阪堺電気軌道  モ161形
 
  ようやくこの車両に出会うことができました。
昭和3年生まれの古豪、モ161形です。
現在は4両まで数を減らしてしまいましたが、冬季を中心にまだまだ活躍する姿を見ることができます。
減らしてしまいましたが…と言いましたが、団体貸し切り用の車両も含めてまとまった数が残っていることは特筆すべき部分ですし、今後の車両の増備次第では…と、妙にドキドキしてしまう部分でもあります。ただ、年齢に寄らず阪堺電車のアイドルである事は事実で、取材の過程で子供が手を振る場面を見たり、写真を撮っている方を見たりしました。乗ればもちろん、吊り掛けの唸りを体の芯まで響かせてくれます。
今回は通常運用に就くことが多い画像のモ162の模様をお届けします。モ161にもいつか乗りたいのですが…貸し切り、考えようかな?
(取材・撮影 阪堺電車阪堺線・恵美須町〜我孫子道)

 

 

 


車内全景です。薄緑色に覆われた車内は意外と整然とした雰囲気で、丸みを帯びた天井にレトロな雰囲気を強く感じるものです。この車内を以て大きな収容力を活かして…という紹介文を見たことがありますが、確かに入口ドアの周りを中心としたスペースの活用で朝のラッシュも率なくこなす姿があるからこそ、ここまで活躍しているんだろうなぁと感心しながらの取材になりました。住吉大社の初詣輸送も難なくこなしそうですが、この車両を当てたら私のような小粒な人は車両運を一気に使い果たした気分になりそうです(^^;;


乗務員室の周りです。出口の扉は向かって左側のみの使用で、右側はドアのような造形で実際には開きません。かつてはドアがあったと思うのですが…この車両の対称なデザインが美しさをより引き出しているようにも感じます。そして仕切りの天井部分の緩やかなカーブ…この車両で最も美しいと思う部分は後程、たっぷりと。
冷房化はされていませんが、運賃箱は最新のICカードまで率なく対応している物を搭載しています。

 
天井周りです。シンプルな丸みを帯びた天井は剥き出しの蛍光灯が本数少なめにスタンバイ。そして吊革の支持方法がまた美しい。薄緑に塗られた横方向への棒が存在感を打ち消しているのも素敵です。阪堺電車らしさは窓上の横長の広告枠かもしれませんが、この枠、実は乗務員室仕切りの部分にも左右2つ設置されています。
確かにこれだけ丸みがあると、冷房化は厳しいかもしれません。実際、重量の問題もあると聞いたことがありますが…思えば扇風機も設置されていません。夏の貸し切りは窓を開けて涼みながら浴衣で…なんていう風情は理想、現実は…暑そう…。


床です。点検蓋の周りに補修の跡が目立ちますが、それだけ長きにわたって大事に使っていることが伝わってきます。特筆すべき事として、ステップはあるのですが、車体中央の入口扉に向かって緩やかに傾斜がついています。昭和17年生まれの広島電鉄の650形もそうなのですが、昭和初期にして少しでも床を低くできたら…という工夫と努力を実践していた事になります。清掃の関係等鉄道会社としての思惑もあるのかもしれませんが…現在のノンステップへの取り組みにつながっていくという妄想、素敵だと思いませんか?


この画像で床の斜め具合が確認できると思います。入口は両開き扉で、阪堺電車の他系列では見られない大きな開口部分がラッシュ時の強い味方ですが、ステップが狭いので乗り降りにはちょっと時間がかかってしまいそうです。思いのほか静かに開きます。
鴨居部分から左右に振り分けられている樋のような出っ張りが装飾としてなかなか素晴らしく、窓の大きさが同じようなドアの存在感を引き立てています。

出口は片開き扉です。こちらも静かに開きます。ステップが狭くなってしまっているのはこの部分も変わらずで、ステップの周りにはICカードリーダーや乗換券発行機、運賃箱が所狭しと並んでいます。ラッシュ時は真ん中のドアから降りて外から運転士に定期券を見せる学生さんを見かけましたが、往年の東急世田谷線のようなお客さんと運転士の信用関係を見たような気がして、少し清々しくなりました。


窓は1段窓ですが、鎧戸(!)が備わっています。降車ボタンは小さい物を使用していますが、またこれが可愛いアクセントになっています。窓の幅と広告枠の幅が合っていない点はご愛敬です。また、網棚はありません。

 
座席はこちらの2種類で、差は袖仕切りの握り棒の有無です。モケットはオレンジですが、もう少し赤みがかった印象です。スプリングが効いた座席は座面がやや高めかつ浅めに設定されていて、ちょっとした線路の継ぎ目も細かく拾う感じです。普段使いとしては空いていると少し疲れそうですが、古豪のクルージングを味わうのには十分な座席です。ヒーターがギリギリまで出っ張っているのも嬉しいですね。


運転台です。座るには窮屈なスペース、昔は立って運転するのが一般的だったのでしょうか。速度計も無いのにビックリしてしまいますが、様々な計器そして剥き出しの配線にドキドキしてくるのもまた、事実です。


側面のプレートもまたレトロな文字で。ただ、私が子供の頃、同じような表記をワンマンのバスで見たことがあるので汎用品かもしれません。

 
そして仕切りの飾り、製造会社の銘板。仕切りの飾りにはラッシュ時にも関わらず、吊革につかまったままずーっと眺めていました。私からすれば骨董品を丁寧に拝見させていただく眼差しだったのですが、そんな私を見る周りの視線…がどうだったかは、知る由もありません(^^;; また、南海電車でも見かける「禁煙」の縁取りつきプレートもこの空間では活き活きとしているように感じます。

 
顔なじみ 今日も迎える 阪堺電車…そんなモ161形であってほしい。笑顔 ふれあい いつまでも。
 
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