阪堺電気軌道  モ501形
 
  モ161形が有名な阪堺電車ですが、昭和32年生まれの車両も現役で、しかも朝から晩までキビキビと走っています。この車両だって十分レトロ…とは程遠い広告が目立つ、阪堺電車ならではの…いや、同世代の車両なら他の路面電車でも見かける…うーん、イマイチ「モ161形」と比べるとパンチが欠けるけど、それでも来年には還暦を迎える車両です。モ161形との決定的な違いは冷房の有無になるわけですが、地元のユーザーからすれば快適に過ごせるかどうかが決定的に分かれる要素にもなります。
今回は画像の502号車を中心に取材しました。還暦を迎える車両だけに5両しかいないのに車内も外観も豊富なバリエーションをお持ちで…早朝から続々と来る電車をじーっと見ていても飽きないものです。
(取材・撮影 阪堺電気軌道 我孫子道)

 

 

 


車内全景です。前中扉の2ドア車でロングシートです。501・502号車はこのように薄緑色の車内ですが、モ501形の中には白色の化粧板の車内を持つ車両もいます。モ161形も薄緑色ですが、阪堺電車で考えるとこの色の化粧板の車両、実はあまり多くありません。床までの配色も含めて当時の南海電車のような雰囲気そのままですが、昭和30年代の車両でよくあるくたびれた印象を全く感じさせません。
珍しさから言えば、座席モケットの蘇芳色も阪堺電車ではあまり見ません。


乗務員室との仕切りです。正面の3枚窓、車内から見ると実用的な配置であることが伺えます。近年液晶ディスプレイが設置されましたが、その下の仕切りは昔ながらの色でスタンバイ。ドア周りはICカード導入の関係もあって近年急に賑やかになりました。正直ICカードリーダーと運賃箱が通路挟んで隣り合わせになっているのはある意味紛らわしいような気がします。
天井周りは仕切りらしい佇まいですが、その左脇に堂々と掲げられた「帝国車両」のプレートは要チェックです。右側の禁煙のプレートは…ああ、南海のデザインそのものです。


このカバーつきの蛍光灯を見た時には路面電車なのに…!と驚いてしまいました。冷房は後付でスポット吹き出し口のものですが、照明はその前からこの状態だったと思われます。正直、路面電車はそこそこ乗っている私ですが…ここまで堂々としたカバーつき蛍光灯はあまり見たことがありません…。事実、阪堺電車でも後継車のモ351形ではカバーがなくなっています。そそ、中扉付近の蛍光灯にはカバーはありません…。

もう一つ、だら〜んと下がった吊革の走行中の動きは大変可愛いものがあります。走っている最中しばしば見惚れてしまいました(^^;


床です。緑一色の床だからかもしれません、くたびれた様子が全く感じられません。
ドア周りは僅かに傾斜がついているので、乗り降りの際にはやや気を付ける必要があります。

 
ドア周りです。幅の異なる片開き扉です。メンテナンスのしやすさがここまで残ってきた理由の一つかもしれません。東京都電では乗務員室側に戸袋窓を設けていたのに対し、阪堺電車は室内側…その戸袋窓も側窓と同じように大きくとられています。当たり前のような構成ですが、当時の考え方の差が面白いところです。
ドア自体は塗りドアで、これでプレス加工でもあったらさらにレトロさが出たところですが…残念!


路面電車はまだまだですが、ノンステップバスが当たり前になった今日この頃、この高さのあるステップに対してちょっと抵抗を感じるようになってきました。この高さのステップを当たり前だと感じなくなったのは「堺トラム」だけでなく、モ601形やモ701形で補助ステップを採用して2段にしているからで、この車両でも乗降センサーの関係があるので難しいかもしれませんが…同じように補助ステップがあると良いのになぁ…とついつい思ってしまいます。


側窓は当時としては珍しく?!1段窓です。バタつきは正直あまり気になりません。むしろ窓上の広告枠の幅と窓の幅があっていない方が気になります…(^^;; 細い窓の桟にはこれまた小さい降車ボタンが備わっています。近年バスなどで設置されている光るタイプのものはきっとつけられないだろうなぁ…と思ってしまうくらい細い桟です。

 
座席です。長さによって2種類設けています。優先座席との区別はステッカーのみです。ご覧のとおり背もたれはピターッと壁につき、座面も奥行き浅目のもので、それなりに沈み込みはするものの、路面電車ということもあり、座れれば良いかな…くらいのレベルです。車内の雰囲気がちょっぴり豪華でも、路面電車ならではの空間の制約は今も昔も健在です。
ただ、あまりへたっている様子は見られませんでした。マメなメンテナンスが効いている感じです。


袖仕切りです。緩やかなカーブの美しさ…その意匠は通りやすさか掛け心地かはわかりませんが、吊革の天井からの支持棒とともに穏やかな雰囲気を作っているようにも感じます。同じようなデザインはやはり南海のズームカーでも採用されていたのですが、あちらよりも座面の奥行きが短い分、締まっているようにも見えます。また、この時代の袖仕切りでたまに見かける、握るとザラザラしている仕様ではありません。
 
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