そして乗務員室後ろの3人掛けです。8人掛けと仕様は同じです。この車両最大の焦点が「蘇芳色の座席モケットがいつまで残るか」という点で、片開き扉車も平成25年11月調査時点でオリーブ色?のモケットに変わった編成が登場しているだけに、今後の展開が気になります。そそ、この色は武庫川駅を通過する山陽電車も持っていないんですよね。

 
優先座席は紫をベースにした色で、この形式では単色モケットで整えられています。他形式と色の調整は見事にできており、一目で優先座席だ!とわかります。それだけに「優先座席」と書かれた縦長の小さいステッカーが周りに何枚も貼られていて、正直アピールしすぎです(^^;;
優先座席は確かに目立つし、場所も阪神本線の車両と同じルールで割り当てられているのでルールどおりの運用と言ってしまえばそれまでですが、武庫川駅・武庫川団地前駅ともに改札から最寄りの優先座席までの距離が他の座席よりも長く、自然と優先座席は後の方まで埋まりにくい図ができてしまいます(^^; いつでも座れる機会が多いであろうポジション、鉄道会社としてのルール、利用客の動線・・・ショートランナー専属だからこそ、優先座席の位置の良し悪しってなんだろうとついつい考えさせられます。
 
ひとつ前に戻る
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送