箱根登山鉄道 3000形 | ||
アレグラという愛称を聞いた時に花粉症の私としては真っ先に特効薬を思い浮かべたのですが(^^;; 真っ赤な車体は箱根観光の新たな切り札、3000形です。 現在は2両編成の3100形も登場していますが、今回取材したのは両運転台の3000形です。これでもか!とばかりに大きい窓ガラスが印象的で、特に前面窓に至っては乗務員室の暑さが気になってしまいますが、風光明媚な沿線の風景を楽しむにはこの大きさじゃくっちゃ!という意気込みを感じます。 車体の赤は少し明るめ、鮮やかな赤で親しみが持てます。これでステンレス車体…というのにちょっと驚きです。下に白線が入っているのもお洒落だなぁと思うのですが…誰ですか、消防車みたいと言っているのは?! なお、本コンテンツの進行方向の説明は箱根湯本駅停車時のものを指します。 (取材・撮影 箱根登山鉄道線・箱根湯本〜強羅) |
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車内全景です。2ドアクロスシートの車内です。 車内構成上幅や高さに制約があるかと思いますが、その制約をはねのけて見事に美しい車内を作り上げています。特に窓上から天井にかけての造作の美しさには思わずうっとり。反面、荷棚が無いことに加えて座席下もそこまで広くないことから、キャリーバックを持つお客さんが大挙してくる多客期の荷物対策は少しアイデアを練りたいところです。 窓の大きさは立客にも配慮していることが伺えます。つり革は車内中央付近にはありません。 車端部もこの窓の大きさにビックリします。左の画像は強羅方の仕切りで車椅子スペースがついています。右の画像は箱根湯本方の仕切りでちょっとした腰掛がついています。夜間やトンネル走行時はやはり大きい横引きカーテンで視界が遮られますが、それをも美しく感じる夜のアレグラ…花粉薬とは別の薬をそろそろ処方しようと思います(^^;; 箱根湯本方の2席は優先席に充てられていますが、ピクトグラム表記以外は他の座席との違いはありません。 車椅子スペースはこの迫力の大きい窓が迎えてくれます。握り棒は横方向に2本ですが、1本は低い位置についています。車椅子はもとより、小さいお子様の立客、ベビーカーあたりもカバーできそうな位置です。非常通報機も手に届きやすい位置に設置されています。 画像では白飛びしていますが、この窓の上に液晶ディスプレイがあり、次駅案内や動画などが流れています。なかなか飽きさせないスペースです。 強羅方はちょっと腰かけできるスペースになっています。しかしながら、この部分で腰掛に人がいると車椅子スペースほどの詰め込みが効かないのも事実で、設置するのであればもう少し窓側に寄せたり、ドア側の1席をお子様用の低い着座位置にしても良かったかもしれません。箱根観光を余裕に魅せる空間の取り方…考え方としては理想的でGoodですが、実態は乗車待ちが出るくらい混雑することもあるわけで、どこに軸を置いて車内構成を考えるべきか、悩ましいところでもあります。 天井です。こんな天井を運賃だけで乗れる列車で見たことがありません。吊革の位置や向きもデザインとしてよく考えられている印象ですが、とにかく白い天井に反射する灯りがお洒落です。中央から端へ緩やかなカーブはもう鉄道車両ではないくらい、ここはカフェですか?と思わせるような造作。お見事。 ただ、白い天井で凸凹があり、吹き出し口も真ん中で目立つことから、夏の夜のメンテナンスはマメにしないと…結構目立つと思うんですョ。 床は木目調で通路部分を青くしました。引き締まる青に違和感を覚えますが、さて、狙いは? ドアは片開き扉で、こちらも縦に長い窓が印象的です。つり革や窓上の照明などは客席部分から引き続いて設置されており、周りと調和がとれている感じです。外観も縦長の窓が2つ並んで特徴にもなっています。立客にも景色が見えるように…との配慮が行き届いています。 ドアステッカーも最小限で右側に赤い正方形がチラッと見えますが、そこに「ドアにご注意」と書かれているだけ、シンプルです。 窓周りです。大きな窓はカーテンなどは特についていません。昼間の日光がちょっと心配です。なお、窓は開けることができます。 その窓上すぐに照明がありますが、照明の下にある出っ張りが座席への眩しさを軽減しています。 座席です。乗り降りしやすいひじ掛けの無いクロスシートは相変わらず足元ゆったりです。そう、座れば天国、立てば…を地で行く箱根登山鉄道ならではの伝統をそのまま先代から受け継いでいるような感じです(^^;; 座席下の荷物収納スペースに気が付くかどうかはわかりませんが、片持ち式ではなく、ヒーターもしっかり備わっているので、お土産をその部分に入れるのはちょっと躊躇しそうです。 端の席は優先席を除いて折り畳みができる仕組みになっていますが、驚いたことに折り畳み座席と折り畳めない座席、見た目も座り心地もぴたり一緒…全く違和感がありません。固定テーブルは根元からドライバーでネジを緩めて外す格好で、荷物スペースはどうなるのでしょうか…。背もたれと座面の間のスペーサーも外すことができるようです。最近の路線バスもそうですが、このハズレ席を感じさせない技術は凄いと思います。 ということで、座り心地は硬めのセッティングです。切り立った背もたれからヘッドレストもデザインとしては良いのですが、ヘッドレストの張り出しが大きいかなぁ…。 一応座席番号も振られています。テーブルはしっかりした作りの固定されたものです。 美しいな、と思ったのがこの光景。窓上のあかりがまっすぐ続きます。 夜乗れて良かったです。 |
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