箱根登山鉄道  モハ2形
 
  車号と形式名が一致していませんが、公式サイトの記載に倣ってモハ2形として紹介します。108・109・110の3両が活躍しており、今回は109・110の車内を中心に取り上げます。
昭和30年から32年に車体が製造され、その後台車や駆動機器などを入れ替えて現在に至ります。両運転台車として2両編成の増結車として1両くっつくこともある他、画像の通り2両編成として運転されることもしばしばあるようです。片運転台車で見かける物々しい連結面の貫通路はありませんが、顔と顔がそれなりに離れている姿はちょっと慣れるまでに時間がかかりそうです(^^;; 決して仲たがいしているわけではありません。
慣れないと言えば、運転台が真ん中に堂々とついています。路面電車のような構成ですが、乗務員室はしっかり分かれています。
(取材・撮影 箱根登山鉄道・箱根湯本〜強羅)

 

 

 


車内全景です。2ドアでドア〜ドア間は4人1組の固定クロスシートが左右3組ずつ、車端部はロングシートと車両全体で見ればセミクロスシートの構成です。外観の重厚さと比較してツルンとした、言い換えればレトロな重たい印象が全くありません。木目の化粧板を全体的に使用しており、床の色も明るめで、座席やドアも適度なタイミングで交換しているからか、くたびれた感じがしません。言い換えれば、良く手入れされています。定期券の方がどれくらいいるかはわかりませんが、観光の方でも気持ち良く使える車内ではないでしょうか。


強羅方の乗務員室との仕切りです。4ヶ所あるロングシートのうち1ヶ所が優先席に指定されています。図らずもこの組み合わせは紫陽花の花びらの色そのもので、紫陽花の時期になると冷房車が欲しくなる方にはこの車両はちょっと敬遠したくなってしまうかもしれません。尤もハイシーズンは車両が選べないくらい混雑しますが…(^^;;
乗務員室との仕切り扉も化粧板を貼ってすっきりリフレッシュしています。ツルンとした木目調の化粧板を間近に見られるスポットですが、何しろ前面展望が楽しい箱根登山、大きな窓が嬉しい限りです。


箱根湯本方の乗務員室との仕切りです。仕切りの左上、荷棚の上に置いてあった機器箱がこちらにはありません。そのせいか、反対側の仕切りよりもちょっと明るくなっています。仕切り扉の上の機器箱はどちらもついています。


天井です。吊革がクロスシートの通路幅に沿う形で並んでいます。その外側を蛍光灯が設けられています。吊革自体はロングシート部分、そしてドア付近にも設置されています。いやはや、ハイシーズンには心強い装備ですが、レトロな金具でぶら下がっているのが印象的です。この金具、設置位置がだいぶ偏っているような、均等ではないような気がしますが…??
天井の端には広告枠も設けられています。箱根登山鉄道折り返しの小田急通勤車とは違い、地元企業の広告もたっぷり掲げられています。


アイボリー一色の床です。点検蓋の押さえなど、まめに手入れしながら使っている様子が伺えます。一方で緑の枠は金属の押さえで、こちらは武骨な印象。ステップがあるので乗り降りの際には注意が必要です。


ドアです。片開き扉でクロスシート側に戸袋があります。ステンレスのドアになっていて、外側も内側も無塗装になっています。車齢に合わず?!キレイなドアで、窓の支持方法からも換装しているようです。また、化粧板の木目は鴨居部にも及んでいますが、元々大きな出っ張りが無いスタイルだったところに、小さな凸凹も解消されてさらにスッキリしています。

握り棒、吊革は充実していますが、ハイシーズンはステップに片足立ったまま動けない人もいるかもしれません。路線バスとは違うのでステップに立ったままでもドアは閉められそうですが、安全面ではもちろんステップに立ったままの移動はお奨めできません。
なお、ステップ自体狭いので、大人が両足ステップに乗せた状態でドアを閉めることはスペース上厳しいと思われます。

 
側窓です。クロスシート部分は二つの窓で一区画といった具合で、個々にロールカーテンを引くことができます。側窓は戸袋部分を除いて上段・下段共に窓を開けることができます。
テーブルは4人で使う場合は飲み物を置くくらいの小さなもので、こちらも木目調になっています。「木目調の化粧板」という表現、こんな色合いです。

 
ロングシートです。5人掛けで、モケットの色は小田急1000形と同じものです。
特にバケット形状などの加工はしていません。経年劣化の様子などは特に見られず、柔らかい昔ながらの座り心地を体感できます。小田急通勤車から乗り換えると座面の柔らかさ、そして奥行きの浅さが気になる項目ですが、私の中では許容範囲内です。観光で来る場合、ロングシートではハイシーズンに景色が立客に遮られて見えないこともあるので、ある意味苦痛かもしれません。


その点、ドア〜ドア間のクロスシートであれば景色も堪能でき、目の前が立客で塞がれることもないので、ハイシーズンはオススメです。1両当たりの座席数では、2000形のクロスシート車よりも多めにスタンバイしています(^^;;
背面は握り棒を設置。かつては真っ白の化粧板だったのですが、こちらも木目調の化粧板に模様替えしました。


シートピッチ広めのクロスシートです。足がぶつからない足元の空間ですが、端の席は座席下ヒーターの関係で若干足元が狭くなっています。2000形と同じクロスシートに換装しているため、外観と座席の「老け具合」は完全に一致しません(^^;
バケット形状ながら座面は柔らかめにセッティングされています。切り立った背もたれですが、40分くらいの乗車時間は快適に過ごせます。まさに座れれば天国、座れなければ…(ry
 
斜めから。端の席の足元の狭さもこの画像で確認できると思います。何か足元に荷物を置きたくて足を引くとぶつかってしまう距離感でそびえ立つ銀箱がセットされています。座面とはちょっと空間ができているようで、掃除の悩みのタネになりそうな部分でもあります。
白いヘッドレストカバーは光の反射などで真っ白に見えたり、少しアイボリーがかったりするビニール製で、クロスシートの格好良さをより引き立てています。正直、このクロスシートは好きです。


お手付きか、或いは車内が混んでしまって立ってしまった時にはこのような窓際の小物にもご注目ください。こういうさりげない機能美がイキイキしている反面、重たい物をフックに掛けるとポキッといってしまいそうです(^^;;
このつくり、ロングシート車のモハ1形とは微妙に異なります。


実車とは似て異なるイラスト…… モデルは国鉄時代のレールバスですか?
 
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